June 30, 2017

身近なものを額に入れること、のおすすめ。


『美術趣味』をご覧いただきありがとうございます。
本日は、身近なものを額に入れること、のおすすめです。


先日私は、ペルー・シピポ族の泥染めの布を額装いたしました。
額選びプロセスはやってみるととても楽しいです。
当社では各作品に合った額装を何度も検討し選りすぐったものでご提供しておりますが、
お手元の「彩美版®」も新しくお気に入りの額に入れ替えてみるのも楽しいかもしれません...笑


まず額選びには、既成額とカスタムメイド額があります。
もちろんご予算次第でいちからデザインを決める完全オーダーメードも良いですよね。
今回はお手軽に、かつコーディネートに幅があり作品にぴったりあった仕上がりになる
カスタムメードの額で選んでいきます。


カスタムメイドは各メーカーのものを合わせると1000種類以上あるコーナーサンプルの中から
自由に大きさを決めることができ、必要なパーツの組み合わせで額を作ることができます。
今回は布ですがお皿やボールなどの立体物も自由に額装できます。


まず作品に合い、自分のイメージする雰囲気の額を選びます。
セットの方法や、額の深さなどの構造部分も考えながら選びます。


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素材や色、形など色々とあります。
すっきりしたデザインよりも今回はボリュームのある額を選びます。
あえて素朴すぎないものを合わせてみます。


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それからマットをつけるのかつけないのか、またマットの幅を考え全体の大きさを
どのくらいにするのか、UVカットのアクリルを使用するのかなど作品にとって保存状態が
良く見栄えがよい方法で各パーツを選んでいきます。


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今回はマットを被せず、作品の下にベースマットを敷いて、そこに糸で布を固定する方法で額装します。
接着しないので後から取り外ししやすく、布の辺部分まで見せることで手仕事の風合いが際立ちます。
さらにアクリルを直接のせずに布の柔らかさを楽しみたいため、額内側のサイドに立ち上がりをつくり深さを出します。
マットを加工し2センチほどの空間を作ります。
立体感がでるのと質感が強調され、額のボリュームと布とのバランスも合ってきます。


こんな感じで出来上がりました!


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プリミティヴな幾何学模様がモダンなインテリアともマッチするような額装になりました。


【作品提供ご協力】
世界の染織や日本の民芸、北欧家具のショップ

ROUND ROBIN

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June 22, 2017

「私たち、自然保護しています。」


なかなかまとまった雨の降らない今年の梅雨です。

本日は我がアート&カルチャー部が主催している企画展覧会についてお話をしたいと思います。
当部の事業は美術商品の企画・制作・販売が主体ではありますが、これに関連する活動として、昨年より社内スペースを利用し美術に関連する企画展覧会を行っています。これまで5回にわたり当社で取り扱っている作家や作品の紹介や、当部と関連する社会活動になどついて様々なテーマを設けながら紹介をしてまいりました。
残念ながら一般のお客さまに公開しているものではなく、あくまで社員とご来社されるお客さまのための、待合スペースを利用した展覧会ではありますが、訪れる方々に作家の認知や素晴らしい絵画作品とのタッチポイントをご提供すべく毎回あれこれと思い悩みつつ企画しております。

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さて、この春からは当社が(公財)日本自然保護協会と連携して行っている社会貢献活動をテーマに展示を行っています。展示会名はズバリ「私たち、自然保護しています。」
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当部では社会貢献を目的とし、複製画の売上金の一部を(公財)日本自然保護協会に寄付することで日本の自然保護に役立てて頂いています。きっかけは東山魁夷が日本自然保護協会設立当初の評議員を務められていたご縁で、東山画伯作品の複製画の売上の一部を原資とした寄付が計画され、同じく日本画家・岩澤重夫、鈴木竹柏の賛同・協力も得て実現したことによります。1993年の初回寄付以来20余年、今日までの累計額は一千万円を超えています。また会社としてもこれが縁となり、共同印刷グループが行っている環境意識の啓蒙およびCSRへの関心を身近なところから呼び起こすことを目的とした「自然観察会」を、同協会のご協力を得て毎年開催しています。
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共同印刷グループの経営理念は「印刷事業を核に、生活・文化・情報産業として社会に貢献する」です。当部は美術商品を取り扱っている文化的側面が強い部門ですが、様々な角度からの展覧会を通じて、社会活動や、素晴らしい画家の方々の作品の数々を一人でも多くの方々にお伝えし、作家・作品の魅力に気づいて頂けたら嬉しいな...と思いながら日々企画している次第です!

