December 26, 2014

巨大壁画・秋田の行事


 いつもブログ「美術趣味」をご覧頂きましてありがとうございます。
 いよいよ年の瀬も近づき、年内最後の更新です。

 さて、先日巨大壁画・藤田嗣治作「秋田の行事」が飾られている秋田県立美術館へ行って参りました。
 「たった一枚の絵を観に行く。旅に出る理由は簡単でいいと思います。」
たしかそんなフレーズで、数年前JR大人の休日倶楽部キャッチコピーで紹介され、女優の吉永小百合さんが一枚の絵画を観るために旅へ出るというものです。まさにその場所でしか観られない絵画の圧倒的な迫力を感じるために、思いきって観に行く。そんな姿を描いた広告でした。

20141226akita_museum_of_art.JPG 所蔵の秋田県立美術館は、藤田嗣治作品を中心とする秋田の資産家・平野政吉コレクションと、現代の芸術表現の場としての県立ギャラリーを持ち、秋田の文化を伝え、訪れる方々に芸術の感動と、芸術と共にいきることの喜びを届けることを目的に開設されました。現在の建屋は2012年にリニューアルオープンした新美術館で、世界的建築家の安藤忠雄氏設計のもと、コンクリート打ちっぱなしの斬新なデザインとなっています。カフェスペース眼前に広がる池から旧美術館も望むことができる造りになっています。

 藤田嗣治はフランスで最も有名な日本人画家と言われ、平野政吉の依頼によって描き上げたのが、制作当時、世界最大を誇った巨大壁画「秋田の行事」です。大きさはなんと縦3.65メートル、横20.5メートルの巨大な作品です。こんな大きな作品を藤田はなんとたったの15日で描き上げてしまったとのことです。秋田の自然、風俗、祭り、産業、歴史・・・時代の空気、人々の息遣いまで描き切った大作ですが、日本人であればどこか懐かしい感じさえします。

 そして、来年(2015年)秋には藤田を題材にした日本フランス合作映画「FOUJITA」(小栗康平監督・主演オダギリジョー)が公開予定となっており、なにかと話題になりそうな年です。

 それでは皆様、良いお年をお迎え下さい。

December 19, 2014

生誕200年を記念し東京・丸の内で開催中の「ミレー展」


 いつもブログ「美術趣味」をご覧いただき、まことにありがとうございます。
今年も残すところ後わずかとなりました。皆さまも気忙しい日々をお過ごしのことと思います。

20141219mitsubishi_museum2.jpg 私は先日、東京丸の内の三菱一号館美術館で開催中の「ミレー展」へ行って参りました。自然・農民・労働をモチーフに、厳格で力強い写実的な描写を取り入れながら登場人物に崇高な愛情を注いだ、フランスの国民画家ジャン=フランソワ・ミレーの傑作群をまとめて見る貴重な展覧会でありました。

 会場の三菱一号館美術館は丸の内界隈でもひと際目を引く、瀟洒な赤煉瓦作りの美術館として有名です。この秋、10月に開幕した「ミレー展」は、つい先日私が訪れた時も老若男女を問わず大盛況でした。

20141219ex_millet_display.jpg 日本では明治期より洋行帰りの画家たちを通じてミレーの知名度が広まり、一般庶民にまで浸透し、現在のミレー人気に至りました。一方、アメリカのボストンでは早くも19世紀の半ばからミレーの人気が高まり、市民愛好家たちが競って質の高いミレー作品を所蔵したとのことです。後年それらの作品が、ボストン美術館のコレクションの中核となり、今回の展覧会でもミレー作品だけで25点が出品されました。

 自然を深く愛したミレー(1814‐1875)はフランス、ノルマンディー地方の農村生まれ。若くして画家を志しましたが、世に認められずしばらく不遇を託ちます。1849年、35歳の年にパリ近郊のバルビゾン村に居を構え、農民たちの田園生活を描くことに傾注、ミレー芸術が大きく開花するにつれ世間の評価も高まり、後年にはフランス画壇の傑出した存在となりました。

 本展覧会の目玉は「ボストン美術館三大ミレー」を謳う《種をまく人》、《羊飼いの娘》、《刈り入れ人たちの休息》3作品の公開です。特に《種まく人》(「を」を取った方が画題にインパクト有り!)は、表現の激しさと荒らしさ、暗い色調の画面、背景と人物とのコントラストが主役の農民を英雄的に浮き立たせ、リアリズムを超えた記念碑的/神話的なアウラを放ち、鑑賞者に深い感銘を与えます。この素晴らしい展覧会に、皆様もぜひ足をお運び下さい。



【ボストン美術館 ミレー展 ― 傑作の数々と画家の真実】

 会 場  三菱一号館美術館
      東京都千代田区丸の内2−6−2
      電話 03-5777-8600

 会 期  2014年10月17日(金)から2015年1月12日(月)まで
 休 館  月曜(祝日を除く)、年末年始12月29日(月)から1月1日(木・祝)まで
      ※「ミレー展」好評により12月27日(土)、28日(日)は特別開館
 開館時間 10:00~18:00 ※金曜は20時まで
 入場料(当日券) 一般1,600円、高校・大学生1,000円、小・中学生500円




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 当社ではミレーのもうひとつの代表作である《落穂拾い》の複製画をお取扱い致しております。お部屋のインテリアはもちろん、貴方の大切な方への記念品や贈り物としてお進めいたします。

ジャン=フランソワ・ミレー 《落穂拾い》
販売価格 30,000円+税


<仕様体裁>
原 画  仏・オルセー美術館所蔵
技 法  アートレリーフTM
画 寸  F5号
額 寸  44.0×52.0cm
重 量  2.1kg
額 縁  特製木製額、アクリル付き
発 行  共同印刷株式会社

アートレリーフTMについて
油絵のマチエール(画肌)を再現することを目的として当社が独自に開発した特殊な樹脂加工技術です。
パレットナイフを使った大胆な表現による絵の具の盛り上がりや画筆の繊細なタッチなど、油絵独特の画面の質感を立体的に再現することができます。仕上げに木枠に張ったキャンバスを用い、あたかも実際に油絵の具でキャンバスに描いたかのうような質感を再現しています。
当社のアートレリーフTM複製画は小・中・高等学校の教材や美術館の展示用レプリカ等にも用いられています。

December 12, 2014

漫画と盆栽の町


 さいたま市北区盆栽町にある大宮盆栽村は、その昔、東京の文京区団子坂付近に住んでいた多くの盆栽職人が関東大震災を契機にこの土地に移り住み、たくさんの盆栽園を有する自治共同体となったのが始まりで、現在も世界的な盆栽の聖地と言われています。今季一番の急激な寒波が訪れたその日、その盆栽村に近接する2つの公立美術館を訪れました。

 閑静な住宅街は石畳と木目のマップ標識で統一され綺麗に整理された印象です。庭の敷地にいくつもの盆栽鉢が見える盆栽園も目にします。住宅の1つの様にさり気なく溶け込む「さいたま市立漫画会館」に到着。一部工事中でしたが、普通に観覧できました。入場は無料です。

