February 19, 2016

春一番


 いつもブログ『美術趣味』をご覧頂きましてありがとうございます。
 立春を迎え路地の水仙や梅の花が目に留まり春の気配を感じますが、まだまだ寒さが厳しく厚手のコートや手袋が手放せません。その寒さから一変、先週末東京都心は3月~5月中旬並みの陽気となり春一番の観測がされました。急な陽気の変化に驚かされますが、体調を崩さないよう皆様ご自愛くださいませ。

 そんな春の陽気に誘われ、荒川の土手沿いから散策し西新井大師へ行って参りました。境内には梅が見ごろを迎え、都内ではめずらしい寒桜が咲き誇っていました。頬にうける風はまだヒンヤリと冷たいですが、春の訪れを感じました。


【西新井大師】
〒123-0841 東京都足立区西新井1丁目15-1
03-3890-2345(代)受付・電話対応時間 9:00~16:30


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 さて今回は、当社「彩美版®」から春の訪れを感じさせる作品3点をご紹介いたします。お求め、お問い合わせは、こちらの当社代理店までどうぞ!


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前田青邨 《 紅白梅 》
販売価格(額・軸) 各190,000円+税



 淡く下地に金泥を刷いた画面に、琳派に由来する垂らし込みの技法で、華やかな紅白梅が描かれています。リズミカルにデザイン化された幹と枝は、光琳の紅白梅図屏風を連想させます。よく観ると濃い紅色、淡い紅色、白色と異なる色の花を咲かせた三本の樹々が、あたかも家族のように互いを抱きあいながら、複雑に絡み上方へと伸びています。香り高い梅の花が一面に咲きこぼれ、上品で華やかな青邨独特の画面をつくりあげています。



<仕様体裁>
■基本情報
監修: 平山郁夫
原画: 公益財団法人石橋財団 石橋美術館 所蔵
解説: 石橋美術館
技法: 彩美版(R)・シルクスクリーン
用紙: 和紙
限定: 300部
証明: 著作権者承認印入り奥付及び所蔵者承認印入り証紙を貼付
■額装仕様
画寸: 天地43.9×左右60.3cm
額寸: 天地65.5×左右81.9cm
重量: 約5.8kg
額縁: 木製金泥仕上げ特製額(ハンドメイド、国産)
※この作品は掛軸もございます。



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安田靫彦 《 梅花定窯瓶(ばいかていようへい) 》
販売価格(額・軸) 各120,000円 +税



 赤い壁を背景に置かれた白い壺に、紅白の梅の枝が活けられています。
 梅は靫彦が最も愛した花と言われます。壺(瓶)は中国・宋時代を代表する定窯の白磁です。あたたか味のある乳白色の釉に特徴があります。
 色彩、構図とも一見さりげない感じながら緻密に計算されており、明快で絶妙な調和をもたらしています。気品高く深い精神性を感じる靫彦芸術が、この一作に凝縮されています。



<仕様体裁>
■基本情報
監修: 安田建一
原画: 豊田市美術館 所蔵
解説: 豊田市美術館
技法: 彩美版®・シルクスクリーン
用紙: 和紙
限定: 300部
証明: 著作権者承認印入り奥付を貼付
■額装仕様
額縁: 木製白茶仕上げ特製額(ハンドメイド、国産)
画寸: 天地45.3cm×左右38.6cm(8号)
額寸: 天地64.2cm×左右57.5cm
重量: 約3.7kg
※この作品は掛軸もございます。




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小倉遊亀 《 梅 》
販売価格 190,000円 +税

※この作品は額装仕様のみです。


 金箔を背景に鮮やかな絵付け文様の古壺に紅白の梅の枝が活けられています。華麗な色彩で構成された小倉画伯独特の画風が眼に鮮やかです。画中から春を告げる芳しい香りが漂ってくるかのようです。
 壺は(古赤絵酒次)は小倉画伯が愛蔵した磁器で、中国・明代に景徳鎮の窯で製作されたものです。上絵付けの技法で赤を主体に緑や黄色で華やかな模様が描かれており、わが国では「古赤絵」と呼ばれています。



<仕様体裁>
■基本情報
監修: 有限会社 鉄樹
解説: 谷岡 清(美術評論家)
技法: 彩美版®・シルクスクリーン、本金箔使用
用紙: 版画用紙(かきた)
限定: 200部
証明: 著作権者承認印を画面左下部と奥付に押印
■額装仕様
額縁: 木製金泥仕上げ特製額(ハンドメイド、国産)
画寸: 天地41.0cm×左右28.5cm(6号)
額寸: 天地59.0cm×左右46.5cm
重量: 約2.4kg


