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July 8, 2016

都心の最高峰から坂を上り下りして、トレンディーな街で日本の美を再発見した事。


 東京23区の最高峰(自然の地形で)愛宕山。その高さは約26m。その頂上にある愛宕神社は、徳川家康公の命により防火の神様として祀られたのがはじまりという。愛宕神社へは、大鳥居をくぐった先の激坂「出世の石段」を上る。江戸の昔、三代将軍徳川家光公が愛宕山の源平の梅を見て、「誰か馬に乗ってあの梅を取ってこい!」というむちゃな命令に、曲垣平九郎(まがき・へいくろう)なる家臣が、見事に馬で石段を上り下りして梅を献上したという。今も昔も上司の無理な命令に応えた部下が出世の階段を上るのは、世の常か...。

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愛宕山の「出世の石段(男坂)」は降りる方が怖い。


 この愛宕山を上り越して桜田通りへ出から、更に江戸見坂なる激坂を上る。坂が大きく曲がる所に「菊池寛実記念 智美術館(きくち・かんじつきねん ともびじゅつかん)」がある。こちらは実業家の菊池寛実のご息女で、現代陶芸コレクターの菊池智のコレクションを母体とした現代陶芸の美術館である。展示会場へはガラスの手摺り(ガラス作家・横山尚人制作)が美しい螺旋階段を下りて地下へ行く。現在開催中の展覧会は「秋山 陽 アルケーの海へ」(7月24日まで開催中 ※アルケーとは原初、根源の意味)。

 秋山陽(あきやま・よう)は現代陶芸の最先端を走り続けている作家。その陶芸作品は、土に潜む生命力引き出したような有機的な怪しさと、圧倒的な存在感がある。何か太古の生物の化石ではないかと見まがう作品は、いわゆる陶芸とはまるで思えない。また展示会場の演出もすばらしく、鑑賞者は太古の海底に眠る作品達の間を漂うに巡る。会場の積極的な演出姿勢には、美術館の陶芸作品に向ける熱い想いを感じる。美術館の1階にはフレンチ・レストラン「ヴォワ・ラクテ」(フランス語で天の川の意味)がある。瑞々しい緑の庭を見ながらいただくランチは見た目も美しい。ホタテのポワレのランチをいただく。場所柄かお客さんも上品で、自分一人浮いているか...。

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レストランの庭は緑が鮮やか。


 美術館を出て大倉集古館(2019年まで改修工事中)の脇の坂を上がって六本木一丁目駅方面へ向かう。駅の手前、旧住友麻布別邸の跡地には「泉屋博古館分館(せんおくはくこかん ぶんかん)」が建っている。こちらは住友家第15代当主で、数寄者としても知られている住友吉左衛門友純(ともいと)(号春翠)が蒐集した美術品を中心に所蔵している京都「泉屋博古館」の分館。「泉屋(いずみや)」は江戸時代の住友家の屋号である。現在開催中の、バロン住友の美的生活「数寄者住友春翠--和の美を愉しむ」(8月5日まで開催中)は、住友家の当主が集めた東洋美術の逸品が展示されている。屏風、絵巻、茶道具、陶磁器など住友当主自らの美意識で集めた品々が見られる。
 
 港区のこの辺りは外国の方も多くトレンディースポットが集まる街であるが、日本の美にも目を向けて見たら、さらにこの街を楽しむ事が出来た。



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