20141212manga_museum.jpg この美術館は1966年に創設された日本初の漫画に関する公立美術館です。近代風刺漫画の先駆者で、日本初の職業漫画家といわれる北沢楽天の晩年の住居跡に建てられました。楽天は英字新聞社で西洋漫画の手法を学び、当時評価が低かった風刺画を、近代漫画として確立させました。その活躍ぶりは語り尽くせぬもので、明治から昭和にわたり、新聞や雑誌で、政治・社会の世相を巧みに捉えた風刺漫画や、ユーモラスなコマ漫画などを描き、後継の多くの漫画家に影響を与えました。ここには楽天の晩年の作品や愛用品が常設され、画室もそのまま保存されています。生前からあった日本庭園も鑑賞でき、穏やかな晩秋の風情を楽しめました。

20141212manga_museum_garden.jpg この日は企画展として、「さいたま市民漫画展2014」の展示会初日でした(2015年2月15日まで開催)。この漫画展は小学生から一般まで、国内外・プロアマを問わず作品を募集し、審査するコンテストです。毎年開催され来年30回目を迎える、全国で最も長く続いている漫画応募展です。11月に先行して同じ展示会を別の公共施設で開催済みということもあり、あまり鑑賞者は来ていませんでした。実は恥ずかしながら今回初入賞した筆者の作品も展示されています。今回の募集テーマは「しあわせ」でしたが、展示された小学生の素直な「しあわせ」観は、あらためてほのぼのとした気分にさせてくれました。

20141212oomiya_bonsai_museum.jpg ここから北へ数分歩くと「さいたま市大宮盆栽美術館」があります。こちらの建物も付近の住宅と違和感ない容姿で佇んでいます。盆栽文化を広く人々に親しんでいただくことを目指して、2010年に開館しました。盆栽というと、高齢者の渋い趣味という印象をもっていましたが、ここに展示されている作品は、そういうイメージよりも作品としての秀逸さに目を奪われます。

 展示室は、盆栽に関する知識を記載した解説パネルと季節に合わせて選定された盆栽がブース毎に展示されています。たくさんの美しく赤い実のなった作品が印象的でした。

 続いて「座敷飾り」として3種類の異なるスタイル(真・草・行)の床の間の見本が設営され、各部屋の特徴に合わせて、盆栽と掛軸が展示されています。掛軸と盆栽は密接に関わりあると感じました。

20141212bonsai_museum_garden.jpg 最後に戸外の盆栽庭園を鑑賞。常に40~50点の名品が見られます。ただひたすら寒かったので、スピーディーに見て廻り、建物内に戻りました。残念ながらこの日は展示替え期間で企画展示の開催はありませんでした。

 盆栽は人が自然に働きかけ、一緒に作り上げていく生きた芸術作品。優れた作品にはそこへ到達し維持するために想像を超えた根気がいるのではと敬服します。



■さいたま市立漫画会館

 さいたま市北区盆栽町150番地   
 TEL 048-633-1541
 開館時間 9:00~16:30
 休館日  月、祝日の翌日 年末年始

 
■さいたま市大宮盆栽美術館

 さいたま市北区土呂町2-24-3
 TEL 048-780-2091
 開館時間 11月~2月=9:00~16:00  3月~10月=9:00~16:30
 休館日  木曜(祝日の場合は開館) 年末年始 臨時休館あり
 観覧料  300円(20名以上の団体料金200円)


December 5, 2014

開業100年記念「東京駅」と、銀座をぶらぶらした事


 今月、2014年12月で東京駅が開業して100年を迎えるそうである。2012年には、開業当時の姿が再建されて話題となった。東京駅の丸の内駅舎は、1914年(大正3年)に完成した建物であり、その設計は、日本銀行本店(旧館)など数々の重要文化財となる建物の設計を手がけた辰野金吾によるものである。

 東京駅開業100年記念を迎えるにあたり、東京ステーションギャラリーでは、プレイベント的な「探検!発見!東京駅」という展覧会をやっているというので見に行く事にした(こちらは11月30日で終了)。東京ステーションギャラリーは東京駅丸の内駅舎の中にある美術館である。改修前は丸の内側の中央辺りに入り口があったのだが、行ってみるとシャッターが下りている。不覚にも今日は休みかと落胆し、ブログは別のテーマを探さなければと重い足で切符を買って帰ろうとしたら、ギャラリーの入り口が丸の内北口改札前に移っていたのを発見。気を取り直して入場券を券売機で購入し、まずエレベーターで3階まで上がる。

20141205Stainedglass.jpg 今回の展覧会では、2012年のイベントで行われたプロジェクションマッピング(建物など立体物に映像を投影する技術)が、1/20の大きさの丸の内駅舎の模型に映し出されるのが見られた。また復原前と後の駅舎の断面模型なども展示されていて、東京駅につて楽しく学べる事が出来た。ギャラリーの内装は、建設当時の構造用レンガ壁がむき出しになっており、歴史と趣がある。またフロアを下に移動するための八角形の回り階段の天井には、旧ギャラリーのアールデコ調のハイカラなシャンデリアがつり下げられている。美術館2階にあるミュージアムショップに入る手前には、北口ドームの八角形の回廊があり、この回廊から1階のホールを見渡すと、なんだか優越感を覚える。東京ステーションギャラリーは、美術館の建築自体が楽しめる所でもあった。なお、東京ステーションギャラリーでは12月13日〜2015年3月1日の期間、東京駅開業百年記念「東京駅100年の記憶」が開催されるとの事。

 さて東京駅を八重洲側から出て、銀座方面へ向かう事にする。山手線の高架線に沿って有楽町に向かって歩く。この高架線の下にはいろいろなお店が入っており非常に楽しい。しかしギャラリーで立ちっぱなしだったのでちょっと一休みしたい。銀座2丁目に古くからやっている十一房珈琲店がある。店先の焙煎機で焙煎した豆で珈琲を提供してくれる純喫茶で、また焙煎した豆も売っている。店内は落ち着いた雰囲気で、真空管アンプから流れるジャズの音色に、ほっとする場所である。ガスレンジの青い炎でコトコトと沸かされたお湯で、ゆっくりと丁寧にネルドリップで入れてくれた珈琲は美味しい。チェーン店のコーヒーショプが増えて、純粋な喫茶店が減って行く中、貴重なお店になった。ぜひとも喫茶店文化を残して行ってほしいと切に願う。さて家で飲むため、キリマンジャロのフレンチローストを買って出る。

 中央通りに出て、新橋方面に向かう事にする。この通りは正しく銀座の中心的な通り。ブランドショップや松屋、三越、和光などのデパートが並ぶ。和光の凝ったショウウィンドウを眺め、歩行者天国になった大通りの真中をさらに進む。松坂屋があった場所は再開発中で、ぽっかりと大きな空間が出来ている。銀座でこのスペースの空間があるという事が、何かシュールな感じさえする。

20141205Souvenir.jpg ほとんど新橋に近い銀座8丁目に、臙脂色のおしゃれなビルが建っている。資生堂パーラー本店が入っている建物である。このビルの地下には資生堂ギャラリーというスペースがあり、いろいろな企画の展覧会を行っている。今回は写真家アラーキーで親しまれている「荒木経惟」の「往生写集」展が開かれていた(12月25日まで開催)。展示会場には、強烈な色彩の写真が展示されている。ソフトビニール製らしい足の生えた深海魚に食われる人形の頭、どくどくしいまでに鮮やかな花、花、花、と、それに飲み込まれて行く人形達など。エロスとタナトスに満ち溢れた世界が展開している。地下の迷宮から地上に戻ると、そこは大人のお菓子の国。1階の資生堂パーラーショップにてお土産を探す。資生堂パーラーは1902年に誕生との事なので、100年以上の歴史がある。お気に入りのチーズケーキを購入する事にした。このチーズケーキは、一口サイズぐらいのブロックに、チーズがごろっと入ったような、チーズの美味しさがそのまま楽しめるシンプルで深い味わいのモノ。今日は東京、銀座の歴史と文化を楽しんだ一日であった。



