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09 March 2022

横山大観記念館で特別展「画家デザインの邸宅・モネと大観」が開催


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 さて、2022年3月3日(木)より3月13日(日)まで東京都台東区池之端にある横山大観記念館で特別展「画家デザインの邸宅・モネと大観」が開催されています。上野池之端不忍池のほとりにある横山大観記念館は、日本画の巨匠、横山大観が自宅兼画室として使っていた建物と庭園で、「横山大観旧宅及び庭園」として国指定の史跡および名勝になっています。
 老朽化のため改修工事をしていましたが、改修を終えた一部の部屋に作品が展示され、一時的に鑑賞が可能となりました。この度の改修は、建物が傾いてきたために基礎部分からはじめ、老朽化した建築材は極力もとと同じものに替えるなど、宮大工さんたちが手間と時間をかけて作業されたそうです。一流の職人の方の手によって、「鉦鼓洞(しょうこどう)」(客間)も昔の趣を残しながらきれいに蘇りました。2階の画室からは瓦屋根越しに不忍池がよく見え、庭園の樹木もきれいに剪定されてとても明るく感じます。

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改修された横山大観記念館の玄関。

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2階の画室に展示されている≪阿やめ≫の原寸大レプリカ。

 特別展「画家デザインの邸宅・モネと大観」では、横山大観の初期の作品≪阿やめ≫(横山大観記念館所蔵)と、クロード・モネ≪睡蓮≫(東京富士美術館所蔵)の原寸大レプリカが展示されています。
 日本画家の横山大観とフランス印象派の画家クロード・モネのふたりには、実は多くの共通点がありました。
・同じ時代に活動した(クロード・モネ1840年~1926年、横山大観1868年~1958年)。
・共に新しい表現を試みるも画壇に認められず、40代になってから成功をおさめた。
・美しい自然をモチーフにした作品の多くは、自ら意匠を凝らしたアトリエ兼邸宅、そして庭園から素材を得た。
 今、日仏の美術館を中心とする国際交流によって、大観とモネの作品、そしてその邸宅をテーマとした新しい研究が進められています。この研究発表の場として、3月3日に東西文化財国際交流事業『クロード・モネと横山大観 』シンポジウムが開催され、各分野の専門家がふたりの巨匠の新しい魅力に迫りました。
 シンポジウムに参加されたパネリストは、平田健氏(東京都教育庁学芸員)、円山和子氏(ジヴェルニー印象派美術館日本画担当)、鬼頭美奈子氏(名都美術館学芸員)、安井裕雄氏(三菱一号館上席学芸員)、荒井経氏(東京藝術大学教授)と第一線で活躍される専門家の方々でした。皆さんそれぞれの視点から、新しい切り口で読み解いた専門的な研究をわかりやすくお話しいただけたので、とても楽しく勉強になりました。
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写真左から横山優子氏(横山大観記念館事務局長兼学芸員)、平田健氏(東京都教育庁学芸員)、鬼頭美奈子氏(名都美術館学芸員)、安井裕雄氏(三菱一号館上席学芸員)、荒井経氏(東京藝術大学教授)、円山和子氏(ジヴェルニー印象派美術館日本画担当)。

 私どもアート&カルチャー事業では、横山大観≪阿やめ≫(横山大観記念館所蔵)とクロード・モネ≪睡蓮≫(東京富士美術館所蔵)の原寸大レプリカの製作をしました。高級複製画「彩美版®」で培った技術で製作したレプリカの完成度は、関係者の皆さまから高い評価をいただきました。このレプリカが荒井経氏(東京藝術大学教授)の研究発表でおっしゃられたように、「複製を通した東西文化交流」のお役に立てば大変うれしいです。

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シンポジウムで展示された横山大観≪阿やめ≫(横山大観記念館所蔵)とクロード・モネ≪睡蓮≫(東京富士美術館所蔵)の原寸大レプリカ。

・東西文化財国際交流事業『クロード・モネと横山大観 』シンポジウムは、文化庁「博物館等の国際交流の促進事業(実施事業)」受託事業として、公益財団法人横山大観記念館が主催し、台東区教育委員会、東京都教育庁、名都美術館、東京富士美術館の協力を得て開催しました。

・シンポジウムの講演概要は「横山大観記念館official」のYouTube チャンネルに公開されるそうですので、ぜひご覧ください(※講演概要のアーカイブ公開は2022年3月14 日(月)からを予定しています)。


・横山大観記念館のVR美術館がオープンします。世界中のどこからでも横山大観記念館にお越しいただけるようになります。
横山大観記念館のVR美術館はこちらです。



・横山大観記念館は3月14日(月)から一旦閉館しますが、今後は下記を予定しています。
3月31日(木)~6月26日(日)「日本美術院と大観」(月曜~水曜休館)。6月27日(月)~7月6日(水)展示替えで休館。7月7日(木)~9月25日(日)「大観と洋(うみ)」(月曜~水曜休館)を予定。詳しくは公益財団法人横山大観記念館のホームページをご覧ください。




アート&カルチャー事業では、横山大観記念館の監修を受けた横山大観の高級複製画を多数取り揃えいていますのでご覧ください。(ホームページに掲載している作品以外にも作品がございます。)



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