September 29, 2017

感謝の気持ちを忘れずに。。。

いつもブログ『美術趣味』をご覧頂きましてありがとうございます。

台風一過で空気が秋の気配に変わり、少しづつ涼しさが深まってまいりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。この様な陽気で体を冷やしたりして風邪をひいたりとしがちですが、どうかお体をご自愛くださいませ。

 
秋のお彼岸に入り入りました。お墓参りをしてご先祖様達の墓前に心静かに手を合わせると、なぜか心がやすらかになれます。お花やお線香、お供えと先祖を敬い、故人を偲ぶ気持ちは、とても大切なことだと思います。また、こういった場で家族間のコミュニケートをはかるのもとても良い機会なのではないでしょうか。普段なかなか都合がつかず足が遠のいてしまいがちですが、私も時間を見つけてお墓参りに行こうと思います。ご先祖様を敬い、家族に感謝して、あたたかい気持ちを大事にしていきたいものです。

 今回は、私のお気に入りの逸品をご紹介いたします。



版画 伊藤髟耳 《家族》
販売価格 150,000円+税


日本美術院同人の伊藤髟耳(ほうじ)先生にお願いして、再興第87回院展作品集の表紙画をもとに版画を制作していただきました。
ほんの短い、ささやかな言葉のやりとりの中のに芽生えるあたたかな気持ちを、身近にいる「家族」に感じ、手で創られる郷土土人形のぬくもりを、手の中で感じ取られたそうです。
ひとつひとつ先生御自身が丁寧に手彩色を入れて下さいました。
伊藤先生のお人柄を反映し、暖かく穏やかな気持ちにさせてくれるまさに「特別な」作品です。


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<仕様体裁>
技法 彩美版(R)、シルクスクリーン、画家自身による手彩色(岩絵具、金泥)
用紙 版画用紙
限定 100部(作者直筆サイン、落款印入り)
額縁 特製木製額、アクリル付(国産、ハンドメイド)
画寸 天地35.5×左右37cm
額寸 天地55.5×左右55.7cm
重量 約2.5kg




September 22, 2017

秋の気配が暮らしを彩ってまいりました


 爽涼の候、澄んだ青空に心洗われ、少しずつ早まる日暮れとともに虫の音が心地よい季節がやってまいりました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 この季節の移ろいは、日増しに五感が優れてくるような気配すら感じます。

  【 視 覚 】
    【 触 覚 】
      【 嗅 覚 】
        【 味 覚 】
          【 聴 覚 】

...と文学的なことを言っておきながら、結局のところ私が気づく事と言えば、身近なスーパーの果物売場の盛り沢山さ、食欲をそそるとても色鮮やかなこと。

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 まさに、「天高く馬肥ゆる秋(空は澄み渡って晴れ、馬が食欲を増し、肥えてたくましくなる秋)」ですね。

 さて、果物は古代から豊穣のシンボルとして、また愛情のしるしとして美術のさまざまな場面で描かれてきました。静物画のモチーフとしても時代や国を超えて多くの作品に描かれており、身近なものとして親しまれてきました。

 19世紀末、セザンヌは「静物画のモチーフは果物がよい」として、リンゴを好んで描いたそうです。リンゴの形や重さといった「物質としての存在感」を表現するために、テーブルクロスや花瓶などを同じ画面上に置き、果物の瑞々しさと無機質な素材とを描き分けるなど絶妙なバランスを配し、その制作姿勢は後の画家たちへ大きな影響を与えました。

 また、印象派の画家たちは、果物を描くことで、キャンバスを通じて自然界の光を屋内に持ち込むといった願いを抱いていたとも言われています。

 そこはかとなく秋の気配が感じられる今日この頃、文学的・芸術的な思考を巡らせながらも、皆さまの日常にある秋色=ご近所にあるスーパーの果物売場を散策し、五感で楽しく味わって頂ければ幸いです。

