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June 6, 2014

東京都美術館 バルテュス展


いつもブログ≪美術趣味≫をご覧いただき、まことにありがとうございます。
現在、東京・上野の東京都美術館では「バルテュス展」が行われております。日本では1993年のレトロスペクティブ@東京ステーション・ギャラリー以来、約20年振りの回顧展となります。

バルテュス(本名バルタザール・クロソフスキー・ド・ローラ)は、ポーランド人貴族の末裔として1908年にパリで生まれました。フランスを拠点にヨーロッパ絵画の伝統を独学で学び、特にイタリア・ルネサンスの影響を受けました。抽象絵画全盛の時代に、具象画の道を寡黙に歩み、「20世紀最後の巨匠」として不動の地位を確立しました(2001年逝去)。兄が著名な作家・思想家のピエール・クロソフスキー(「ロベルトは今夜」)であることや、詩人リルケとの特別な関係も芸術家としての血筋の確かさをうかがわせます。

バルテュス夫人の節子さん自らが今回の展覧会にご尽力され、晩年の画家の東洋の美に対する愛着もうかがわれる展示内容となり、これまでの難解で近づき難い画家というイメージを払拭し、ある種の親近感と、ミステリアスな作風への好奇心をそそる興味深い展覧会となりました。少女を描いた«夢見るテレーズ» (今展覧会のメインビジュアル)、«美しい日々»、 «読書するカティア»、猫をテーマとした«猫たちの王» 、«地中海の猫»といった一連の代表作の展示に加え、作家の竟の住処スイス「グラン・シャレ」のアトリエが再現され、愛蔵品の数々や晩年の貴重な写真が公開されるなど、正しくバルテュス展の決定版といえる充実した内容です。

あれは1990年頃のことでしたでしょうか、老舗出版社の写真グラビア誌の担当をさせていただいた当時、(多分)雑誌初のバルテュスのインタヴュー特集が組まれました。入稿された真新しい原稿から、霧に包まれた謎の画家バルテュスの素顔に接し、特別な幸福感に浸ったのを昨日のように思い出します・・・

注目の「バルテュス展」の会期は6月20日(金)まで。初夏の心地よい陽気に誘われて、緑豊かな上野公園を散策がてら、ご鑑賞されてはいかがでしょうか。



【展覧会情報】
Balthus_exhibition.jpg
「バルテュス展」
会場 東京都美術館
会期 2014年4月19日(土)から6月22日(日)まで
※月曜日は休室
時間 9:30~17:00
※金曜は20時まで

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