 今回訪れた東京駅に関連して、当社商品にも鉄道画家の富田利吉郎作「東京駅」のリトグラフがあるのでご紹介します。赤煉瓦の趣を詳細なタッチで描いたこの作品は、駅舎の屋根が、戦災復興をした当時の三角屋根になっている。戦後の昭和生まれの世代(私も...)にはなじみのある、だが今は見られなくなった懐かしい姿である。この記念の機会に是非ご覧ください。なお、富田利吉郎の作品には、かわいらしい木造駅舎の原宿駅もあります。

【冨田利吉郎 略年譜】
大正8年 山形県新庄市に生まれる。
双台社研究所でデッサンを学んだ後日本画家・福田豊四郎に師事。
昭和31年 新制作協会日本画部(現在の創画会)に初出品。
昭和40年 日本橋丸善にて初の個展開催。
昭和44~47年 新宿ステーションビル、ギャラリー・アルカンシェルにて「蒸気機関車のある風景」展開催(通算4回)。
昭和49~56年 ギャラリー・アルカンシェルにて「停車場のある風景」展を開催(通算8回)。
平成3年 オリジナル・リトグラフ《東京駅》、《原宿駅》を制作
平成7年 3月逝去。享年76。
著書に、画集「蒸気機関車のある風景」(ノーベル書房)、画集「停車場のある風景」(講談社)など。


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オリジナル・リトグラフ
富田利吉郎 《東京駅》、《原宿駅》
販売価格 各95,000円+税


<仕様体裁>
作者 富田利吉郎
限定 各180部
技法 オリジナル・リトグラフ(作者自身が描版)
版数 各14版・14色
用紙 ヴェラン・アルシュ
額縁 木製金箔仕上げ(国産、ハンドメイド)
画寸 41×47cm
額寸 60.5×66.5cm 
重量 約2.2kg
発行 共同印刷株式会社

November 28, 2014

冬の晴れ間と七色の雲


201411skyandwater.JPG 「冬晴」という季語があります。
 冬の空といえば鈍い灰色の雲が垂れ込めた曇天をイメージするように晴れ間が少ないことから、冬には珍しく心浮き立たせるほど晴れ渡った美しい青空を表現したものです。

 今週は雨や曇りの天気が続きましたが、昨日、今日はおだやかな小春日和となりました。ことに昨日は雲ひとつない晴天に恵まれ、久々に澄んだ美しい青空を堪能しました。

201411iridescent_clouds.JPG 残念ながらまた天気は下り坂で来週は雨との予報、冬晴れの青空が恋しく思われます。


 雲ひとつなく澄み渡った青空はたしかに美しいものですが、自称「雲評論家」の私としては、光の変化によって様々な表情を見せる雲も、青空に少しも引けを取らない魅力を持つものだと思います。晴れた空に浮かぶ雲の美しさは両者の魅力を兼ね備えているだけに格別です。

201411sunset_edogawa.JPG 週末の楽しみであるサイクリングの途中、無心に自転車を走らせているとき、ふと見上げた雲の美しさに思わずペダルを止めることも度々です。ことに「彩雲」と呼ばれる真珠の輝きにも似た七色の光を帯びた雲の美しさは、一度眼にすればけっして忘れられないものとなるでしょう。





 さて今回は当社「彩美版®」ラインナップのなかから、日展で活躍し花鳥画家として名をはせた金島桂華画伯の作品《冬晴》をご紹介します。




彩美版 金島桂華 《冬晴》
販売価格 軸装・額装(各)120,000円+税


晴れた青空と清らかな冷気。
ブナの林に響き渡る澄んだ小鳥の鳴き声。
透明な「冬晴」の美しさ。


【金島桂華(かなしまけいか)略歴】
1892年 広島県福山市に生まれる。
1906年 大阪の西家桂州に師事し「桂華」の雅号をもらう。
1911年 後に竹内栖鳳の画塾「竹杖会」に入会し研鑽を積む。
1925年 第6回帝展で特選受賞。
1935年 大阪高島屋で初の個展開催。
1959年 日本芸術院会員となる。
1960年 日展理事となる。
1961年 錦紅会展に本作「冬晴」を出品
1962年 高野山奥之院襖絵制作に着手。
1969年 京都文化功労賞を受賞。
1974年 逝去。享年82。


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《冬晴》はこちらの販売店でお求めになれます。


<仕様体裁>

■軸・額共通仕様
技法 彩美版®、シルクスクリーン手刷り
原画 華鴒大塚美術館(岡山)
限定 200部
用紙 和紙
証明 著作権者及び作品所蔵者の承認印入り証紙を貼付
解説 平野重光(美術評論家)

■軸装仕様
画寸 天地38.5×左右52.5cm
軸寸 天地133.5×左右72cm
表装 三段表装(国産、ハンドメイド)
箱  柾目桐箱、タトウ入り

■額装仕様
画寸 天地38.5×左右52.5cm
額寸 天地58.5×左右72.5cm
重量 約4.0kg
額縁 特製木製額、アクリル付(国産、ハンドメイド)

※「彩美版®」は共同印刷株式会社の登録商標です。

November 21, 2014

山茶花の咲く頃


 いつもブログ『美術趣味』をご覧頂きましてありがとうございます。

 先週の金曜日、11月7日は立冬でした。ついこの間までの暖かさが一変し、手先が凍えるような寒さになってきましたね。これから日一日と寒さが厳しくなりますので、マフラーや手袋をして体を冷やさない様ご自愛ください。

 昔から立冬の頃には山茶花(さざんか)が咲き始めると言われますが、当社のお向かいにある小石川植物園内の山茶花が青々とした葉の間に白や淡いピンクの花を咲かせています。寒空の下、凛として花を咲かせ私達の目を楽しませてくれます。



 そこで今回は小倉遊亀「山茶花」をご紹介します。静謐な画調の中から画家の瑞々しい感性が溢れる逸品を是非お手元に。



彩美版® 小倉遊亀 《山茶花》
販売価格 180,000円+税(軸・額共通)


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<使用体裁>

■軸・額共通
監修 有限会社 鉄樹
原画 滋賀県立近代美術館所蔵
技法 彩美版®、シルクスクリーン手刷り
用紙 和紙
限定 300部(軸・額合計)
証明 画中及び奥付シールの2箇所に著作権者承認印捺印

■軸装仕様
画寸 天地47.3×左右53.3cm
軸寸 天地143×左右73.5cm
表装 三段表装(国産・ハンドメイド)
箱  柾目桐箱、タトウ付

■額装仕様
画寸 天地47.4×左右53.5cm
額寸 天地63.8×左右70cm
重量 約3.2kg
額縁 特製木製額、アクリル付(国産・ハンドメイド)

※「彩美版®」は共同印刷株式会社の登録商標です。



【今日の谷中千】201411_ohgai_kinennkann.jpg
東京千駄木の森鴎外記念館では以下の展覧会が開催されています。
来週月曜日までですのでご興味のある方はお早めにお出かけ下さい。

