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03 April 2023

大師会茶会と弘法大師筆「崔子玉座右銘 (さいしぎょく ざゆうめい)



先週の3月27日(月)・28日(火)と根津美術館で開催された大師会茶会。
三井財閥の創始者であり茶人の益田孝(鈍翁)が弘法大師空海の書「崔子玉座右銘断簡」を披露するために空海の縁日に催したのが始まりとなったもので、現在まで続く日本の二大茶会の一つです。

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「崔子玉座右銘」とは、後漢の詩人、崔子玉が記した座右の銘で、五言二十句の百字からなる訓戒です。
弘法大師が写した「崔子玉座右銘」は、高野山宝亀院にすべてが伝来したものの、現在では散逸し44文字のみが残っています。
大師会では冒頭に続く8文字「施人慎勿念受施慎」および「々内含光柔弱生之」の16文字からなる《崔子玉座右銘断簡》(重要文化財・巻物)を所蔵しており、これは狩野探幽が高野山の金堂壁画を描いた折に、寺からの謝礼を固辞して貰い受けたものとされます。

当社では、この大師会所蔵《崔子玉座右銘断簡》のうち「施人慎勿念受施慎」の8文字を、大師会許可のもと複製し、日常に鑑賞できる掛軸として販売しています。

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本来であればこの後ろに「勿忘」の2文字が続き、
他人に施す時と、自らが施しを受ける時の心構えを示した言葉、

「人に施せども慎みて念(おも)うこと勿(なか)れ
施(ほどこし)を受けなば慎しみて忘るること勿(なか)れ」

となります。
嵯峨天皇、橘逸勢(たちばなのはやなり)の書と共に「三筆」と讃えられる空海が残したこの書は、その来歴や書かれた内容も含めてとても貴重で興味深い作品です。

さて、本年の大師会は、コロナの影響から実に2019年以来の開催となりましたが、当社は点心席入口にて本複製掛軸をご案内しました。
茶会に出席された方々の中には、春らしく明るい色の着物をお召しの方も多く、華やかで春を感じる会となりました。

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「崔子玉座右銘」
仕様
彩美版
表装 三段表装
画寸 天地28.5cm×左右53.3 cm
軸寸 天地124.0cm×左右73.5cm
監修・解説 古谷稔(書学者/東京国立博物館名誉会員)
販売価格 198,000円(税込)
※カタログもございます。ご希望の方はお問い合わせフォームよりご連絡ください。

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