04 March 2022
美術館訪問レポート
山種美術館「上村松園・松篁 ―美人画と花鳥画の世界―」
こんにちは。
3月に入り、少しばかり空気も春めいてきた気がする今日この頃です。
さて先日、山種美術館で開催中の「上村松園・松篁 ―美人画と花鳥画の世界―」展を見学してきました。
冒頭から「砧」「牡丹雪」など、見応えある作品がずらりと並ぶ松園の美人画は、どの女性像もすっとして上品。まさに眼福でした。特に感激したのは「庭の雪」で、その着物の色の美しさにハッとさせられ、改めて冒頭からまた作品を見直したほど。
「岩絵具の色というのは本当に繊細で美しいな」「絵の具と線でこんなにも美しく女性が表現できるなんて...」などと感じ入りながら松園コーナーを見学しました。
一方、花鳥画で有名な松篁の作品は、どの作品も根気良い観察に基づいて制作されているのですが、それだけではない、鳥そのものが持つ美しさや可愛らしさが感じられ、鳥への愛情が溢れている作品ばかりでした。
「白孔雀」のような堂々かつ上品な作品もすばらしいのですが、「千鳥」は松篁の温かい目線が伝わって、なんだか心がほっこりとする作品でした。
そのほかの作家作品も見ごたえあるものばかりで、小倉遊亀の「舞う」は、舞妓と芸者の2点揃っての大画面が迫力ありましたし、福田平八郎ののっそりとした「鯉」もとても良かったです。
絵は、見るたびに新しい発見があって本当に楽しいなと改めて思いました！
当部では、山種美術館の至宝、速水御舟筆「名樹散椿」の彩美版を販売しています。
山種美術館の山﨑妙子館長はじめ学芸課の方々のご協力のもと、御舟の技術の粋を表現すべく力を込めて制作した作品です。ぜひこちらもお手元でお楽しみいただけたら嬉しいです。
山種美術館「上村松園・松篁 ―美人画と花鳥画の世界―」
2022年2月5日(土)～4月17日(日)
https://www.yamatane-museum.jp/exh/current.html
