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March 20, 2015

長野県、善光寺のそばの名所


20150320_kaii_seiei500pix.jpg 先の3月14日、北陸新幹線が開業となった。富山、金沢などが時間的に近くなるので是非とも訪れてみたい。ところで今まで終着駅であった長野駅は中間地点の駅となるのであるが、この度の北陸新幹線開業を契機に長野県の魅力を発信する拠点「信州HUB STATION」となることを目指して改良工事が進められていた。その一環として、東日本旅客鉄道(株)、鉄建建設(株)、(株)ステーションビルMIDORIにより、同駅の東西自由通路の吹き抜け上部に「壁画 静映」が設置された。「壁画 静映」は、長野県信濃美術館が所蔵する東山魁夷作「静映」をもとに制作されたものである。この壁画作品は縦2メートル、横10メートルにもなる大きなもので、当社もこの壁画作品のアクリルパネル制作部分に携わることが出来た。

 「静映」は長野県の斑尾高原に佇む「希望湖(のぞみこ)」を題材としている。木々の緑と空の青、それを映し出す澄んだ水面。それらが東山魁夷作品の特徴でもある美しいブルーの世界で描かれている。長野駅を訪れた際には、是非ご覧いただきたい。東山魁夷の作品は長野県信濃美術館の東山魁夷館に多く所蔵されている。しかもこの美術館は善光寺のすぐそばに建っている。長野に来てこの二つの名所を見逃すのはもったいない。

 まずは善光寺を訪れてみる。「牛に引かれて善光寺参り」の故事で知られている善光寺は千四百年も前に創建されたという。善光寺の御開帳(善光寺前立本尊御開帳)という有名な行事は、数え年で7年に一度行われるそうである。秘仏の御本尊様の身代わりとして全く同じ姿の「前立本尊」様を本堂に遷して、その右の御手に結ばれた善の綱を回向柱(えこうばしら)という柱にも結び、この柱を人々が触れることで仏の慈悲が伝わるという。今年は御開帳の年で、4月5日から5月31日まで行っているとのこと。六百万人以上の人が参拝することもあるという。

 ずっと以前の私ごとになるが、善光寺本堂の地下には真っ暗な回廊があり、そのどこかにある鍵に触れられた人は幸せになるという話を聞いた。その時、私も潜ってみたことがある。それはお戒壇巡りといわれるもので、本堂の地下にある。回廊の中は本当に真っ暗で何も見えない。だが前を行く人が「ここに鍵があるから触れ」と言ってくれた。鍵は「極楽の錠前」と言い、その真上には御本尊様がおられ、錠前を通して結縁を果たし往生の際にお迎えに来ていただける約束が出来るそうである。人に鍵のありかを教えられては、ありがたみも、ご利益も半減と思ったが、人の情けもこれまたご利益。ありがたく人様の力で鍵に触らせていただいた。

 善光寺の参道を歩くのもまた楽しい。広く緩やかな坂になった道沿いには信州ならでは、そばの店が多い。ちなみに長野県とは全く関係なさそうであるが、メロンパンをお勧めしている小さなパン屋があったので、数十年ぶりにメロンパンを買ってみた。帰りの新幹線で間食しようと思う。

 善光寺のそばにある長野県信濃美術館東山魁夷館にも行ってみる。信州の風景を愛した東山魁夷の作品を常設展示しているこの美術館は、落ち着いた雰囲気で、丁度よい大きさである。日本画の他にも、水墨画や版画等もあり、いろいろな東山作品を楽しむことが出来る。私は大作の風景画も好きであるが、絵本になった「コンコルド広場の椅子」の版画が好きである。東山魁夷は「静映」の他にも、蓼科高原御射鹿池(みしゃかいけ)を描いた「緑響く」、乗鞍高原の霧氷を描いた「霧氷の譜」など、いくつも長野を取材した作品がある。描かれた作品とその場所を訪ねてみるのも、おもしろいかもしれない。善光寺の御開帳と、北陸新幹線開業が重なって誠に喜ばしい長野。是非皆様にも訪れていただきたい。

20150320_meron_pan500pix.jpg さていろいろと寄り道をしたため、帰りの新幹線の発車まで時間がなく、ゆっくりと食事をする時間もなくなってしまった。ホームの立ち食いそば屋で野沢菜そばを食べ、これで信州そばを食べたとする。新幹線に乗ってから、先ほど買い求めたメロンパンを食すことにする。が、飲み物なしでメロンパンを食べるのは、あまりにも剣呑である。車内販売のワゴンが来るのを待つことにするが、こういう時に限って車内販売はなかなか来ない...。やっとのことコーヒーを買い準備が整う。(ちなみに私は新幹線ではコーヒーを買うので座席は通路側のC席と決めている。)さて、心置きなくメロンパンを食す。見た目の色は、わりと茶っぽく、ごつごつしていて岩石の様。外はカリッ、中はふんわりしていて確かに美味しかった。後で知ったのだが、このパン屋さんはチェーン店で東京の私の住んでいる街の近くにもお店があった...。 

共同印刷ニュースリリース(2015年3月4日):
《 壁画 静映 》の大型パネルを制作、長野駅に新設の東西自由通路に展示される





ちなみに当社の商品にも東山魁夷の複製作品があるのでご紹介したい。


kaii_keisei_350x400pix.jpg


東山魁夷 《渓聲(けいせい)》
販売価格 250,000円+税


緑青の樹々の間に白い滝が音もなく落ちる様は、いかにも象徴的な深山の風景を活写した優作。

技法 岩絵具方式
限定 1,000部
額縁 特製ステンレス額、クロス張タトウ付き
証明 著作権者承認印がある証紙を額裏面に貼付
画寸 天地380mm×左右530mm
額寸 天地574mm×左右724mm
重量 約5kg

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