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September 16, 2016

坐ることを拒否する椅子に拒否された話


 東京の青山、表参道には美術書が豊富な青山ブックセンターや、ワタリウム美術館のショップなどがある。また美術館やギャラリーもある。昨日まで続いた雨模様も今日は久方ぶりに晴れたので、青山、表参道の散策を楽しむことにした。

 先ずは表参道の路地を入った所にある「岡本太郎記念館」から始める。ここは芸術家、岡本太郎が自宅兼アトリエとして暮らしていた場所である。門を入ってすぐ横に、カフェ「a Piece of Cake」があるので人心地を付くことにする。注文したパンケーキセットは、メープルシロップ、大きめのバター、ジャム、そしてたっぷりのホイップクリームが添えられている。大きく開放的なガラス窓からは、庭の眺めが良い。ふと建物の上の方を見ると、「太陽の塔」が2階のバルコニーから庭を覗いている。

20160916_taros_pancake.jpg
パンケーキにはa Piece of Cakeの焼き印

 記念館の扉にある足裏の形の把手をつかんで中に入と、館内には岡本太郎の等身大の人形や、さまざまな立体、平面作品が展示されている。美術館に来たというよりは、太郎さんの家に遊びに来たという感覚である。制作に使用したアトリエが残されていて、巨大なキャンバスがいくつも棚にしまわれている。イーゼルに立てかけられた作品や、机に並べられた絵筆を見ていると、今でも岡本太郎の息づかいを感じるよう。2階の企画展「岡本太郎の沖縄」(~2016年10月30日まで)では、岡本太郎が返還前の沖縄を撮影した写真が展示されている。

 こちらの記念館の小さな庭はとても居心地がよい。うっそうと植物が茂った庭には、精霊のような不思議な作品が点在している。そして小さな広場には「坐ることを拒否する椅子」が並べてある。この椅子は座面が丸く凸型になっており、そこに目や口が凸凹と付いているので、とても落ち着いて坐れない。この椅子が坐ることを拒否することに、断固拒否して無理無理坐ってみた。立ち上がってみると、お尻が濡れている。昨日降った雨が、座面の窪みに溜まっていたようである。美術館の作品というものは、黙っておとなしく鑑賞者に見られて居るモノであるが、岡本太郎が生み出したアート達は違う。彼らも何かを仕掛けて来るから油断がならない。いい年をした大人が濡れたお尻を抱えたままでは、青山、表参道をうろつくこともままならない。始めたばかりであるが、ほうほうの体で帰途についた。



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