流行をつくる ―三越と鴎外―

文京区立森鴎外記念館
東京都文京区千駄木1-23-4
電話 03-3824-5511


会 期 2014年11月24日(月・祝)まで
開館時間 10時~18時(最終入館17時半) 
観覧料 一般500円(20名以上の団体:400円)
※中学生以下、障がい者手帳ご提示の方と同伴者1名まで無料

November 14, 2014

紅葉の中に佇む 滋賀県立近代美術館より


201411_Siga_ModernArtMuse.JPG 皆さま、滋賀県にある「びわこ文化公園」をご存じでしょうか。この公園は琵琶湖や比叡山、湖南アルプスを望む湖南丘陵地一帯を滋賀県が都市公園として整備を進めているものです。その中でも県立近代美術館、県立図書館、県埋蔵文化財センター等を含む地域は「文化ゾーン」と呼ばれ、茶室や日本庭園、こども広場や催し広場など、多くの人のふれあいの場として利用されています。



201411_YukihikoYukiEx_Banner.JPG わたしは開館30周年を迎える県立近代美術館の特別展『「遊亀と靫彦」-師からのたまもの・受け継がれた美-』へ行って参りました。国内で最も小倉遊亀作品を所蔵している滋賀県立近代美術館において、今年は小倉遊亀生誕120年、安田靫彦生誕130年という記念年ということもあり、大規模な展示会が開催されています。現在、自然に囲まれたこの公園は美しく紅葉が色づいています。ぜひ足を運んで秋を堪能してみてはいかがでしょうか。





 当社は、来月12月の発売を目標として滋賀県立近代美術館が所蔵する小倉遊亀画伯の名作を彩美版®にて刊行する準備を進めております。詳細は近日発表いたしますのでご期待ください。



【遊亀と靫彦-師からのたまもの・受け継がれた美-】
会 場: 滋賀県立近代美術館
     〒520‐2122 滋賀県大津市瀬田南大萱町1740‐1
     TEL:077‐543‐2111
会 期: 2014年10月11日(土)~11月24日(月・祝) 毎週月曜休館
観覧料: 一般1,100円、高大生800円、小中生600円 団体割引あり

November 7, 2014

新作 石踊達哉《星河(せいが)》のご案内


 いつもブログ「美術趣味」をご覧いただきまことにありがとうございます。
 当社はこの度、石踊達哉画伯の作品《星河》を彩美版®で再現し販売を開始いたしました。

 当社が2004年に発行した石踊画伯の名作《秋草》(彩美版®、限定200部)は、おかげさまで好評のうちに完売いたしました。お客さまの更なるご要望にお応えし、このたび刊行した新作《星河》は、画伯がミレニアムの年(2000年)に描いた記念すべき秋野の風景です。野に繁る秋草と昇る月という、琳派の画家たちが好み江戸期の人々を魅了した画題が、画伯の現代的な感覚と卓越した技巧で見事に表現されております。

 萩が風にそよぎ、女郎花(おみなえし)や桔梗、紅色に鏤められた吾亦紅(われもこう)が咲き乱れ、輝く月、満天の星と溶け合いひとつになる―金色に染まる秋の野原、移ろいゆく季節の輝きを共同印刷が誇る「彩美版®」の技法で再現いたしました。金色に光り輝く月、緩やかに流れる黄金の光の河の再現には、特に本金泥を使用しております。

 作品はご自宅の居間や応接室・事務所など、どこにでも飾り映えのする10号サイズで制作。画面にマッチした国産ハンドメイド金泥仕上げの額に収め、200部限定でご用意いたしております。

 星降る夜、月に照らされ、昼間のように明るい秋の野辺の景。華やかで儚(はかな)い幻想的な美しさを、是非皆さまのお手元でご堪能ください。

 なお、本作より当社が独自に開発したセキュリティシールを証紙に貼付いたします。「彩」の文字が入った銀色のセキュリティシールは、専用判定器やスマートフォン、デジタルカメラを使って作品の真贋が判定出来ます。お客さまにはどうぞご安心の上、お買い求めください。
※スマートフォンのカメラ機能でフラッシュ撮影していただきますと、撮影したセキュリティシールの画像に「KP」の文字が浮き上がります。
ニュースリリース http://www.kyodoprinting.co.jp/release/2014/20141031-1517.html




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彩美版® 石踊達哉 《 星河 》

販売価格 160,000円+税
限定200部発行



<仕様体裁>
ishiodori_seiga_seal.jpg監 修 石踊達哉(題字も)
解 説 谷岡 清(美術評論家)
技 法 彩美版®)、シルクスクリーン手刷り、本金泥使用
用 紙 版画用紙
証 明 著作権者検印入り証紙を額裏に貼付(セキュリティシール併用)
額 縁 木製金泥仕上げ、アクリル付き(国産、ハンドメイド)
画 寸 天地42.6×左右52.8㎝(10号)
額 寸 天地61.6×左右72.0㎝
重 量 約3.4㎏
発 行 共同印刷株式会社
※「彩美版®」は共同印刷株式会社の登録商標です。

October 31, 2014

自転車散歩-江戸の風情が残る行徳界隈


 自転車を使った気ままな散歩、ポタリングが人気を集めている。江戸川を挟み東京に隣接する千葉県の行徳(ぎょうとく)はかつて多くの旅人が行き交い繁昌した宿場だった。自転車ならではの機動性を活かし江戸の風情が今も残る行徳の町を散歩してみた。



gyoutoku_benten201410.JPG 浦安市に隣接する市川市行徳地区は地下鉄東西線が開通して以来東京のベットタウンとして発展し駅の南側(海側)に向かって新しい街並が拡大している。バードウォッチングが好きな方であれば海側に宮内庁の新浜鴨場(御猟場)と市川野鳥の楽園があることをご存知であろう。東京ディズニーランドや葛西臨海公園にもほど近い。新興住宅地のイメージが強いが、本来の行徳は駅北側の旧江戸川と並行する行徳街道(県道6号線)沿いの本行徳を中心とした地域で、今も江戸の風情を残す古い町屋や社寺、古祠が多く残る。海側には、かつて遠浅の干潟を利用した大規模な塩田があった。駅前の弁天公園のあたりは弁財天を祠る鎮守の森で江戸時代は小島であったともいわれる。

 行徳は江戸から房総、常陸(現在の茨城県)方面への旅の起点となり多くの旅人や物資が行き交う交通の要所であった。今で言えば首都圏観光ガイドにあたる江戸時代末期に出版された『江戸名所図会』※には当時の行徳の賑わいが以下のように記されている。

 『行徳船場 大江戸小網町三丁目行徳河岸といえるより此地まで船路三里八丁あり。房総の駅路にして旅亭あり。故に行人絡繹(こうじんらくえき/「路行く人の往来が絶えない様」の意)として繁昌の地なり。殊更(ことさら)正五九月(1月、5月、9月)は成田不動尊へ参詣の人夥しく賑い大方ならず。』(「江戸名所図会」第7巻)

※江戸名所図会(えどめいしょずえ)
全7巻。1~3巻は天保5年(1834)、4~7巻は天保7年(1836)の刊行。江戸神田雉子町の名主を務めた斎藤長秋、莞斎、月岺の親子三代により編纂され、月岺が刊行した。挿図は長谷川雪旦。江戸文化の研究者必携の名著とされる。ちくま学芸文庫に収められているほか、原本は国立国会図書館デジタルコレクションに収録されインターネットで一般に公開されている。





