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May 24, 2018

生誕140周年記念 鏑木清方「朝涼」のご案内


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1878年(明治11年)8月生まれの鏑木(かぶらき)清方は、今年生誕140周年を迎えます。
近代美人画の第一人者として「西の(上村)松園、東の清方」と称せられ、明治から昭和の長きにわたり活躍、昭和47年(1972年)に93歳でお亡くなりになりました。
清方の単なる美人画に留まらない緻密に描き上げた風俗描写、情緒あふれる文学性や豊かな芸術性は今なお多くの人を魅了し続けております。

さて今回ご紹介の「朝涼(あさすず)」は、清方終焉の地、鎌倉雪ノ下に建てられた鎌倉市鏑木清方記念美術館が所蔵する名品中の名品です。

帝展の審査員をつとめ画壇での地位を築いたその頃、大正12年9月1日、清方は東京・本郷龍岡町の自宅で関東大震災に遭遇しました。「朝涼」はその翌々年(大正14年)、震災後初めて開催された第6回帝展で発表された作品です。

金沢八景の別荘でひと夏を過ごしたある日の早朝の空に、画家はふと残月が淡くかかるのを見つけ、長女をモデルに思いを込めて描き上げました。
清らかな女性のすらりとした立ち姿、たおやかな手つき、背景に蓮の花を配す造形は、安らかに心を落ち着かせる風情を漂わせ、細部にまでこだわりを感じさせます。

震災の記憶が作品にも反映しているのでしょうか。画中の若き女性の強い意思をあらわす表情、印を結ぶかのような手つき、紫の衣を羽織り、蓮の葉を背にするその姿は恰も菩薩像を思わせるかのようでもあります。
当時の新聞でも清らかな作品の様子が話題となり、清方の画業の転機となる重要な作品と評されました。

昭和29年文化勲章受章の名匠、鏑木清方が描いたみずみずしさ漂う、美しき本作「朝涼」を皆さまぜひお手元でお楽しみ下さい。



朝涼(背景グレー階調)_700pix.jpg


[仕様体裁]
画面寸法 天地100.0×38.5cm
表装寸法 天地169.0×57.0cm
技 法  彩美版(R)、シルクスクリーン手摺り
用 紙  特製絹本
表 装  三段表装
表装材料 天地:白茶無地
     中廻:薄茶綿ムラ経
      一文字・風帯:牙地唐花唐草文金襴
     軸先:朱塗頭切
     箱:柾目桐箱、タトウ入        
限 定   100部
原 画   鎌倉市鏑木清方記念美術館 所蔵
解 説   宮崎徹(鎌倉市鏑木清方記念美術館学芸員)
価 格   194,400円(税込)


次回の美術趣味ブログの更新は6月8日(金)です。


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