September 15, 2017

ローカル線で行く芸術の里、中房総いちはらの旅


 「ローカル線」という言葉にノスタルジーを感じるのは私一人ではないでしょう。多くの人にとって鉄道は、忘れ得ぬさまざまな想い出の場面にその背景として登場することでしょう。想い出が一杯詰まった鉄路とローカル線はイメージのなかで重ね合わされそれが郷愁として意識されるのでしょうか。故郷のローカル線はある意味人生そのものと言えるかもしれませんね。
 地方のローカル線は合理化のため次々と廃線となっています。私が幼いころ通学に利用していた片田舎の鉄道もはるか以前に廃されバスに取って代わりました。私の故郷の鉄路は既に想い出の中にしか存在しません。もう一度乗ってみたいと願ってもそれは叶わないのです。しかし、今も営業を続けるローカル線の旅を通じ、疑似的ではありますがその思いを叶えることは可能でしょう。鉄道ファンならずともローカル線に魅力を感じるのは、こうしたことも理由のひとつかもしれません。夏も終わりの週末、私は東京近郊のローカル線・小湊鐵道を利用した小旅行に出かけてきました。写真を交えて簡単にご紹介させていただきます。


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小湊鐵道五井機関区


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五井駅


 房総半島すなわち千葉県のほぼ中央部に位置する市原市内を南北に貫く小湊鐵道は、関東地方のローカル線の代表格と言えるでしょう。近年、沿線の風景の美しさや鉄道施設のノスタルジックな魅力に加え首都圏から日帰り可能な利便性が評価されマスコミに取り上げられることが多くなり、知名度も高まっています。創業は1917年(大正6年)ですから、今年100年を迎えました。
 東京湾沿岸部にありJR内房線と接続する五井駅を起点とし、山間部の上総中野駅を終点とする片道39.1kmの路線は、養老川と併行するように走り、車窓から眺める美しく穏やかな田園風景はこの路線の魅力のひとつです。ことに養老渓谷の眺めはそのハイライトと言えるでしょう。小湊鐵道の魅力は多くの表現者の心を捉え、写真や映像作品に取り上げられています。また、鉄道をテーマにした作品で知られる日本美術院同人の小田野尚之画伯はしばしば小湊鐵道に取材した作品を発表されています。(第66回春の院展「定刻着」ほか)


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月崎駅


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緑のトンネル


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トロッコ列車


 同鉄道は全線単線で電化されておらず、基本的には気動車(ディーゼル車)の1両または2両編成で運行されています。このほか開業当時使用していた蒸気機関車そっくりに仕立てられたディーゼル機関車が牽引する観光むけの里山トロッコ列車が平日上り下り各2本、土日祝日各3本運行されています。開業は1925年(大正14年)、まず五井~里見間での運行が始まり、終点上総中野までの全線が開通したのは1928年(昭和3年)です。当初計画では、日蓮上人ゆかりの誕生寺がある外房の小湊まで延伸する予定でした。小湊鐵道という社名はその名残です。駅舎など多数の施設が開業当初からのもので、簡素な造りながら古典的美しさを保っています。2016年(平成28年)、文部科学省文化審議会により同社の22施設を国の登録有形文化財へ登録する答申がなされ、今年5月に正式登録となりました。


登録有形文化財案内板.JPG
登録有形文化財案内板


 小湊鐵道沿線の観光としては養老渓谷と養老温泉が代表的ですが、近年では市原市が主催する中房総国際芸術祭「いちはらアート×ミックス」という現代アートのイベントが注目されています。この芸術祭は、東京近郊のベッドタウンとして開発が進み人口が急増する市北部と対照的に緑豊かな自然や里山が残る一方深刻な過疎化が進行する市南部地域の活性化をアートの力を借りて行うべくスタートしました。いわゆるアートによる「まちおこし」のひとつと言えます。第1回は2014に開催され、今年第2回目が4月から5月にかけて開催されました。特徴のひとつは、小湊鐵道沿線に点在する、廃校となった小中学校校舎や里山そのものを作品展示会場とすることです。人々が暮らす地域ごとにアートの拠点を構え、文化活動によるまちづくりを行うことがうたわれています。また、個々の地域を貫く地域の交通の要である小湊鐵道の活用ももうひとつの重要なポイントとされています。地域間の移動手段であるばかりでなく、駅舎などの施設そのものも活用されています。
 上記の通り今年のイベントは5月に終了してしまいましたが、そこかしこにイベントの活気の名残のようなものが感じられました。途中下車した月崎駅には、木村崇人氏による作品「森ラジオ ステーション」がありました。小湊鐵道でかつて使われていた詰所小屋を植物で覆い、いささか陳腐な表現ではありますが、「となりのトトロ」などジブリアニメのワンシーンを彷彿とさせる幻想的空間を具現化しています。