常夜灯
gyoutoku_jouyatou201410.JPG 江戸市中には縦横に運河が張り巡らされ水運が盛んであったから、船を使う行徳経由のルートは人気が高く江戸から成田山新勝寺へお参りする人々で大いに賑わった。船着場の新河岸跡には『江戸名所図絵』に描かれた江戸末期、文化九年(1812)の常夜灯(市川市指定文化財)が今も残り周辺は公園として整備されている。この行徳ルートを開いたのは徳川家康と言われている。家康は新たに小名木川と新川という二つの運河を開削し日本橋と行徳の間を直接船でつなぐルートを設けた。行徳は古くから製塩業が盛んで家康は軍事的見地からこれを重視し厚く保護したと言われる。



笹屋うどん跡
sasaya_201410.JPG 当時行徳名物として親しまれたのは新河岸からほど近くの行徳街道沿いにあった笹屋うどんである。『江戸名所図絵』行徳河岸の挿絵にも「名物さゝやうんとん(饂飩)」と描かれている。笹屋のいわれは、「石橋山の合戦に敗れて安房へ落ち延びる途上行徳に着いた源頼朝一行を、うどん屋の仁兵衛がうどんでもてなし、頼朝から源氏の家紋「笹竜胆」を拝領し以後屋号を「笹屋」としたと伝えられる。残念ながら廃業して久しく、名物うどんがどんなものであったかはわからないが※、江戸時代の建物や太田南畝の筆になるという看板が今も大切保存されている。(看板は市川歴史博物館に展示)
※看板には「御膳ほしうどん」と書かれており、干麺を使ったものであったようだ。



徳願寺
tokuganji_201410.JPG 「行徳千軒寺百軒」といわれるほど数多い寺院を代表するのは、寺町通りにある徳願寺だろう。同寺は家康の帰依を受けて慶長十五年(1610)に開創され四百年余の歴史を持つ。本尊は運慶作と伝える阿弥陀如来像で江戸城に祀られていたものを当寺に移したといわれる。現存の山門と鐘楼は安永四年(1775)の建築でこちらも市川市指定文化財となっている。



成田道(なりたみち)
teramati_st_201410_02.jpg 江戸から成田方面へ向かう道には、千住、小岩を経て江戸川を船で渡り現在の千葉街道(国道14号線)を通り市川、船橋を経由して成田街道(国道296号線)へ抜ける陸側のルートと、日本橋小網町(現在の箱崎付近)行徳河岸から行徳の新河岸まで船を使い、行徳から船橋までは現在の「寺町通り」や県道179号線を経由して船橋に至る海側のルートがあり、どちらも「成田道」と呼ばれた。(両者は船橋宿の入口で一つに交わる。)



権現道(ごんげんみち)
gongenmiti_201410.JPG 行徳街道と並行するように行徳地区を縦断する「権現道」と呼ばれる狭い路地は、東金御殿へ向かう家康が通ったと言い伝えられている古道だ。行徳街道成立以前からあったといわれ、この道に沿って多くの寺社や小祠が立ち並ぶ。
 古い歴史を持つ道だが地域住民にとっては今も大切な生活道であり、車が行き交う表通りを避けてこの小路を利用する方が多いようだ。







 日本橋から行徳までは地下鉄東西線で20分余り、都心から近く手軽に楽しめる行徳はお勧めだ。行徳駅や一つ隣の南行徳駅に置かれている無料のレンタサイクルが利用できる。また市川市が作成した「歴史的街並の散歩道」と題するガイドマップを是非携帯したい。イラストで描かれた地図には見どころが満載されている。市川市役所文化振興課で無料配布されているほか市川市のホームページからダウンロードすることもできるので是非活用されたい。



October 24, 2014

小江戸美術散策


 翌日は関東に台風が直撃すると目されていた曇り空の休日、気分だけでも晴れやかにと、久しぶりに好きな街・川越を訪れてみました。

 いうまでもなく川越は、小江戸の異名を持つ通り江戸時代の城下町の風情が色濃く残されており、歴史を刻まれた建物やそれを大切にする景観づくりがとても魅力的です。私にとっては街そのものがアートであり、心和むドリームランドです。見るものが尽きない中で、今日は美術館を中心に散策することにしました。

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 氷川神社と新河岸川のすぐそばにヤオコー川越美術館がありました。2012年開館の新しい美術館です。小ぶりながらその洗練された未来的外観は不思議な存在感があります。直線の建物に緩やかな曲線の道を組み合わせた、計算された造形美。建築設計は、世界的建築家・伊東豊雄氏の手によるそうで、建築雑誌などにも紹介され、海外からも建物を見に訪れる方がいらっしゃるそうです。

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 展示作品は、写実絵画の巨匠、三栖右嗣(みす ゆうじ/1927~2010)画伯の作品で、美術館自体、画伯の記念館となっています。迫真の写実的描写で桜花や人物画を描いていますが、とりわけ今回の展示では一連の林檎の作品が取り上げられていました。単なる静物としてではなく、自然風景の中にある生命体として、その生と死、再生を見つめ続け、作品にしています。150号大の大判・モノトーンのリトグラフ<林檎の樹>は墨画のように勢いある筆致やはねが迫力いっぱいで目をひきました。シャープな三栖画伯の作風はA.ワイエスを連想しますが、やはり画伯も敬愛していたようでした。

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 この美術館とは対照的に、川越に根付く歴史を想わせる山崎美術館は、全く異なる味わいがありました。江戸時代から続く菓子店・亀屋のオーナー山崎家が、その蔵や工場を改造して、1982年に開館した美術館です。川越藩のお抱え絵師だった日本画壇の巨星・橋本雅邦の作品コレクションを中心に公開しています。3つほどの部屋に分かれており、もと土蔵らしき1番目の部屋には和菓子の木型や技法書など、続く2番目の部屋には浮世絵、ランプ、千両箱など骨董品が展示されています。

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 さらに3番目は、格子戸をあけ靴を脱いで上がる広い部屋です。ここで橋本雅邦や他の日本画家作品が鑑賞できるのですが、他に花瓶類やアール・ヌーボー調の食器なども展示されています。博物館のような印象ですが、美術館を設立した六代山崎嘉七氏の、コレクションは全てお見せしたいというサービス精神が伝わります。雅邦の作品はこの日、恵比寿、大黒、兎、蓬莱山、そして昇龍の5点が展示されていました。昇龍は雅邦60代半ば頃の作品で、波頭を蹴って天空に昇る龍をスピード感あふれる構図と筆致で描いています。

 本物の歴史ある建物は心にしみる風情があります。鑑賞後は展示室の前で亀屋の最中とお茶をいただき、それをしみじみ味わいました。

 散策を続け、お土産に「いも恋」を買っていたときは小雨だった天気も帰り道は豪雨となりました。翌週は川越まつりがあると知り、1週ずらせば良かったと思う反面、道がすいていてラッキーだったのだと思い込むことにしました。





■ヤオコー川越美術館
 住 所 川越市氷川町109-1
 電 話 049-223-9511

 開 館 10時~17時
 定休日 月曜(祝日の場合は翌日)
 料 金 一般300円、高・専・大学生200円、
     中学生以下無料(団体20人以上は100円引き)


