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July 11, 2014

万華鏡三昧


kaleidoscope_museum_entrance.jpg浦和にほど近い川口に、日本一の万華鏡コレクター、大熊進一氏が館長を務める日本万華鏡博物館があると知り、ちょっとわくわくしながら見に行きました。

川口駅近くのマンション1階にあるこの博物館は、狭いこともあり、事前に予約が必要です。また、「見る」コースと、自分で「作る」コースがあり、今回は「見る」だけにしました。でも、館長自ら万華鏡の歴史や種類について丁寧に説明いただき、内容の濃い閲覧になりました。

kaleidoscope_museum_exhibition.jpg万華鏡というと、神秘的で魔法的、不可思議で怪しい世界というイメージがあり、先ほどのわくわく感もそんなところに起因していたのだと思いますが、館長の話は科学的かつ文化的で、万華鏡の構造の違いにより現れる模様の違いや、時代による万華鏡の扱いの変遷についてなど、現物を前に理解・体感することができました。

万華鏡は1816年にスコットランドで発明され、すぐに世界に広まり、3年後には日本で見られた記録があるそうです。当初は非常に高級な科学的工芸品で、裕福な家に置かれた嗜好品でしたが、素材や作りが簡易化され、特に戦後、工芸品からおもちゃとして広まったようです。その他、国により表面のデザインはその国らしさが出ていることなど興味深く拝聴しました。戦後占領下にあった日本で、万華鏡玩具がアメリカ向けに作られ、輸出されていましたが、その表面には「MADE IN OCCUPIED JAPAN」と書かれており、日本が戦争を背景にした日陰の時代があったことを偲ばせます。

1980年頃より万華鏡はより精巧な鏡の開発に伴い、玩具からアート作品として発展することとなり、万華鏡作家による新たに美しい鏡の世界が生み出されています。展開される模様、スコープ全体の形状両面でいかにオリジナリティが出せるかがアートとして問われる要素だということです。
3d_kaleidoscope.jpgこの博物館で作られたいくつかのオリジナルの万華鏡(ベアーズ・スコープ)は、ダンボールを加工して作られていたり、立体的な円形状で変化していくように見える模様の中で一瞬クマのキャラクターが現れたり、なかなか面白い趣向のアート作品でした。

最後に見せていただいたスコープは透明な偏光板の破片を素材にし、自然の光を偏光作用で虹色に見せてくれる万華鏡でした。戸外で散歩しながら除くとその景観を美しい色彩と模様に変えます。科学的な仕組みとはいえ、やはり万華鏡は魔法に満ちた神秘的な道具に思えます。特にデジタル全盛の時代にも古来から仕組みを大きく変えず続いているそのアナログ世界は、子供の頃と変わらずなぜか心を魅了するのです。



■日本万華鏡博物館

埼玉県川口市幸町2-1-18-101
電話 048-255-2422 FAX 048-255-2423
開館 10:00~18:00(予約制、毎正時ごと予約可能)
定休 不定休
料金 見るコース 1,000円 
   作るコース初級 1,500~3,000円
   作るコース上級 6,000~8,000円

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