原爆の図丸木美術館

29 August 2023

美術趣味をご覧いただきまして、ありがとうございます。

毎年、この夏の時期になると、広島・長崎で平和記念式典が行われます。
日頃、あまり深く考えることのない平和について、何か知識を得るきっかけになればと思い立ち、埼玉県東松山市にある「原爆の図丸木美術館」に行きました。

この美術館は、画家の丸木位里・丸木俊夫妻が共同で制作した《原爆の図》を、誰でも見ることができるようにという思いを込めて建てた美術館です。
丸木位里・丸木俊夫妻が描いた《原爆の図》は全部で 15 部あります。丸木美術館では第1部から第14部までを常設展示しており、第15部のみ長崎原爆資料館が所蔵しています。

今まで、私はさまざまな美術館を訪れてきましたが、今回ほど緊張感を持って訪れた経験はありません。
館内を入ってすぐに 2 階に上がり、丸木夫妻が描いた《原爆の図》第 1 部「幽霊」に対峙して、画面から放出される想像を超えた力強さに言葉を失いました。

そして続く、《原爆の図》の作品群に囲まれて、強烈な恐れと戦争の悲惨さをひしひしと感じると同時に、作品から湧き上がる迫力に圧倒されて、四方から自分が押しつぶされてしまうような感覚に陥りました。

館内には、1951 年に日本美術院展に入選、53 年には院友に推挙された、丸木位里画伯の母・丸木スマ画伯の作品も展示されています。
丸木スマ画伯が描く作品には、動物の表情が豊かで生命力に溢れており、見るものを幸せな気持ちにさせ、戦争にまつわる衝撃的な作品群で張りつめていた私の心を温かく癒してくれました。

観覧中は常に緊張の連続でしたが、命は尊いものだということに改めて気づきました。
そして、未だに戦争が無くならない現代において、私たちは何ができるのだろうかと深く考えさせられた一日でした。

原爆の図丸木美術館
〒355-0076 埼玉県東松山市下唐子 1401
TEL:0493-22-3266
FAX:0493-24-8371

休館日、入館料などの詳細情報につきましては、
以下の Web サイトをご覧ください。
URL:https://marukigallery.jp/

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