June 16, 2017

木の森の生命たち


 私の住む区内にちょっと気になる「美術館」があると知り、天気の良い休日を見計らって訪れることにしました。初夏の日差しが急に増してきたと感じながら、自転車で、もたもたペダルをこぎ、閑静な住宅街の中を何となくこのあたりだろうと目途をつけたものの、そう甘くはなく右往左往。ようやくそれらしき建物を見つけました。(もう一度すんなり行ける自信がありません。)

 美術館と言っても大きな住宅の風情。しかし入口の意匠はとても神秘的で、樽に乗った馬の首の彫刻があり、壁にかかった味わいある木の板には、M●KKINKANと読みづらいロゴが記されていました。ここはしまずよしのりさんという彫刻家の作品を展示する、モッキンカン木の森美術館です。

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木の森美術館入口

 館長である奥様のリコさんに案内されて入ると、大小様々な木彫りの彫刻が所狭しと置かれています。楽器を奏でる動物や巨大な顔面などインパクトある作品や、小さく可愛い不思議な人形類などとともに、額装された絵や小さなスケッチも壁を覆っていました。
 しまず先生はとても多才な方で、書や詩も書き、童話も作られます。小さな彫刻作品はアニメーション制作に使用したもの。ご自身で微妙に人形を動かしては撮影しコンピュータのソフトで作り上げたオリジナルアニメ作品がたくさんあります。

 正式な展示室である2階に上がるとさらに圧倒されます。様々な木彫りの作品は皆大きく、生命が宿っているかのように生き生きして佇んでいます。殆どが大きな木から彫りだされた一木造の作品で、モチーフも様々。巨大なアゲハチョウやトンボが宙を舞っていたり、羽を畳んだ妖精が眠っていたり、夥しくざわめくキノコと笛を吹く少年、祈りを捧げる森の精など、異界に住む住人が集合したようです。

 女性が馬車に乗った作品は未完成とのことですが、館長に促され背後から女性を見ると、たくさんの子供に乳を与えている動物の姿が現れました。表と裏が異なる造形になっている作品で作者のユーモラスな面が伺えます。作品の様相は制作年によっても変化しているようで、それも楽しめる要因です。初期からの膨大な作品はここ以外に米蔵の倉庫に保管されているとのこと。絵画作品中心に展示された小さな部屋もあり、無垢でファンタスティックな世界は私の心の琴線に触れ、何度も見入ってしまいました。

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賑やかな彫刻展示風景

 しまず先生は、1944年東京都生まれで、幼少は長野育ち。その後浦和に移り美術に没頭。高校卒業後作家活動に入り、絵画からレリーフ、そして独学で彫刻を始め、長野県での制作活動を経て70歳を超える今も精力的に制作を続けています。

 お会いして様々なお話を伺いました。哲学を感じる大人向けの寓話、なかでもサラリーマンを経験していないしまず先生だからこそ、サラリーマンの風習の奇異さが目に付く内容のお話は不気味でした。今の世は「無邪気さ」や「他愛ないこと」が少なくなったこと、しかし「人間はそんな少年時代がすべてを決定づける」ことなど、あらためて確かにと共感できる言葉にも接しました。

 しまず先生の作品は多様ですが、その作品には共通して、人間は自然と対立するものではなく、自然の一部だと捉えた思想が投影されています。「森から放たれた原木と対峙し、その原木に宿る『生命の立体』を見出し、迷うことなく彫り出す。彫り起こされた『生命の立体』はやがて連なり新たな森を形成する。」

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作品「羽化する少女」

■モッキンカン木の森美術館
さいたま市南区大谷口593
TEL 048-881-0524
営業時間10時~17時
定休日 木曜
Web  http://www.unpopu.com/cho/index.html