■山崎美術館
 住 所 川越市仲町4-13
 電 話 049-224-7114

 開 館 9時30分~17時
 定休日 木曜(祝日の場合開館)、展示替期間
 料 金 一般500円、高・大学生350円、
     小・中学生200円(団体10人以上は割引あり)

October 17, 2014

あをによし奈良の都の旅もよし。 飛鳥、そして平城宮跡を巡ってみた事。


 奈良県に行く用事が出来たついでに、飛鳥の遺跡と平城宮跡を巡ってみる事にした。奈良を訪れたのは詰襟学生服を着ていた中学生の修学旅行以来なので、かれこれ30年以上経つ。

 まずは飛鳥の遺跡を巡ってみたい。歩いて回るのは難しいと思い、橿原という駅でレンタサイクルを借りる計画を立てた。出発場所の大和西大寺駅の窓口で、駅員から切符を買おうと思うが、まず橿原(かしはら)という字が読めない。こういう時はいつものごとく、ごにゃごにゃっと頭の言葉を濁して後の原(ハラ)を力強く発音して切り抜ける。なんとか駅員から切符を買って橿原駅に到着。車重が20kgはありそうなママチャリ(変速ギアなし)を借りて秋晴れの飛鳥路をスタートした。この自転車、時速15kgも出るとクランクが空回りし、ちょっとした坂でも立ちこぎしないと上がれないスローな乗り物である。

20141017sakahuneisi.jpg まずは一番訪れてみたかった「酒舟石(さかふねいし)」に到着。周りをうっそうとした竹林に囲まれた小高い丘の上に鎮座するこの不思議な岩には、いくつもの溝が彫ってある。案内板によると、酒や薬、油などを作るときに使った道具といわれていたり、庭園の施設という説もあるとの事。今もって謎の遺跡のよう。岩には石割りの工具跡が残っているが、これは作られた時のものではなく、その後に石の一部を誰かが持って行った跡だとか。完全な形を見られないのは大変残念。この遺跡の下には平成12年に発見されて話題になった亀型石造物と小判型石造物がある。小判型石造物に溜まった水が亀型石造物の頭に流れ込み、亀の胴体を水で満たして尻尾の辺りからさらに流れ出る構造になっているなかなか凝った作りのもの。

 「酒船石」を後にして、落ち着いた佇まいの飛鳥の里をうねうねと自転車は進み、有名な「石舞台古墳」に到着。ここは観光スポットとして、かなり人が多く訪れている。周りを緩やかな山々に囲まれた巨大な天井石の姿は、現代彫刻が展示しているかのよう。遠く下の方には銀ネズ色に輝く家々の瓦屋根が見える。次は古墳のある高台から一気に下り、聖徳太子生誕の地とされる「橘寺」の「二面石」を見学。岩に彫られた二つの顔は人の心の善悪二相を表したものといわれているらしい。「橘寺」を下った所に雑貨屋さんがあったので一休みする。ここでは明日香村の果物や野菜のジェラードが食べられる。古代米(黒米)味を食べたかったのだが残念ながら売り切れ、あすかルビーというイチゴのジェラードを注文する。食感は非常にねっとりとしているが、甘すぎず、イチゴの爽やかさを味わえた。元気を取り戻し、さらに「亀石」、「鬼の雪隠(せっちん)」、「鬼の俎板(まないた)」を見て回り巨石遺跡を堪能した。

 今夜宿をとる大和西大寺に戻り夕食を摂った後、夕闇の平城宮跡に散歩に出かける。かつて天皇が国家儀式を執り行った第一次大極殿(だいごくでん)がライトアップされて明るく輝いているのが遠くから見える。近づいて見ると大極殿はかなり巨大であった。遥か南の方向にも明るく輝く朱雀門が見える。そこを目指して暗くなって人もまばらな道を進んでみる。平城宮跡は巨大な広場のようになっており、夜になるとかなり暗く、人もあまり通らない。いつまでも続く寂しい道を一人歩いていると、芥川の羅生門ではないが盗人でも出ないかと不安になって来た。明るく照らされた朱雀門に無事たどり着き、ほっと一息。かつての旅人も街の門にたどり着いた時はこのように安堵を覚えたのではあるまいか。

20141017daigokudenn.jpg 翌日、すっかり明るくなった平城宮跡に再度訪れてみた。広々とした平野に大極堂(平成22年復元)と朱雀門(平成10年復元)がかなり離れて向かい合っている。その間を近鉄奈良線が通っている景色も、のんびりとしていて良い。せっかくなので平城宮跡資料館という建物に入ってみると、ボランティアの方から展示物の説明をしていただけた。時間があまりない旨お伝えすると、その時間に収まるように要領よく説明していただけ、大変助かった。次に昨夜は外から見た第一次大極殿の中に入ってみる。高い天井を見上げると美しい蓮の花が描かれている。なんと日本画家の上村淳之先生が原画を描かれたとの事。さらに四周に巡る小壁に描かれている四神(玄武、朱雀、青龍、白虎)・十二支も淳之先生の筆によるもの。先生がこれらを描かれたのは厳冬の時期で、高い足場を組み、そこに登って描かれ大変なご苦労があったそうです。(なお繊細で色鮮やかな上村淳之先生の花鳥画は当社商品にもございますので下記をご参照ください。)大極殿を出て平城宮跡の草原に立て遥か山々を見やる。緑と水が豊富な奈良の地は、やわらかな空気に包まれて、まさしく良い土地であった。



追伸
 現在、東京近代美術館で開催中(2014年9月23日~11月3日)の菱田春草展。重要文化財の「落葉」は残念ながら13日で展示替えのため見られなくなったようですが、当社商品の「落葉」はまだ多少残っています。よろしければこちらも参照ください。



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彩美版® 菱田春草 《落葉》 左隻/右隻

【販売価格】

■15号
左右・各  本体価格 200,000円+税
左右セット 本体価格 380,000円+税

■25号
左右・各  本体価格 250,000円+税
左右セット 本体価格 480,000円+税


【仕様体裁】
原画 永青文庫所蔵(熊本県立美術館寄託)、重要文化財指定
技法 彩美版®
限定 左隻/右隻 各150部
画寸 25号 34.6×80.3cm / 15号 28.3×65.2cm
額寸 25号 52.5×98.5cm / 15号 46.0×83.0cm
額縁 特製木製額、アクリル付き(国産、ハンドメイド)
証明 所蔵者の承認印押印証紙を額裏に貼付
発行 共同印刷株式会社





-画家の夢見る世界への誘い-
彩美版® 上村淳之 《四季花鳥図》
販売価格 160,000円+税



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※背景の銀色をシルクスクリーンで再現しています。


【仕様体裁】
原画 近畿日本鉄道株式会社所蔵 松伯美術館委託
監修 上村淳之、松伯美術館
技法 彩美版®、シルクスクリーン手摺り
限定 300部 
画寸 天地25.2cm×左右65cm
額寸 天地41.4cm×左右81cm
重量 約2.3kg
用紙 版画用紙
額縁 特製木製銀泥額、アクリル付(国産、ハンドメイド)
証明 監修者の承認印押印証紙を額裏に貼付
発行 共同印刷株式会社



