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January 22, 2016

春を待つ鎌倉へ


 こんにちは。東京は積雪で始まった一週間となりました。

 きりりと寒い日が続く中、今週は鎌倉へ行ってまいりました。快晴の日とはいえ1月の寒い平日、鎌倉大仏も改修中で布を被っているそうですが、駅周辺には大勢の観光客がいました。今回私が訪問した瑞泉寺は、鶴岡八幡宮の東、中心部の喧騒を離れ鎌倉宮より徒歩13分ほど行ったところにあるとても静かな寺院です。山門を通り、うっそうと木が茂る道を進んでいくと、小さな本殿と庭園のある境内に着きます。


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瑞泉寺境内


 瑞泉寺は、円覚寺開山の仏光国師(無学祖元)の孫弟子である夢窓国師が開山し、足利尊氏の四男で初代鎌倉公方の足利基氏以降、鎌倉公方足利家の菩提寺となった格式ある寺院です。仏殿背後にある庭園は、岩盤を彫刻的手法によって庭園とした「岩庭」とも呼ぶべき造りで、書院庭園のさきがけをなすものでもあり、現在鎌倉に残る鎌倉時代唯一の庭園だそうです。鎌倉石を大きく彫った洞(天女洞)はとても見応えがありました。


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天女洞


 夢窓国師は優れた作庭家でもあったそうで、瑞泉寺のほかに、現在国の特別名勝・名勝に指定されている京の天竜寺、苔寺で知られる西芳寺、美濃の虎渓山永保寺なども夢窓国師が作ったお庭だそうです。とても季節感を感じる場所で、境内にはたくさんの種類の木が植えられており、いまは綺麗に刈り込まれた木々の合間に椿と南天の実の赤がよく映え、またところどころ小さく膨らむ黄梅のつぼみが印象的でした。


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真っ赤な実をつけた南天


 寺院の入り口の門に掲示されていた句にも春を待つ心が感じられます。


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高浜虚子の句「時ものを解決するや春を待つ」


 お寺に向かう道中、見上げると視線の先に梅の花がぽつぽつと咲いていて、ほんのりと良い香りが漂い、まだまだ寒い1月ではありますが少しだけ春の足音の聞こえる鎌倉でした。


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咲き始めた白梅の花

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