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April 1, 2016

私たちはローリングストーン

 
 春は門出の季節、学校を巣立った全国各地の若者たちが新社会人として新たな人生を歩みはじめました。私たちも初々しい大勢の若人を新たな仲間として迎えました。若者たちの未来に幸多からんことを心より祈ります。

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 さて、今月は当社の前身のひとつである美術印刷専門の印刷工場、精美堂の創設110周年にあたります。精美堂は、後に当社初代社長となる大橋光吉(1875~1946)により、明治39年(1906)4月に設立されました。

 精美堂設立の目的は、当時光吉が行っていた美術出版事業の合理化を目的としたものです。光吉は、明治37年(1904)に日本葉書会を設立し、月刊誌「ハガキ文学」とコレクション対象となる趣味性の強い絵葉書を刊行していました。

 この絵葉書は、和田英作、中村不折、鏑木清方など当時の一流画家に依頼した原画をもとに石版(リトグラフ)や木版でつくられた極めて芸術性の高いものでした。今で言えばハガキサイズのミニ版画に相当します。この時代、すなわち日露戦争期の絵葉書ブームに乗り、光吉の美術出版事業は大いにに当たりました。当初石版や木版刷は外注でしたので、事業の伸長により内製化による合理化が求められ精美堂が設立されました。

 現代の私たちが取り組むアート&カルチャー事業は、半世紀以上も前の昭和33年(1958)、印刷技術の向上を目的として始められた油画の複製技術開発を端緒としています。今日主力とする「彩美版®」は、最新の精密なデジタル画像加工技術と伝統的な職人の手仕事による版画技法を融合させ、それぞれの特長を最大限に活かした複合的版画技法(ミックスドメディア)です。

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■最初の彩美版®、菱田春草《落葉》

 彩美版®は20世紀の終り、平成11年(1999)から研究開発が始まり平成15年(2003)の秋、足かけ5年にわたる研究の成果として最初の商品が上梓されました。それから今年で14年目を迎えますが、弛まぬ技術改良により長足の進歩を遂げ、著名画家や美術研究者など、美術のプロフェッショナルから高い評価を受けるまでに成長しました。現在の評価に甘んじることなく、更に上を目指して改良を続けてまいります。

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■2015年発売の東山魁夷《静映》には彩美版®プレミアムという新技術が使われています。



 私たちはローリングストーン。転がる石の如く苔むすことなく、常に新鮮な好奇心とチャレンジ精神を忘れず、時代に即して変わり続け、新たな価値を生み出し続けられるチームでありたいと願っています。



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共同印刷株式会社SP&ソリューションセンター アート&カルチャー部では、日本画を中心とした複製画や版画の制作、販売をてがけています。制作の裏側や、美術に関係したエッセーを続々とアップしていきます。尚、このサイトの著作権は共同印刷株式会社又は依頼した執筆者に帰属します。

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