29 May 2025
藤田嗣治「カフェにて」のこと
こんにちは。
当社では、4月に初めての藤田嗣治作品の複製画となる、「カフェにて」を発売しました。
本作は、戦前に海外で認められた稀代の画家、藤田嗣治の晩年の傑作のひとつで、藤田の代名詞として知られる「素晴らしき乳白色」の肖像画です。藤田のかつての妻であったマドレーヌの面影を感じさせる女性をモデルに、パリへの郷愁を描いた作品として知られています。

©Fondation Foujita / ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2025 E5672
複数ある「カフェにて」のバリエーション作品のなかでも、面相筆による繊細な筆致、淡い色調を特徴とする本作は、私たちがイメージする「藤田嗣治の作品」らしさを実感させてくれます。作品全体に、観る者を古きよきフランスの街角に誘ってくれるような、独特で魅力的な、良い意味でアンニュイな空気が漂い、パリのエスプリを感じさせてくれる個人的にもとても好みの作品です!
このたびの「カフェにて」彩美版®は、作品所蔵先の北海道・小樽にある小樽芸術村(似鳥美術館)さまの多大な協力を得て、原画の色調確認の機会をいただき校正を製作。フランスの著作権団体であるフジタ財団の確認を経て製造・販売しています。
実際に間近で原画を観ると、藤田の特徴である乳白色の肌の色は、単純な白ではなくグレーや赤みのある白などさまざまな色が見え、唇や指先の爪のさりげないピンクの色合い、束ねた髪のふわりとした感じ、女性が着ているドレスやバッグのブラックの階調などに、藤田の繊細な表現の積み重ねを実感します。
そうした作品の持つ雰囲気や、筆致、微妙な色調をどのように出していくか、色校正での表現には、当社の技術と経験を生かしながら印刷担当と試行錯誤を重ねました。
似鳥美術館の貴重な収蔵作品の一つである本作の品位を損なわないよう、そして何よりも、藤田嗣治という偉大な作家による優れた作品の持つ魅力が、手に取っていただく方々に最大限に伝わるよう、丁寧に製作しました。
足を運ばれる機会があれば、ぜひ、小樽芸術村に訪れていただき、藤田嗣治「カフェにて」の原画をはじめ、美術館の所蔵する素晴らしい作品群もご覧ください。
本画にしか持ちえない絵画の魅力を感じた上で、彩美版®でお手元でも楽しんでいただけたらと思います。
<小樽芸術村(似鳥美術館)>
北海道小樽市色内1丁目3-1
詳細はこちらよりご確認ください。
「カフェにて」彩美版®は、おかげさまで発売後、大変ご好評をいただいています。
カタログもご用意していますので、ご興味のある方はぜひお問い合わせください。