June 8, 2017

東山魁夷の世界を豊田市で鑑賞する。

 豊田市美術館で「東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」が開催されている(〜6月11日まで)。名古屋駅から電車に乗り継ぎ1時間ほど、車窓からサッカーなどの試合が行われる豊田スタジアムの巨大な姿が見え始めると豊田市駅に到着する。豊田市はトヨタ自動車の本社がある街であり、県内で一番の面積を持つという。この駅から歩いて15分ほどの小高い丘に豊田市美術館はある。美術館は、もと「七州城」と呼ばれた城があった跡に建てられている。その敷地は緑と水で彩られた庭園になっており茶室や彫刻作品が点在して楽しく散策できる。庭園側から美術館を眺めると、直線的なデザインで構成された建物が大きな池に浮かんだように見え、モダンな美しさがある。またレストランのあるテラスからは豊田市の街も一望できる。
 この度の展覧会では、唐招提寺御影堂の修理が行われている機会に、非公開の障壁画を見る事ができる絶好のチャンスである。東山魁夷は多難の末に中国から日本に渡り唐招提寺を開基した鑑真和上に感銘を受け、10年の歳月をかけて「唐招提寺御影堂障壁画」を完成させた。この障壁画には日本の自然風景と共に、鑑真の故郷、中国の風景も描かれている。そこに描かれた自然の姿は躍動的に、あるいは静寂に、見る人の心の内を映し出す鏡のようにも見える。美しい自然風景の中に深い精神性を持った東山魁夷の世界に触れる事ができた。
 この美術館には、漆芸家の高橋節郎館も併設されている。高橋節郎は東京美術学校工芸課漆工部を卒業。漆の新しい表現を探求し、屏風、立体、版画などの斬新な作品を制作した。その作品には、深く輝きのある漆黒から、色漆の色彩など漆の幅広い表現が見られ、漆の奥深い世界が堪能できる。こちらも是非訪れていただきたい。
今回の名古屋訪問はあまり時間がなく、名古屋名物を味わう余裕がなかった。次の機会があれば、アートだけでなく様々な味覚の世界も味わってみたい。
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水面に浮かんだような美術館


今年の春から発売した東山魁夷 マスターピース コレクションTMの新作「白馬の森」。
東山芸術の美しさと奥深さが堪能できます。
東山魁夷_白馬の森(額装)400x460pix.jpg
【東山魁夷 マスターピース コレクションTM 『 白馬の森 』】
販売価格 500,000円+税
限定500部発行

■仕様体裁
監 修 東山すみ
技 法 彩美版®プレミアム
額 縁 特注銀浮き出し加工木製額(シルバーフレーム/背面メタリック梨地)
画 寸 天地44.3×左右65.2㎝(15号)
額 寸 天地62.2×左右83.1×厚さ3.7㎝
重 量 約4.9㎏
原画所蔵 長野県信濃美術館 東山魁夷館
解 説 松本猛(長野県信濃美術館 東山魁夷館前館長)
発 行 共同印刷株式会社
※作品についてのお問い合わせ:共同印刷(株)アート&カルチャー部 TEL.03-381-2290


June 2, 2017

屋上の庭園 ~モネの世界へ~

いつもブログ「美術趣味」をご覧頂きましてありがとうございます。


先週、この場で当社新商品「クロード・モネ/睡蓮の池」のご案内をさせて頂きましたが、その絵柄と同じ風景を楽しめる場所があります。もちろん、この絵画の舞台となったフランス・ノルマンディー地方ジヴェルニー村を訪問すれば、モネが造った実際の風景を観ることができます。しかし今回はもっとお手軽に、ビールでも飲みながら鑑賞できるスポットをご紹介したいと思います。

場所は東京都池袋の西武百貨店9階屋上にあります。昭和時代、百貨店の屋上といえば遊園地が定番だったイメージがありますが、娯楽の多様化や少子化などの影響で、多くの施設が姿を消し、最近ではあまり見かけなくなりました。一方、近年の百貨店業界においては、集客の要として屋上をリニューアルして、効果を上げている所も多いようです。



そして、こちら池袋西武百貨店の屋上は2015年に「食と緑の空中庭園」として、リニューアルオープンしました。'空のほとりで逢いましょう'をコンセプトにモネが愛したノルマンディーの「ジヴェルニ―の庭」、そしてモネ晩年の大作「睡蓮」にインスピレーションを得て造園されたものです。

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煙突はご愛嬌



そして庭園のシンボルとして造った「睡蓮の庭」には、睡蓮を浮かべ、四季折々の自然の姿が美しく写し出されます。

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時間帯によってはミストがでます



庭園内には世界の料理と、アルコールが提供される「レストラン&バー」、バラエティ豊かなメニューが楽しめる10店舗のフードショップが展開されています。訪れる全ての人がモネの世界観に包まれ、上質な時間と空間を楽しむことができるはずです。

プロフィール

共同印刷株式会社SP&ソリューションセンター アート&カルチャー部では、日本画を中心とした複製画や版画の制作、販売をてがけています。制作の裏側や、美術に関係したエッセーを続々とアップしていきます。尚、このサイトの著作権は共同印刷株式会社又は依頼した執筆者に帰属します。

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