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木村崇人「森ラジオ ステーション」


 月崎駅から五井方面に三駅戻った高滝駅の近くには、養老川をダムで堰き止めた高滝湖がありその湖畔に市原湖畔美術館が建っています。「いちはらアート×ミックス」開催にあわせて既存の展示施設「水と彫刻の丘」(1995年開館)をリノベーションし2013年再オープンしたもので、数少ない公立現代美術館のひとつとして知られます。「いちはらアート×ミックス」の主要会場のひとつであるほか、年5回ほどの企画展を開催しています。現在は音楽の一ジャンルで、若者に人気のラップ・ミュージックを取り上げた「ラップ・ミュージアム展」を開催中です。


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高滝湖と市原湖畔美術館


 ラップ・ミュージックをご存じない方のために、かいつまんでご説明しますと、一般的な音楽が音階による旋律(メロディ)を主体とするところ、韻を踏む歌詞とリズムが最も重要な構成要素であるところに特徴があります。リズムに合わせて詩を朗読するイメージと言えば少しはご理解いただけるかもしれませんね、私は正直なところラップそのものには余り興味がなく、予備知識も持ち合わせていなかったのですが、音楽をテーマにしたアート展示がいかなるものか興味がもたれて覗いてみました。拙い私の文章で読者の皆様にご理解いただけるかどうかわかりませんが、特殊な電子装置を用いたリズムと言葉の緊密な関連性をビジュアル的に表わす展示を通し、作者それぞれのユニークなリズムと韻を踏む歌詞の連鎖が、あたかも和歌のように、練り上げられた計算に基づく美しい精緻な構造を形作っていることを知りました。また日本のラップ・ミュージックが既に30年近い歴史を持つことにも驚きました。少なくともこの企画展は私にとって、多少なりともラップを理解する手掛かりとなり、少なからぬ興味を持つきっかけとなったことは確かです。喰わず嫌いよりまずはチャレンジですね。


 ご紹介してきました小湊鐵道とその沿線ですが、実はこれからの季節、秋がお勧めです。田園地帯の黄金色の実りや紅葉の美しさは千葉県内でも一、二を争う魅力です。ことに、養老渓谷の紅葉はお勧めです。
JR東京駅から五井駅(JR内房線)まで片道約1時間、小湊鐵道・五井駅から終点・上総中野までは1時間余り。上総中野駅でいすみ鉄道に乗りかえれば、外房の大原まで抜けることができます。この秋、ローカル線の旅に出かけてみませんか。


※小湊鐵道やいすみ鉄道は一日の運行本数が少ないため、事前に時刻表をよくお確かめの上お出かけください。




【市原湖畔美術館】
<基本情報>
所在:千葉県市原市不入75-1
電話:0436-98-1525
開館:(平日)10:00 - 17:00
(土・祝前日)9:30 - 19:00
  (日・祝)9:30 - 18:00
休館:月曜(祝日の場合は、翌平日)、年末年始


<開催中の企画展>
ラップ・ミュージアム RAP MUSEUM
開催期間:8月11日~9月24日
入場料:料金:一般800(700)円
 大高生・シニア(65歳以上)600(500)円。
 ()内は20 名以上の団体料金。
 中学生以下・障害者手帳をお持ちの方とその介添者(1 名)は無料。

September 7, 2017

●芸術の秋-到来

いつもブログ≪美術趣味≫をご覧いただき、まことにありがとうございます。9月に入り日も短くなってきて、幾分秋めいてまいりました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

さて上野の東京都美術館では今年も恒例の「再興第102回 院展」が開催されております。
皆さまご存知の通り「院展」とは「日本美術院展覧会」、公益財団法人日本美術院が主催運営する歴史ある日本画の公募展です。

日本美術院は明治31年(1898年)に日本近代絵画の創始者・岡倉天心が主導し、横山大観、下村観山、菱田春草らの若き弟子たちにより設立されました。時代の先覚者として日本美術院の掲げた高邁な理想は、近代日本画の成立と発展に大きな役割を果たしました。

時運に恵まれず、一時経済的に困窮し雌伏の時代を過ごしましたが、岡倉天心没後の翌年、今から百年ほど前の大正3年(1914年)に、師の意志を継ぐべく横山大観らが中心となり、日本美術院が再興されました。さらにその年の秋には記念すべき「再興第一回展覧会」が開かれました。

以後、再興院展は毎年一回秋期に作品を公募し展覧会を開き続けております。102回を迎える本年も理事長の田渕俊夫画伯をはじめとした同人(どうにん)の先生方32名の力強い作品と、厳しい審査を経て選ばれた270名近くのフレッシュな入選作が一同に会し、充実した内容の展覧会をご覧いただくことができます。日本画の大家から期待の若手作家まで、その最新作が一同に並ぶことで、最新の日本画の創造力、革新性をうかがい知ることもできます。