※「彩美版®」は共同印刷株式会社の登録商標です。


February 12, 2016

日本の中心、日本橋(にほんばし)


 いつも美術趣味をご覧いただきありがとうございます。今回のテーマは「日本橋」です。


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 「日本橋(にほんばし)」は、東京都中央区に流れる「日本橋川」に架かる石造りの橋で、この地域の地名でもあります。江戸時代から「五街道(東海道、日光街道、奥州街道、中山道、甲州街道)」の起点として、郵便や銀行の発祥の地として、世界屈指の繁華街として日本の中心を担ってきました。


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 橋中央部の青銅製の街路灯には、幻獣「麒麟(きりん)」が鎮座しています。「麒麟」は神話に現れる伝説上の四霊獣(「応龍」「麒麟」「鳳凰」「霊亀」)のひとつ。平和を象徴する四霊獣の中でも【信義】を意味することから「日本橋」にふさわしいモチーフとして選ばれたとされています。厳つい顔なのに実はとても心の優しい生き物であるとされる麒麟。凛として、まるで東京の守護神のような出で立ちが印象的です。一方で、橋の両端にある「獅子像」は、奈良県の手向山八幡宮にある狛犬などを参考にして製作されたそうです。


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 橋の寿命は1,000年と言われていますが、震災や空襲などにより幾度となく架け替えを余儀なくされ、現在の橋は19代目、明治44年(1911年)に開橋したものです。平成11年(1999年)には国の重要文化財(建造物)にも指定されました。しかし、高度成長期、昭和39年(1964年)の東京オリンピックの開催にあわせて首都高速道路が作られたことで、街のシンボルである「日本橋」の上空が覆われたままになっており、都市景観の在り方を含めた多くの議論を抱えているという実情もあるようです。

 そんな中、平成16年(2004年)、旧東急日本橋店の跡地に新しい商業施設「COREDO日本橋(日本橋一丁目ビルディング)」がオープン。また都内の川を結ぶ"水の道"プロジェクトとして平成23年(2011年)にはかつての舟運都市を彷彿とさせる「船着場」が完成しました。近い将来、日本橋はかつての景観と賑わいを取り戻し、昔から引き継がれる「伝統」と、新しい魅力で未来を切り開く「革新」が共存する街として、世界中から多くの人々が訪れる街になることでしょう。

 2020年の東京オリンピックへ向け、名実ともに世界への懸け橋になることを望みます。

February 5, 2016

アート鑑賞「わたし流」


 皆様、いつも「美術趣味」をご覧いただき有難うございます。さて、本日はアート鑑賞をテーマにお送りします。
 私は社会人となって以来今日まで、仕事としてアートと向き合う毎日を送っていますが、プライベートでは仕事とは異なるアプローチで、気軽に楽しくアート作品を「鑑賞」しています。手前味噌ながら、「わたし流」の楽しみ方を簡単にご紹介いたします。


1.頭をからっぽにして、作品と向き合う。

 美術館に展示されている作品には、説明プレートが添えられていますよね。必ず記載されているのは、作品名に作者名、制作年や材質、原寸等のスペックの三項目です。学芸員の方による解説が添えられていることもあります。
 素直に考えれば、これらはすべて、作品を正しく理解するために欠かせない情報なのですが、私は「頭をからっぽにして、作品と向き合う」ことを旨としていますので、作品と向き合う前にこのプレートを見ることは敢えて避けています。
 少し気取った表現をすれば、作品鑑賞は私にとって作品との真剣勝負です。予め色々な情報がインプットされてしまうと、自分自身の未熟さもあり、ともすれば「先入観」という名の色眼鏡をかけて作品を眺めてしまいかねません。真剣勝負の場に雑念を持ち込むことは、作品やそれを制作した作者に対して失礼なのではないかと思うのです。(学芸員の皆様ごめんなさい。わたしの未熟さ故です。)
 作品は、作者が封じた繊細な電波を自ら発しています。わたしのアンテナがその微細な電波をキャッチできるよう、日頃から感度を高める努力を重ねるとともに、雑音となりかねない余計な情報は極力排除し、真っ白な気持ちで作品と相対したいと思うのです。未熟なりに素直な、生のままの感性を、言わば「童心」を大切にしたいと考えています。


