去る12月4日に日本画家の伊藤髟耳画伯が、日本芸術院の新会員に選ばれました。日本芸術院は芸術上の功績顕著な芸術家を優遇するための栄誉機関であり、芸術の発達に寄与する活動を行う文化庁の特別機関です。その歴史は古く、1907(明治40)年に文部省美術展覧会の開催のために設けられた美術審査委員会を母体としています。
このたび新会員として選ばれた伊藤髟耳画伯は、1938年に福岡県大牟田市に生まれました。多摩美術大学を卒業後、小学校の教諭となります。1966年日本美術院(院展)初入選、1983年日本美術院同人推挙、1996年日本美術院「内閣総理大臣賞」受賞の経歴を持ち、現在も日本美術院の同人として院展などで活躍されています。
伊藤髟耳画伯は、仏教や歴史に深い造詣のある作品が印象的ですが、当社で制作・販売させていただいている「家族」という作品には、ほっこりとしたやさしさがあり、とても魅力的です。郷土人形の「うさぎ」、「庄屋さん夫妻」、「犬にまたがったわんぱく小僧」がそれぞれ柔らかな線と色で描かれており、今見てもとてもモダンです。伊藤髟耳画伯はこの作品をつくるときに家族というものについて考えを巡らせていたそうです。「~朝 顔を合わせると『おはよう』と声かけをしているうちに子供の方から『おはよう』と言うようになり。親として 何んだか うれしくて この短い言葉のやりとりの中 親しみが芽生え、家族を感じます。」と画伯は解説で語っており、この言葉のなかに画伯の家族に対する想いを感じることができます。
本作品は2002年の「再興第87回院展作品集」の表紙絵になった作品です。本紙(絵柄)には伊藤髟耳画伯自らの手彩色(岩絵の具、金泥)が加えられ、直筆サインと落款印が入っています。また額装も本紙が地のマットから浮き出るようになっており、職人の手間をかけたつくりになっています。
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