October 27, 2017

【新作のご紹介】彩美版® 速水御舟「瓶梅図」

いつもブログ『美術趣味』をご覧頂きましてありがとうございます。

秋涼爽快の候、木々の葉も鮮やかに色づいて参りました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
このたび当社より、日本画家・速水御舟「瓶梅図(へいばいず)」を彩美版®にて販売開始いたしました。

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東京浅草生まれ、40歳で生涯を終えた速水御舟は、14歳のころより松本楓湖の画塾に入門。
すでに23歳で、横山大観らに激賞を受け日本美術院同人に推挙されます。
いわゆる天才です。


写実すぎるゆえに波紋を呼んだ、御舟代表作《京の舞妓》ほどの超絶写美はないものの、
赤絵壺の模様にみられる緻密さと、らせん状に描かれた枝ぶりの隙のない構図に、
御舟らしい凄みを感じる力作です。

梅を描いた日本画は数ありますが、その計算された構図と配色のせいか、
他にない何とも言い難いすっとした独特の佇まいがあります。
写真ではお伝えしきれないのが残念なほどです。
まったく古さを感じさせないフレッシュさがありますので、現物で観ていただきたい作品です!

本作が描かれたのは1932年(昭和7年)。
当時の東京は関東大震災復興事業を通じ、モダン都市へと変貌を遂げていた時代でもありました。
伝統とモダンが融合した《瓶梅図》を、ぜひお手元でお楽しみください。
また、本作には日本画家、田渕俊夫先生のインタビューを収録した特別付録冊子がついております。


速水 御舟 はやみ ぎょしゅう (1894~1935)
1894年、東京浅草に誕生。1908年、松本楓湖の安雅堂画塾に入門。1914年、俵屋宗達の《源氏物語関屋澪標図》に感激し、雅号を「禾湖(かこ)」から「御舟」に改める。再興第1回院展に《近郊(紙すき場)》を出品し院友推挙。1917年、再興第6回院展に《洛外六題》出品、横山大観らの激賞を受け同人推挙。1920年頃より静物画に集中的に取り組み、再興第7回院展に超絶写実の《京の舞妓》を出品し波紋を呼ぶ。1925年、軽井沢での取材をもとに《炎舞》(重要文化財)を制作。1929年、《名樹散椿》(重要文化財)制作。1930年、イタリア政府主催・ローマ日本美術院の美術使節として渡欧。1932年《瓶梅図》制作。1935年、腸チフスに罹患し、40歳で逝去。


本体価格 185,000円(税別)
技法 :彩美版®シルクスクリーン手刷り(パール、銀、本金一部使用)
限定 :200部
額寸 :天地75.0cm×左右65.6cm×厚み3.1cm
監修 :速水夏彦

【お問合せ先】 
共同印刷株式会社
アート&カルチャー部
03-3817-2290 =お気軽にお問合せください=

October 20, 2017

ささやかな癒しの場所

暑さと寒さが競い合うような煮え切らない気候が続く中、久しぶりにカフェギャラリーを訪ねてみたくなり、かねてより気になっていた、さいたま市見沼にある古民家タイプのカフェに行ってみることにしました。


国道から一般道に入り、見沼の田んぼが連なる情景の中、あぜ道のように細い道を入っていくと車がいくつも止まっている行き止まりの場所に辿り着きました。café&gallery 温々(ぬくぬく)というお店です。建物は170年前の古い納屋を改築し、カフェとギャラリーのスペースに生まれ変わらせたもので、お店自体既に二十数年の歴史があるそうです。

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店内はちょうどお昼時ということもあり、食事と歓談を愉しむ人々で賑わっていました。豊かな雑木林に面した全面ガラス窓、古い造りを活かした梁がむき出しの天井、様々な陶器が置かれた棚、ガラス器や種々のお土産が置かれたスペースなど、こんな田んぼの中で?と思うほど、お洒落な印象の内装で、賑わいを見ても人気スポットであることを伺わせます。

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2週間ごとに展示替えするというギャラリースペースも土壁風の味わいがある、落ち着いた雰囲気です。この日は「しもゆきこ木版画展」が開催されていました。寺田寅彦の短文集「柿の種」をテーマにした作品ですが、しも先生はかつて「まんが日本昔ばなし」の作画をされ、その飄々とした温もりが木版画にも息づいています。ご本人も在廊し、毎年今頃にここで作品展を行っており、もう20年以上になるということでした。
私はカウンター席に座り、ヘルシーさが際立つ雑穀米善とコーヒー(まろやか)をいただきました。帰り際、この不思議な場の雰囲気をまた味わいたいと感じ、繰り返しいらっしゃるお客さんも多いのだろうと思いました。

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帰り道の途中に「市民の森・見沼グリーンセンター」という公園があるようで、何の予備知識もないまま、ちょっと立ち寄ってみました。駐車場は満車状態で意外な人気に戸惑いながら何とか駐めて、園内を散策しました。結構広いようで、全体を見て回ることはできませんでしたが、広々としたのどかな芝生広場、会議室や農産物直売所などのある本館等に特徴があるのだと思いつつ、温室らしき建物は改修中で廃墟状態、その近くのリス飼育舎もこじんまりしてトホホという印象でした。
しかし東へ歩いていくと「子リスのトトちゃん」の像が建つ「りすの家」という施設があり、どんなものかと、小さな子を連れた家族たちに混じって入ってみました。すると思いがけずこの空間に気持ちが惹き込まれました。