2.自分の感性を大事にする。

 「自分の感性を大事にする」とは、どういうことでしょうか。
 どなたにも経験あることだと思うのですが、著名な画家や評論家が素晴らしいと讃えたアート作品が、自分にはどこが良いのか解らない、あるいはそれほどの出来とは感じられなかったりすることがあります。ともすれば、「自分は未熟なのだ」と自分の感性を恥じてしまいがちです。
 でも、例えば音楽や演劇、文芸作品ならどうでしょう?「好き嫌い」という自分自身の感性の物差しでもっと気軽に評価できますよね。アート作品も同じでよいと思うのです。他人の感じ方を鵜呑みにする必要はありません。自分の感性を信じましょう。
 ちなみに最近のわたしのお気に入りは「現代美術」です。自己判定による今の自分のレベルは「現代美術超初心者」です。だからこそ「現代美術」が面白いのです。
 正直に申し上げて、作者の意図を正しく理解できていないだろうなと自覚しています。ですが、自分の素のままの感性を信じて向き合えば、面白い!と感じる作品に出合うことができます。
 感性を磨く努力も怠ってはなりません。矛盾するようですが、感じ方は経験を積むことで変わるものです。様々なアート体験を重ねることで、見えなかったものが見えてくるということです。その「成長過程」もまた面白いのです。
 ひねくれて感覚の鈍い大人に育ってしまいましたが、今思えば無垢な子ども時代は、今よりはるかに感受性豊かでした。アート作品にダイレクトに反応し、魂を揺すぶられるような強烈な感動を覚えることも、しばしばでした。「現代美術」作品と向き合うことで童心に還り、再び打ち震えるほどの感動を体験したいと願っています。


3.これは!と思った作品は徹底的に深堀する

 大学で美術史を学んだ経験を活かし、仕事でかかわりあう作品は「熟覧」と言われる作品実物の詳細な調査を行うとともに、出来うる限り多くの文献資料や証言等を集めて分析するのを常としています。場合によっては、作品のモチーフとなった場所を実際に訪れて作者の視線を辿る、フィールドワーク(実地調査)を行うこともあります。
 プライベートで出会った作品についても、これは!と言う作品は同様の調査を行うことがあります。言わばパズルのピースを一つ一つ探し拾い集めて、自分なりの作品像を再構成する作業です。気になる作品は次々に疑問が湧いてきますので、知りたいという欲求が高まってきます。研究というほど大げさなものではなく、ただ自分自身の「好奇心」を満たしたいがための事、所詮は趣味ですから。
 文献調査よりフィールドワークの方が楽しいことは、言うまでもありません。作品にまつわる情報の収集だけでなく、その土地の名産や料理も合わせて楽しむことができます。
昨年の12月に、「墨東の過去・現在・未来-永井荷風と藤牧義夫の視線」(2015年12月11日)という記事を載せましたが、あれは永井荷風や藤牧義夫の作品にかかわるフィールドワークをベースにしてまとめたものです。
 荷風は、二編の随筆、「深川の散歩」と「元八まん」に描かれた深川地区を作品に描かれた通りに辿るフィールドワークを複数回、藤牧義夫は「隅田川絵巻」を描く際に彼が歩んだであろうルートを辿り、藤牧の視線を追体験するフィールドワークを一回行いました。
 藤牧の調査の際は、「相生橋から浜町公園まで」と「三囲神社から白鬚橋まで」の隅田川沿いのルートを徒歩で辿りました。ついでと言ってはなにですが、藤牧もスケッチの途中に立ち寄って食べたであろう「長命寺のさくら餅」を家族へのお土産に買って帰りました。
 いずれの調査でも、作品その他の資料だけでは見えてこない様々な発見があり、それにより新たな疑問も出てきました。少し暖かくなってきたらまたフィールドワークに出かけたいと思っています。

20160205fieldwork.jpg※左上から時計回りに、三囲神社裏門、清洲橋(藤牧義夫「絵巻隅田川」の調査より)、元八幡・富賀岡八幡宮(永井荷風「元八まん」の調査より)、岡本太郎《太陽の塔》(現代美術)


 以上が「わたし流」鑑賞法のあらましですが、一言で言えば、「頭でっかちにならず、ハートで感じようぜっ!」ということです。「鑑賞」と表現するのが申し訳ないくらい「娯楽」に振った楽しみ方ですね。「正しい鑑賞法」あるとすればその真逆かもしれません。でも私の辞書には「楽しくなくちゃアートじゃない!」という言葉があります。「わたし流」が、皆様のアートライフを充実する一助になれば幸いです。

プロフィール

共同印刷株式会社SP&ソリューションセンター アート&カルチャー部では、日本画を中心とした複製画や版画の制作、販売をてがけています。制作の裏側や、美術に関係したエッセーを続々とアップしていきます。尚、このサイトの著作権は共同印刷株式会社又は依頼した執筆者に帰属します。

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