※「彩美版®」は共同印刷株式会社の登録商標です。


October 10, 2014

箱根・岡田美術館


 いつもブログ「美術趣味」をご覧頂きましてありがとうございます。

okada_museum.JPG 先週土曜日、10月4日で開館1周年を迎えた岡田美術館へ行ってきました。場所は箱根小涌園、有名な温泉アミューズメント施設「ユネッサン」の隣にあります。箱根と言えば彫刻の森美術館、ガラスの森美術館、POLA美術館、成川美術館、など多種多様な美術館がたくさんありますが、こちらも見ごたえのある個性的な美術館でした。

okada_fuujinraijin.JPG 表門を入ると、館内に展示されている「風神雷神図」がガラス超しに目に飛び込んできます。こちらは日本画家福井江太郎氏の「風・刻」という作品で、縦12メートル、横30メートルにも及ぶ大壁画です。そして、この絵を挟んだ階段の上にはなんと源泉掛け流しの足湯カフェがあります。足湯に入り、お茶を飲みながらゆっくり鑑賞できるようになっています。入場者は無料で楽しむことができるという、なんとも箱根らしいサービスです。

 館内に入り入場チケット購入前に携帯電話、カメラはロッカーに預けます。展示室前に飛行機へ搭乗する時などに通る金属探知機をくぐります。かなり厳重なチェックになっている印象です。全5階からなるこちらの美術館の展示面積は、およそ5,000㎡にも及ぶとのことです。収蔵品の中心は、近世・近代の日本画と、東アジア(日本・中国・韓国)の陶磁器ですが、そのほかにも幅広い時代・分野の作品が展示されています。

 今回の訪問目的である企画展「大観・春草・御舟と日本美術院の画家たち」は開館一周年記念展として開催されていました。目玉作品は横山大観の「霊峰一文字」、速水御舟の「木蓮」。横山大観の「霊峰一文字」は、縦1m、長さ9mという絹地に、湧き上がる黒雲から姿を現す霊峰富士の雄姿を描いた大作です。大正15年(1926)人形浄瑠璃の舞台の引幕として使われて以来、ほとんど世に知られないまま秘蔵されていました。岡田美術館の所蔵となり、昨年秋の開館を機に展示されたとのことです。また、新たに収蔵された速水御舟「木蓮」もしばらく行方不明になっていた期間があり、実に34年ぶりの公開だそうです。32歳の御舟が初の個展に出品した一幅で、代表作「炎舞」(山種美術館蔵)などとともに展示され、近代日本水墨画の名作と評価されています。

 これら2点の他にも、日本美術院で活動した画家たちの作品が一堂に展示されています。明治から昭和にかけて日本画の近代化を先導した画家たちの、華やかで革新的な作品を、箱根観光と合わせて楽しんでみてはいかがでしょうか。



【岡田美術館】

神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1
電話 0460-87-3931

■開催中の展覧会

開館一周年記念
大観・春草・御舟と日本美術院の画家たち

会  期:2014年10月4日~2015年3月31日
開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休 館 日:会期中無休(ただし12月31日、1月1日は休館)
入 館 料:一般・大学生2,800円 小中高生1,800円

October 3, 2014

秋の情景


 いつもブログ『美術趣味』をご覧頂きましてありがとうございます。
 天気が不安定で夏のような暑さの日や肌寒い日もありましたが、「秋分の日」が過ぎようやく秋の気配が感じられますね。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 先日、近所の公園へ足を運びました。過ごしやすいせいか、ランニングやウォーキング・ジョギングをされている方が多く、見るからに「スポーツの秋」を感じさせられました。公園周辺を散策していますと、土手沿いに鮮やかな朱色の彼岸花が咲き連なっていました。緑の草木を背景にし、より一層際立つ朱い色に目を奪われました。何気ない場所で見つけた秋の風景。小さな発見ですが心が和みます。

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 さて今回は、朱色が美しく秋に輝く奥田元宋「秋耀白雪(しゅうようはくせつ)」の彩美版をご紹介いたします。青く澄んだ空に雪山の彼方から、一条の光が優しく水面に注ぎます。燃えるような「赤」色が一層輝き、描かれている一筆一筆にに画家の情熱が窺えます。





彩美版 奥田元宋 《秋耀白雪》
限定部数 300部
販売価格 180,000円+税



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<仕様体裁>
監修 奥田小由女(人形作家、日展副理事長、日本芸術院会員)
原画 ホテル賀茂川荘所蔵(広島県竹原市)
技法 彩美版®、シルクスクリーン手刷り
用紙 版画用紙(モロー)
証明 著作権者承認印を奥付に押印
額縁 特製木製額金銀泥仕上げ(国産、ハンドメイド)
画寸 38cm×53cm
額寸 53cm×68.5cm
重量 約3.3kg
発行 共同印刷株式会社
※「彩美版®」は共同印刷株式会社の登録商標です。


September 26, 2014

江戸の奇才、北斎。


 雨が降るたびに少しずつ涼しさを肌で感じる今日この頃、わたしは上野の森美術館で開催されている『ボストン美術館 浮世絵名品展 北斎』へ行って参りました。

 皆さんもよくご存じの作品「富嶽三十六景」シリーズが多数出品されているこの企画展は、2008年から数えて3回目であり今回はいよいよ最終回とのこと。小雨の中にもかかわらず大勢の来館者で賑わっていました。作品を前にしたとき、驚くべきはその色彩の鮮やかさ、そして淡い色彩の美しさでした。ボストン美術館の浮世絵作品は門外不出と言われ、近年までほとんど公開されたことがなかったために保存状態が極めて良好なのだそうです。それにしてもここまで美しいとは。

 大半が日本初公開ということで、様々な作品とその表現を楽しむことができます。たとえば「水」ひとつとってもその描き方は様々で、「大海原の荒々しい波の作品」があったと思えば「穏やかな波打ち際の作品」もあり、また「山の奥地に佇む滝の姿」と、同じ「水」でもここまで違うものかと、多岐に富んだ北斎を楽しむことができました。厳選された優品約450点。浮世絵ファンならずとも魅了するこの展示会、芸術の秋のひとときを堪能されてはいかがでしょう。



【展覧会情報】

ボストン美術館 浮世絵名品展 北斎
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会 場 上野の森美術館
    東京都台東区上野公園1−2
会 期 2014年9月13日(土)~11月9日(日)
時 間 午前10時―午後5時(金曜日は午後8時まで)
    *入館は閉館の30分前まで
休館日 9/16(火)、9/29(月)、10/6(月)、
    10/14(火)、10/20(月)、10/27(月)


September 19, 2014

生誕140年 「菱田春草展」


 いつもブログ「美術趣味」をご覧いただき、まことにありがとうございます。
 いよいよ9月23日(火)より、東京国立近代美術館にてこの秋注目の「菱田春草展」が行われます。近代日本画の礎を築き日本画の革新に挑んだ、美術史に輝く大変重要な作家の回顧展です。

 菱田春草は明治7年(1874年)長野県飯田市に生まれ、草創期の東京美術学校を卒業後、岡倉天心の組織した日本美術院の設立に参加(明治31年)、「朦朧体(もうろうたい)」と呼ばれる線抜きの描法を横山大観と共に創始し、一躍名を馳せました。インド・欧米に外遊し彼の地で作品展を開催、帰国後の明治39年(1906年)日本美術院の移転に伴い茨城県五浦(いづら)に移住し苦難の制作活動を続けるも、病のため再度上京して代々木に転居しました。後年は、病魔と闘いながらも和洋折衷の装飾的な画風による色彩の絵画を目指し、独自の日本画を確立しました。惜しむらくは院展の再興(大正3年)を見ずして、明治44年(1911年)満37歳の若さで他界しました。

