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8月に入り、ひときわ厳しい日差しが照りつけておりますが、お障りなくお過ごしでしょうか。

さて、当社はこのたび、ルノワール生誕180周年を記念して「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢 (可愛いイレーヌ) 」彩美版®複製画の販売を開始しました。
ルノワールは若い時から友人や家族の肖像を描いており、サロン（国が主催する展覧会)に出品する作品の多くの画題を肖像にしていました。
1879年、サロンに出品した出版社の社長・シャルパンティエの妻子を描いた油彩画が大きな評判を呼びます。それまでの肖像画は写実的に、威厳に満ちた雰囲気で描く画風が主流でしたが、ルノワールはモデルを優しい表情と温かい色彩で描きました。この作品の人気によってルノワールに肖像画の制作依頼が殺到するようになり、一躍人気画家として名声を高めていきます。
パリに暮らす裕福な銀行家夫妻の令嬢・イレーヌを描いたのもこの時期です。透き通るような白い肌、華やかな青いドレス。細かく筆を重ねた栗色の豊かな髪と背景の藪の明晰な対比。少女の可憐さや輝く生命力が表されています。イレーヌの肌は筆を遣った跡が見えず、陶器のように滑らかです。ルノワールは画家になる以前に陶器の絵付け師をしていたため、そこで培われた技能がここで存分に発揮されています。その一方で、髪型や背景は筆跡を残した印象派らしい表現をしており、二つの表現方法が巧緻な技術によって集約されています。
ルノワールは子どもには大きな潜在能力と生命力があると信じ、健やかな成長を願っていました。この少女にもルノワールの温かいまなざしが感じられます。
本作品は絵画史に打ち立てられた少女画の金字塔として、今や世界中から絶大な支持を受けており、肖像画のなかでもっとも美しい作品の一つといわれるようになりました。ルノワールが描いた純粋無垢な美しさは、キャンバスのなかでいつまでも輝き続けています。

制作にあたっては、所蔵先のE.G.ビュールレ・コレクション財団より複製画制作の許諾を得て、同財団から正式に画像提供を受けました。その証として、E.G.ビュールレ・コレクション財団の館長であるルーカス・グルーア氏のサイン入り公式証明書が貼付されます。
また、フランス印象派研究の第一人者である島田紀夫氏監修のもと、作品を制作しました。作品の魅力について同氏がわかりやすく解説した説明書を付録としています。
可憐な少女の輝く生命力を描き上げた不朽の名作を、ぜひ末永くご愛蔵ください。(I)

仕様体裁

ルノワール「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢 (可愛いイレーヌ) 」

技法　彩美版®シルクスクリーン手刷り
限定　300部
用紙　キャンバス
額縁　デコレーション金箔木加工額(MDF材)、アクリル付/国産
画面寸法　天地53.0cm×左右44.0cm
額寸法　天地67.5cm×左右58.5cm×厚さ3.0cm
重量　約4.4kg
監修・解説　島田紀夫(美術史家・実践女子大学名誉教授)
原画所蔵　E.G.ビュールレ・コレクション財団
発行　TOMOWEL|共同印刷株式会社
本体価格　148,500円(本体135,000円＋税10%)