「再興第102回 院展」は例年通り、来年の6月まで日本全国を巡回いたします。日本画壇の中心となり、常に美術界を先導してきた伝統ある「院展」に皆様もぜひ足をお運び下さい。


【展覧会情報】
「再興第102回 院展」
会場 東京都美術館
会期 9月17日(日)まで
時間 9:30~16:30 (最終日は正午入場まで)

※以後全国巡回9~18年6月 京都、大阪、島根(東)、山形、名古屋、
岡山、広島、宇都宮、横浜、北九州、島根(西)、福井



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そして一方、竹橋の東京国立近代美術館では常設展・MOMATコレクションにおいていよいよ東山魁夷特集が行われます。来年に予定されている魁夷生誕110周年の記念展が今から待ち遠しいところですが、ファンの渇望を癒す絶好の企画といえましょう。

ご存知のように東京国立近代美術館には魁夷より直接寄贈されたキラ星のような名作が多数所蔵されております。風景画家として立つことを決意した「残照」、画家として世間に広く人認知された「道」をはじめ、「秋翳」「冬華」「晩照」「青響」などその名作の数々は実に枚挙に暇がありません。人気作家ゆえ作品が他館に貸し出されることも多く、今回のように本制作の所蔵作品17点が一堂に会する展示は非常に稀な機会とのことであります。

芸術の秋の到来を迎え、皆さまもどうぞご案内の貴重な展示に足をお運びいただき、≪国民的画家≫と称賛を受ける東山芸術の真髄をぜひ心よりご堪能下さい。



【展覧会情報】
MOMATコレクション「東山魁夷特集」
会場 東京国立近代美術館
会期 9月12日~11月5日まで
時間 10:00~17:00 (金曜・土曜は20時まで)

September 1, 2017

【新作のご紹介】彩美版® ゴッホ「夾竹桃」


いつもブログ『美術趣味』をご覧頂きましてありがとうございます。

ヒマワリも首を垂れるほどの炎暑の日々を越え、8月ももう終わりとなる暮夏の時期、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
さて、この度彩美版®にて、ポスト印象派巨匠ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ「夾竹桃(きょうちくとう)」
の販売を開始いたします。

goghbrog.png


37歳で生涯を終えたゴッホが、画家を志したのは27歳、本格的に絵を描いていた時期は非常に短かったといえます。
「夾竹桃」は、1888年、ゴッホ35歳の時、ゴーギャンら印象派の画家たちとの共同生活を夢見た南仏の地、アルルにて描かれました。
少年時代より花を愛していたゴッホですが、アルル時代、花を題材にした作品は意外にも少なく、その意味で本作は非常に稀少な作品といえます。

ゴッホにとって夾竹桃の花は愛や希望を象徴するかのような特別な花だったことが様々な書簡から推測されます。


「夾竹桃、ああ、それは愛を語り、
ピュヴィ・ド・シャバンヌが描いた、
海辺に女性たちがいるレスボス島のように美しい」


ゴッホが弟テオへ宛てた手紙の中で、こんなにも華麗に形容されております。

今年はメトロポリタン美術館所蔵「夾竹桃」が日本に初来日し、各地展覧会で鑑賞することができます!
また秋には、ゴッホの手紙をテーマにゴッホの絵画に描かれた登場人物などが動画でみられる「油絵アニメ」が映画館で公開されるようですので楽しみです。

"ゴッホ"、改めて大注目です!!!
ゴッホの力強いタッチと南仏の日差しが感じられる鮮やかな色彩を、ぜひ当社彩美版®でお楽しみください。


ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ 《 夾竹桃 》
Vincent VAN GOGH / Les Lauriers Roses
販売価格 115,000円+税

額寸法 557×660㎜ 約3.5キロ
監修 千足 伸之
気品ある木製デコレーション金箔額(国産ハンドメイド仕上げ)に収め、
200部限定でご用意しております。

ぜひお気軽にお問い合わせください。
共同印刷株式会社
アート&カルチャー部
03-3817-2290

プロフィール

共同印刷株式会社SP&ソリューションセンター アート&カルチャー部では、日本画を中心とした複製画や版画の制作、販売をてがけています。制作の裏側や、美術に関係したエッセーを続々とアップしていきます。尚、このサイトの著作権は共同印刷株式会社又は依頼した執筆者に帰属します。

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