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December 5, 2014

開業100年記念「東京駅」と、銀座をぶらぶらした事


 今月、2014年12月で東京駅が開業して100年を迎えるそうである。2012年には、開業当時の姿が再建されて話題となった。東京駅の丸の内駅舎は、1914年(大正3年)に完成した建物であり、その設計は、日本銀行本店(旧館)など数々の重要文化財となる建物の設計を手がけた辰野金吾によるものである。

 東京駅開業100年記念を迎えるにあたり、東京ステーションギャラリーでは、プレイベント的な「探検!発見!東京駅」という展覧会をやっているというので見に行く事にした(こちらは11月30日で終了)。東京ステーションギャラリーは東京駅丸の内駅舎の中にある美術館である。改修前は丸の内側の中央辺りに入り口があったのだが、行ってみるとシャッターが下りている。不覚にも今日は休みかと落胆し、ブログは別のテーマを探さなければと重い足で切符を買って帰ろうとしたら、ギャラリーの入り口が丸の内北口改札前に移っていたのを発見。気を取り直して入場券を券売機で購入し、まずエレベーターで3階まで上がる。

20141205Stainedglass.jpg 今回の展覧会では、2012年のイベントで行われたプロジェクションマッピング(建物など立体物に映像を投影する技術)が、1/20の大きさの丸の内駅舎の模型に映し出されるのが見られた。また復原前と後の駅舎の断面模型なども展示されていて、東京駅につて楽しく学べる事が出来た。ギャラリーの内装は、建設当時の構造用レンガ壁がむき出しになっており、歴史と趣がある。またフロアを下に移動するための八角形の回り階段の天井には、旧ギャラリーのアールデコ調のハイカラなシャンデリアがつり下げられている。美術館2階にあるミュージアムショップに入る手前には、北口ドームの八角形の回廊があり、この回廊から1階のホールを見渡すと、なんだか優越感を覚える。東京ステーションギャラリーは、美術館の建築自体が楽しめる所でもあった。なお、東京ステーションギャラリーでは12月13日〜2015年3月1日の期間、東京駅開業百年記念「東京駅100年の記憶」が開催されるとの事。

 さて東京駅を八重洲側から出て、銀座方面へ向かう事にする。山手線の高架線に沿って有楽町に向かって歩く。この高架線の下にはいろいろなお店が入っており非常に楽しい。しかしギャラリーで立ちっぱなしだったのでちょっと一休みしたい。銀座2丁目に古くからやっている十一房珈琲店がある。店先の焙煎機で焙煎した豆で珈琲を提供してくれる純喫茶で、また焙煎した豆も売っている。店内は落ち着いた雰囲気で、真空管アンプから流れるジャズの音色に、ほっとする場所である。ガスレンジの青い炎でコトコトと沸かされたお湯で、ゆっくりと丁寧にネルドリップで入れてくれた珈琲は美味しい。チェーン店のコーヒーショプが増えて、純粋な喫茶店が減って行く中、貴重なお店になった。ぜひとも喫茶店文化を残して行ってほしいと切に願う。さて家で飲むため、キリマンジャロのフレンチローストを買って出る。

 中央通りに出て、新橋方面に向かう事にする。この通りは正しく銀座の中心的な通り。ブランドショップや松屋、三越、和光などのデパートが並ぶ。和光の凝ったショウウィンドウを眺め、歩行者天国になった大通りの真中をさらに進む。松坂屋があった場所は再開発中で、ぽっかりと大きな空間が出来ている。銀座でこのスペースの空間があるという事が、何かシュールな感じさえする。

20141205Souvenir.jpg ほとんど新橋に近い銀座8丁目に、臙脂色のおしゃれなビルが建っている。資生堂パーラー本店が入っている建物である。このビルの地下には資生堂ギャラリーというスペースがあり、いろいろな企画の展覧会を行っている。今回は写真家アラーキーで親しまれている「荒木経惟」の「往生写集」展が開かれていた(12月25日まで開催)。展示会場には、強烈な色彩の写真が展示されている。ソフトビニール製らしい足の生えた深海魚に食われる人形の頭、どくどくしいまでに鮮やかな花、花、花、と、それに飲み込まれて行く人形達など。エロスとタナトスに満ち溢れた世界が展開している。地下の迷宮から地上に戻ると、そこは大人のお菓子の国。1階の資生堂パーラーショップにてお土産を探す。資生堂パーラーは1902年に誕生との事なので、100年以上の歴史がある。お気に入りのチーズケーキを購入する事にした。このチーズケーキは、一口サイズぐらいのブロックに、チーズがごろっと入ったような、チーズの美味しさがそのまま楽しめるシンプルで深い味わいのモノ。今日は東京、銀座の歴史と文化を楽しんだ一日であった。



 今回訪れた東京駅に関連して、当社商品にも鉄道画家の富田利吉郎作「東京駅」のリトグラフがあるのでご紹介します。赤煉瓦の趣を詳細なタッチで描いたこの作品は、駅舎の屋根が、戦災復興をした当時の三角屋根になっている。戦後の昭和生まれの世代(私も...)にはなじみのある、だが今は見られなくなった懐かしい姿である。この記念の機会に是非ご覧ください。なお、富田利吉郎の作品には、かわいらしい木造駅舎の原宿駅もあります。

【冨田利吉郎 略年譜】
大正8年 山形県新庄市に生まれる。
双台社研究所でデッサンを学んだ後日本画家・福田豊四郎に師事。
昭和31年 新制作協会日本画部(現在の創画会)に初出品。
昭和40年 日本橋丸善にて初の個展開催。
昭和44~47年 新宿ステーションビル、ギャラリー・アルカンシェルにて「蒸気機関車のある風景」展開催(通算4回)。
昭和49~56年 ギャラリー・アルカンシェルにて「停車場のある風景」展を開催(通算8回)。
平成3年 オリジナル・リトグラフ《東京駅》、《原宿駅》を制作
平成7年 3月逝去。享年76。
著書に、画集「蒸気機関車のある風景」(ノーベル書房)、画集「停車場のある風景」(講談社)など。


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オリジナル・リトグラフ
富田利吉郎 《東京駅》、《原宿駅》
販売価格 各95,000円+税


<仕様体裁>
作者 富田利吉郎
限定 各180部
技法 オリジナル・リトグラフ(作者自身が描版)
版数 各14版・14色
用紙 ヴェラン・アルシュ
額縁 木製金箔仕上げ(国産、ハンドメイド)
画寸 41×47cm
額寸 60.5×66.5cm 
重量 約2.2kg
発行 共同印刷株式会社

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