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26 June 2024

幻想と神秘の世界へ 平山郁夫シルクロード美術館を訪ねて



こんにちは、皆さん! いつもブログ「美術趣味」をご覧いただきありがとうございます。

今回は、最近訪れた「平山郁夫シルクロード美術館」についてお伝えしたいと思います。

平山郁夫シルクロード美術館は山梨県北杜市に位置し、
JR小海線「甲斐小泉駅」のすぐ前にたたずむ素敵な美術館です。

※ちなみにJR小海線は山梨県「小淵沢駅」と長野県「小諸駅」を結ぶ2両編成のレトロで可愛いらしい列車ですが、運行本数が非常に少ないのでご注意ください※

都心から2時間ほど電車に揺られて「甲斐小泉駅」に到着すると、
そこには雄大な八ヶ岳!
色とりどりの野花!
可愛らしい野鳥!
どこまでも続く青空!

目に飛び込むすべてが絵画のようで、
目を閉じて深呼吸をしながら「あ~、来て良かった~!」と思わず笑みがこぼれます。

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気持ちよくお昼寝をするラクダ(の像)がお出迎え


平山郁夫シルクロード美術館。
ここは長年にわたって平山夫妻がシルクロードを追求してきた軌跡が詰まっており、
シルクロードの文化と平山先生の日本画の両方を堪能できる素敵な美術館です。

そして今年は開館20周年という節目であり、
3月23日(土)から9月9日(月)まで 特別記念展「平山郁夫-仏教伝来と旅の軌跡」を開催中です。

幸運にも巡り合えた印象的な作品を3点ご紹介します。


特別展の目玉である《仏教伝来》(1959年 佐久市立近代美術館所蔵)は、
平山先生が29歳の時に第44回再興日本美術院展に出品した作品で、
制作した当時は画業の行き詰まりや体調面などで先生はとても苦しい状況にあったそうです。

「この作品が最後の絵になるかも知れない」
という覚悟と共にでき上がった《仏教伝来》は多くの評価を集めることとなり、
新聞の展覧会評の評価記事を、先生自身嬉しくて何度も何度も読み返したそうです。


画家として歩みだす自信につながった、言わば平山先生の画業の原点でもある《仏教伝来》を見ることができ、感無量でした。



《求法高僧東帰図》(1964年 平山郁夫美術館所蔵)は、
平山先生が34歳の時の作品で、仏教に関する作品の中では壮年期に描かれた作品です。

平山先生は《仏教伝来》を描いた頃から玄奘三蔵をはじめとした高僧のみならず、
仏教を伝えた者たちを描くことに使命を感じており、
《求法高僧東帰図》は仏法を伝える僧侶たちが自国の中国へと帰っていく姿を描いているそうです。

まぶしい金色の背景と対象的に描かれた僧侶たちが印象的な作品です。
仏教の伝播に命を懸け、壮絶な長旅から帰還する僧侶たちは満身創痍だったと推測します。
そして僧侶たちはとても神々しかったのでしょう。


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《燦・瀬戸内 輝く瀬戸内海》(1997年)は、
平山先生が67歳の時の作品で、生まれ故郷の瀬戸内海が描かれています。

平山先生は幼少期の瀬戸内海での生活環境が「色彩や造形に対する感性を育ててくれた」とおっしゃっています。
そして1945年8月6日に広島で被爆し、九死に一生を得ながら、ふるさとである生口島へ帰郷。
その際に「瀬戸内海の風景が心温まる安らぎを与えてくれました」とおっしゃっています。

瀬戸内海と太陽がまぶしく黄金に輝き、平和に包まれる美しくのどかな原風景。
私は安らぎを覚えずにはいられませんでした。

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美術館にはそんな幻想的で神秘的な作品がたくさんありました。
ぜひ、訪れてみてください!

それではまたお会いしましょう。


平山郁夫シルクロード美術館
https://www.silkroad-museum.jp/

特別記念展「平山郁夫-仏教伝来と旅の軌跡」
https://www.silkroad-museum.jp/_exhibition/img/2024_kaikan20th.pdf

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