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中は大きなネットで囲われた野外のフィールドで、順路を歩いていきますが、リスたちが遊べるように木材や草花が配置され、所々に屋根付きの小さな餌場が置かれています。何匹ものリスたちは自由に生き生きと駆け回り、檻などで隔てられることなく目の前で眺めることができます。足元を横切ったりするので、踏んでしまわないか不安ですが。(触ることは禁じられています。)結構長い時間見て回り、帰路に就くことにしました。
「カフェギャラリー・温々」も和みの場所ではありましたが、間近に見るリスたちの仕草に、よりぬくぬくした癒しを感じてしまうのは予想外でした。


■café&gallery 温々(ぬくぬく)
 さいたま市見沼区丸ケ崎1856   TEL 048-686-3620
 営業時間10時30分~20時(満月の日~21時)
 満月の日は17:00より通常のメニューにないアルコールアラカルトあり。
 定休日 月曜(祝祭日の場合は翌日)
■市民の森・見沼グリーンセンター
 さいたま市北区見沼2-94   TEL 048-664-5915
 開門時間 市民の森:4月から9月 8時30分~18時  10月から3月 8時30分~17時
         りすの家:10時~16時
 定休日 市民の森 年末年始
       りすの家 月曜(祝祭日の場合は翌日) 

October 12, 2017

芸術の秋と、東山魁夷「行く秋」

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現在、千代田区北の丸公園にある東京国立近代美術館で所蔵作品展「MOMATコレクション」(~11月5日まで)が開催されています。この展覧会は同美術館の幅広い収蔵作品の魅力が一堂に集まり、とても見応えがあります。中でも見どころは、同館で多数所蔵している東山魁夷の作品17点を同時に展示している事です。人気の作家なので貸し出しが多く、まとめて展示される機会はなかなかないようです。風景画家として立つことを決意した「残照」、教科書などにも出てなじみ深い「道」など、素晴らしい作品が壁面を彩ります。秋の深まり行くこれからの季節、皇居の散策なども含め見に行かれてはいかがでしょうか。
さて秋と東山魁夷と言えば、当社にも素晴らしい作品がございます。東山魁夷 マスターピース コレクションTM「行く秋」です。画面全体、黄葉に彩られた輝くような秋の景色。東山魁夷はこの作品についてこう述べています。
「秋深い林の中を落葉を踏んで歩く。
楓の黄葉が地上に織り上げた金色のタペストリー。
行く秋は淋しいと誰が言ったのか。
私が見出したのは、荘重で華麗な自然の生命の燃焼である。」
魁夷の自然に対する気迫ある姿勢が感じ取れます。

残念ながら本作品は「MOMATコレクション」には展示されていませんので、当社の商品画像でお楽しみください。なお2018年1月2日からは、八王子にある東京富士美術館で「東京富士美術館開館35周年記念 東山魁夷展─長野県信濃美術館東山魁夷館所蔵品による」が開催されます。同展覧会では、現在改修中の長野県信濃美術館 東山魁夷館の所蔵作品が多数展示されます。是非この機会に足をお運びになってはいかがでしょうか。


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東山魁夷 マスターピース コレクションTM 「行く秋」
原画所蔵:長野県信濃美術館 東山魁夷館
監修:東山すみ
販売価格 500,000円+税
<仕様体裁>
技法:彩美版®プレミアム
限定部数:350部
額縁:特注銀泥プラチナカラー木製額・ハンドメイド浮き出し加工
画寸法:459×652mm
額寸法:636×832mm
重量:約5.3Kg
高精度プリントに高級アクリルガラスを貼合したモダンな仕様です。
ぜひお気軽にお問い合わせください。
共同印刷株式会社 アート&カルチャー部
お電話03-3817-2290(土日祝は除く平日10:00~17:00)

October 5, 2017

山奥の巨大要塞


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トロリーバスに揺られながら向かうと、山奥に突如現れる巨大な建造物に圧倒されました。日本最大級のダムであり、放水シーンで有名な「黒部ダム」は、まさにコンクリートの塊。その全容はさながら、要塞のようでした。

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黒部ダムは北アルプスの山間部に、昭和31年から建設が始まり、当時の金額で513億の巨費が投じられ、延べ1,000万人もの人手により、7年の歳月を経て完成しました。高さ186mは日本一を誇り、そのスケールの大きさと困難さから「世紀の大工事」と語り継がれています。中でも破砕帯との格闘は石原裕次郎主演の映画「黒部の太陽」に描かれた事でも有名です。そして今年は「破砕帯突破60周年」を迎え、現地では当時の工事について記念展示がされています。

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破砕帯とは、岩盤の中で岩が細かく砕け、その隙間に地下水を大量に含んだ地層をいいます。ダム建設のためにトンネル工事は不可避でした。そして、順調に工程が進む中この「破砕帯」にぶつかってしまったのです。破砕帯の長さは、約80メートル程しかありませんでしたが、次から次へと溢れ出てくる水の影響で、工事は困難を極めました。トンネル工事の最難関箇所と言われ、多数の死者がでました。しかし、この破砕帯を突破しなければダムは完成しません。現場作業員は、持てる知識と知恵・経験を結集し、7ヶ月の苦闘の末に突破したのです

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そして現在、観光地として賑わうことになった黒部ダムの最大の見所は、日本一を誇る高さからの「放水」でしょう。「ゴーッ」という水しぶきをあげながら、毎秒10トン以上の水が一気に放水されている様子は圧巻です。天気の良い日は、水しぶきで虹がかかることもあるそうです。


プロフィール

共同印刷株式会社SP&ソリューションセンター アート&カルチャー部では、日本画を中心とした複製画や版画の制作、販売をてがけています。制作の裏側や、美術に関係したエッセーを続々とアップしていきます。尚、このサイトの著作権は共同印刷株式会社又は依頼した執筆者に帰属します。

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