31 October 2024
おめでとうございます!
田渕俊夫先生が文化勲章を受章、
那波多目功一先生が文化功労者に選出。
日本画家、田渕俊夫先生の文化勲章受章が決まりました。さらに、日本画家の那波多目功一先生は文化功労者に選ばれました。
両先生は共に歴史ある日本画の美術団体、公益財団法人日本美術院の同人(日本美術院の運営に携わる先生)でいらっしゃるので、日本美術界にとっては大変喜ばしいニュースです。
田渕俊夫先生は日本美術院の理事長もされており、日本画の確たる表現を評価されたことのみならず、日本美術院の理事長として日本画全体の発展に寄与し、人材育成や文化財の保護にも貢献をしたことが受章理由です。
院展(再興院展、春の院展)のレセプションでは毎回、田渕俊夫先生が「今年の院展は皆さまいかがだったでしょうか。」という趣旨の問いかけをされます。これは、「皆さまにお楽しみいただけましたか。」という意味も当然あるのでしょう。ただ、その後に続く先生のお話を伺うと、そこに込められた本当の意味があるようです。それは、「自分たち今の日本美術院の作家は、日本美術院を築いてきた先輩作家に恥ずかしくない作品を出品できたのか。」「自分たちは新しいことに挑戦したのか。」「自分たちは皆さまに、そのような作品をお見せできたのか。」という自らへの問いかけが含まれているのです。田渕俊夫先生はレセプションで話しかけると、いつもにこにこしながら、温厚な表情でご対応いただける優しい方です。しかし、日本画の比類なき高みに上り詰めてもなお、ひたむきな努力を絶やさない方であり、この言葉には、そのような先生の厳しい覚悟を感じて頭が下がるのです。
那波多目功一先生が文化功労者に選ばれた理由は、花鳥を題材にした写生に基づく繊細な特徴的な表現と、長年に渡って優れた作品を発表してきたことです。
那波多目功一先生の作品は四季の花々が精緻に色彩豊かに描き込まれていて、みずみずしい生命を感じます。これだけの絵を描く方であれば、絵が好きで日本画家になりたく努力を重ねた方ではないか、と思います。では、実際に那波多目功一先生はなぜ日本画家になったのか...。その理由は、ご自身のお父さまが院展に落選し続けるのを見てリベンジしたかったからだそうです。このエピソードを読んだとき、あまりの意外さに驚きました。そして那波多目功一先生の別な側面を見てしまったようで、嬉しくも感じました。
よろしければ日本美術院のWebサイト(以下)に、そのエピソードがありますのでご覧ください。
院展出品で印象に残ること、初入選の想い出 那波多目 功一
共同印刷は長年にわたり、院展(再興院展、春の院展)全作品集の撮影、印刷、製本を受託しています。
このたびの慶事が、日本画全体と日本美術院のますますの発展につながることを祈念いたします。
美術趣味では、田渕俊夫先生と、那波多目功一先生の商品を販売しております。
よろしければ商品紹介をご覧ください。
田渕俊夫先生
「春ざれ」
技法:岩絵具方式複製画
商品の詳細は以下をご覧ください。
田渕俊夫先生「春ざれ」
那波多目功一先生
「春日」
技法:リトグラフ、18版18色
商品の詳細は以下をご覧ください。
那波多目功一先生「春日」
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