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12月に入り、今年も残すところ僅かとなってまいりました。
さて、今回は新春を飾るにふさわしい、葛飾北斎の作品「唐獅子図」を紹介させていただきます。
葛飾北斎は、「冨嶽三十六景」などの版画や『北斎漫画』などの版本を残した国際的にも著名な浮世絵師です。75歳を迎えた天保5年(1834)頃からは、一点ずつ筆で描く肉筆画が中心となり、優れた作品を数多く残しました。本作《唐獅子図》は、その傑作の一つとして知られています。
円相の内側には「百獣の王」獅子が描かれ、その外側を「百花の王」である色とりどりの牡丹が華麗に彩っています。唐獅子の傍らには「画狂老人卍筆 齢八十五歳」の署名が添えられ、数え年90歳で亡くなった北斎最晩年の作品であることがわかります。
北斎は83歳から翌年にかけて、邪鬼を祓うために「日新除魔」と名付けた獅子図を描くことを日課としていました。本作は「日新除魔」を描き終えた北斎が、雄渾な墨の筆致で力強く表した入念の作です。
近年、再びブームを巻き起こしている北斎。来年は生誕260年となる記念イヤーを迎え、さらに注目されることでしょう。魔を祓う荘厳とめでたさに満ちた北斎渾身の傑作を、ぜひお手元でお楽しみください。
葛飾北斎 『唐獅子図』
販売価格 軸・額(各) 125,000円+税
無限定
■額・軸共通仕様
技 法 彩美版®
用 紙 特殊絹本
画 寸 天地41.0×左右38.3㎝
監 修・解 説 小林 忠((学習院大学名誉教授、国際浮世絵学会会長、「国華」主幹、岡田美術館館長、日本美術アカデミー理事長)
所蔵 ボストン美術館 ウィリアム・スタージス・ビゲローコレクション
©2018 Museum of Fine Arts,Boston.
©2018 Museum of Fine Arts,Boston.
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