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22 October 2025

東山魁夷≪晩鐘≫  荘厳な世界に魅せられて


2016年に九州国立博物館で開催された「特別展 自然と人、そして街 東山魁夷」で≪晩鐘≫を見たときは、中世の街を写実的に捉えたようなこの作品に、これも東山魁夷の作品なのかと驚いたものです。そのインパクトの強さからか、背景の光と大聖堂のシルエットとのコントラストが強烈な印象として記憶に残っていました。このたび、複製画の製作にあたり北澤美術館で改めて≪晩鐘≫をよくよく観察すると、暗く、濃く塗られていたと思っていた大聖堂は、細かい描写と濃淡で描き込まれていました。また街並みは奥にいくほど青みがかり、ぼやっとする空気遠近法(手前のものははっきりと、遠くにあるものはかすんで青っぽく見える表現技法)が見られるなど、丁寧かつ高い技術力で描かれていることにも気づきました。東山魁夷の作品のなかでも特にドラマチックで、西洋中世の荘厳さと日本画の技法が見事に融合されている本作品はどのようにして生まれたのでしょうか。

東山魁夷は皇居新宮殿の壁画≪朝明けの潮≫と日本の古都京都を描いた連作≪京洛四季≫を制作した後の1969年に、かつての留学先であるドイツと、オーストリアへの旅に出ました。この旅で東山魁夷は自然と調和した歴史ある西洋の古都を描いています。≪晩鐘≫は、東山魁夷がドイツ南西部の街フライブルクにあるシュロスベルクという丘に登って見た景色です。巨大な大聖堂がそびえるフライブルクの街に、夕景の雲間から金色の光の筋がいくつも降り注ぐその荘厳な光景を前にして、魁夷は無言で立ちつくしたそうです。東山魁夷はこの光景を見る前に、フランスのコルマールでグリューネヴァルトが描いた祭壇画を見て大変感銘を受けています。この祭壇画は聖書にある場面がおそろしいほどリアルに描かれ、ドラマチックに場面が展開していきます。東山魁夷がフライブルクの大聖堂と街に天から光が降り注ぐのを見たとき、目の前の美しいリアルな世界と精神世界とが共存している感覚を持ったのではないでしょうか。

≪晩鐘≫を通じて、私も東山魁夷が感銘を受けたその場に立っているかのように感じることができます。この絵のなかに人物は描かれていません。だがこの街に暮らす人のぬくもりと信仰のこころを感じることができます。東山魁夷が感動した感覚を自分も共有することができる。それが東山魁夷の作品の神髄であると改めて感じるのです。


このたび、東山魁夷≪晩鐘≫の原画を収蔵している北澤美術館の特別な協力を得て、高級複製画 東山魁夷 マスター ピースコレクション™「晩鐘」を販売します。

東山魁夷 マスターピース コレクション™「晚鐘」
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<仕様体裁>
技 法 彩美版 プレミアム
限定 500部
画寸法 天地43.3×左右62.0cm
額寸法 天地61.2×左右79.8×厚さ3.5cm
額縁 特注浮き出し加工木製額(シルバーフレーム/背面ブルーグレー梨地)
重量 約5.1kg
許諾 東山家齋藤進
証明 東山家齋藤進
原画収蔵 公益財団法人北澤美術館
販売価格 605,000円(本体550,000円+税10%)
※寸法・重量等は、天然材料を使用し一点ずつ手作りのため、表記と異なる場合があります。

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