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花の盛りも過ぎて、草木の緑が濃くなり、風が初夏の香りを運ぶ季節になりました。

今回は、先日訪れた三菱一号館美術館の「コンスタブル展」についてご紹介します。
コンスタブルは、19世紀のイギリスで活躍した画家で、当時は低俗とされていた風景画の評価を引き上げた先駆者です。
作品のモチーフは、ふるさとや旅で訪れた場所、知人の住む土地など、のどかな町並みが多く、穏やかに日々の生活を送る「イギリスの日常」が描かれています。
コンスタブルの作品は、一見地味に見えるかもしれません。しかし、作品全体に漂う牧歌的な空気感や、農作業をする人、海や川辺で遊ぶ子どもなど、絵画のなかに描かれている一人ひとりが自分の人生を一生懸命生きようとする姿が魅力的に描かれております。
コンスタブルは同時期に活躍したターナーと並んで、身近な自然を描く風景画家の第一人者とされており、その画風は、後のモネやルノワールらによる印象派に継承されていきます。
このほかにも、風景画が評価されるようになるまでの間、コンスタブルが家族を養うための収入源として描いていた肖像画や、雲の表現にこだわり気象情報まで研究して描いた雲の習作などの作品が多数展示されていて、とても見応えがありました。
新型コロナウイルス感染症の情勢を踏まえ、三菱一号館美術館は現在休館になっておりますが、展覧会が再開された折には、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

【三菱一号館美術館】
住所 : 〒100-0005　東京都千代田区丸の内2-6-2
開館時間 : 10～18時
10～20時（金・土・祝前日）
※入館は閉館の30分前まで
休 館 日 : 毎週月曜（祝日・振替休日・展覧会会期中最終週の場合は開館）年末、元旦、展示替え期間
電話番号 : 050-5541-8600（ハローダイヤル）
※三菱一号館美術館は現在、緊急事態宣言に伴い休館中です。