 春草の生誕140年を記念する今回の展覧会の話題は、短い生涯の間に描かれた重要文化財4点、《王昭君》《賢首菩薩》《落葉》《黒き猫》の全てが出品展示されることです。特に《落葉》については、重文の《落葉》(永青文庫蔵)とともに《落葉》と題された同時期制作の作品が全て出品されます。《落葉》連作5点の展示はまたとない試みと言えましょう(※作品の展示期間にご注意下さい)。他にも春草の画業を理解する上で重要な100点を超える作品が出品されるとのこと。質量とも充実のラインアップで春草の目指した新たな日本画の創造過程が一望出来ることでしょう。この貴重な展覧会に、皆様ぜひ足をお運び下さい。



【菱田春草展情報】

会場 東京国立近代美術館
会期 2014年9月23日(火)から11月3日(月)まで
休館 月曜(祝日を除く)、10月14日(火)
時間 10:00~17:00 ※金曜は20時まで




 尚、弊社では春草の代表作である《落葉》の彩美版をお取扱いいたしております。
 サイズは2種(15号/25号)ご用意いたしました。お好みでお選びいただけます。カタログもございますので遠慮なくお申し付け下さい。



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彩美版® 菱田春草 《落葉》 左隻/右隻

【販売価格】

■15号
左右・各  本体価格 200,000円+税
左右セット 本体価格 380,000円+税

■25号
左右・各  本体価格 250,000円+税
左右セット 本体価格 480,000円+税


【仕様体裁】

技 法 彩美版®
限 定 左隻/右隻 各150部
画 寸 25号 34.6×80.3cm / 15号 28.3×65.2cm
額 寸 25号 52.5×98.5cm / 15号 46.0×83.0cm
額 縁 特製木製額、アクリル付き(国産、ハンドメイド)
原 画 永青文庫所蔵(熊本県立美術館寄託)、重要文化財指定
証 明 所蔵者の承認印押印証紙を額裏に貼付
発 行 共同印刷株式会社

※「彩美版®」は共同印刷株式会社の登録商標です。

September 12, 2014

実りの秋


aki_bare.JPG このところ全国的に不順な天候がつづいていますが、一昨日の東京は1時間に100mm以上という記録的な大雨が降り、あちこちで冠水被害がありました。
 秋らしい爽やかな晴天を恋しく思っていたら、その想いが通じたのか今朝の小石川は久しぶりの青空に恵まれました。夏の濃い青とは明らかに異なる、柔らかな水色の青が心に沁みます。






nobori.JPG 秋は稲などの穀物や木の実、果実が実る時期であり、そうした恵みに感謝し豊饒を祝う祭りの季節です。当社周辺では今、街路に沿って近くの簸川(ひかわ)神社の秋祭りを知らせる幟が掲げられています。

 ※簸川神社は江戸時代には氷川明神と呼ばれた旧小石川村の鎮守です。今は文京区千石二丁目に鎮座しますが古くは当社のお向かい現在の植物園内にありましたが、江戸時代前期の承応年間、この地に徳川将軍家の白山御殿が設けられることになり今の地に遷座したと伝えられます。




inaho.JPG 豊かな稔りの季節を迎えた北総の谷津田です。既に稲刈りが始まっていました。見渡す限り広がる稲穂の波は黄金色に色づき重く穂を垂れて収穫の日を待っています。






 秋はこうした恵のお陰で、一際食べ物がおいしい季節でもあります。サンマの塩焼き、松茸ご飯、秋茄子の素揚げに新蕎麦。数え上げたら限りがありません。食いしん坊の私にとっては待ちに待っていた嬉しい季節の到来です。豊かな秋の実りに感謝しつつ心行くまで味わいたいものですね。

September 5, 2014

さり気なくアートな空間で一息


 お盆も終わり、夏もそろそろ名残惜しそうに後ろ姿を見せようとする頃、ふらりと映画を観に行き(るろうに剣心~京都大火編)、途中で終わった感が名残惜しく、続編を見ねばと思いつつ、さらにふらりと近くにあるアルピーノ村に立ち寄りました。

G_inside_20140905.jpg アルピーノ村とは、さいたま新都心にある、フレンチやイタリアンのお店や、お花屋さん、お菓子屋さんなどが大通りをはさんで並ぶ店舗空間で、(たぶん)知る人ぞ知る人気スポットです。実はこれが初めての訪問ですが、それぞれのお店の何ともさり気なくお洒落な佇まいが気持ちを和ませます。ヨーロッパの素敵な邸宅を想わせる「お菓子やさん」という洋菓子店に入ると、その奥に、「あるぴいの銀花ギャラリー」という画廊があります。

G_inside2_20140905.jpg 画廊といってもかしこまった感じはなく、菓子店の空間の延長で、ちょっとアートに触れられるという印象です。その時は「アイデアを具現化する-生活の道具 考案と制作と展示」という催しでした。椅子やラック、ハンガー、状差し、花瓶、カットボードなど、ユニークに設計されたデザインが、職人的技術で美しく味わい深く製品化されていました。町田市の工房団地に集まった4人の若い作家さんたちの作品だそうで、作家さんが気さくにお話をしてくれました。

karakurin_20140905.jpg ギャラリーのオーナーの方は、「画廊というと限られた人々が訪れる場になりがちだが、菓子店舗とつなげ、その境界をなくすことで、より幅広く子どもも含めたくさんの方に、気軽に作品に接してもらえることを意図した」とおっしゃっていました。そしてこのアルピーノ村の各お店には、このギャラリーと関わるアートやデザイン作品がさり気なく置かれているそうです。「お菓子やさん」にも、テーブル等なるほどと思わせる家具類が見られますが、何といっても目を惹くのが、レジの後ろ上部に掛けられた、井村隆先生の金属加工によるシリーズ作品「カラクリン」。レトロなSF的オブジェは、柔らかな手作り感と無骨さがあり、生命を吹き込まれたようで、夢と温もりにあふれています。

 さらにこのアルピーノ村を語る上で外せないのが、鈴木悦郎先生の作品だそうです。悦郎先生は大正生まれの画家・イラストレーターで、雑誌『ひまわり』『それいゆ』などの挿絵や本の装幀、バレエ美術など幅広い分野で知られています。昨年惜しくも亡くなられたということですが、お店の2階も(式場の空間のようですが)見せていただき、数点の悦郎先生の抽象作品が飾られていました。確かにお店全体を形作るVI表現というか、さり気ない装飾や包装紙、袋などの愛らしいデザインは鈴木悦郎先生の手によるものです。

 1969年に最初にフレンチレストラン「アルピーノ」が誕生し、徐々に発展してきたそうで、このギャラリーも老舗の歴史を持つわけですが、全くそういうイメージはなく、お菓子の可愛くてフレッシュな美味しさが、そのままギャラリーに息づいているようです。



■あるぴいの銀花ギャラリー
G_entrance_20140905.jpg
 さいたま市大宮区北袋町1-130

 電  話 048-647-2856
 営業時間 11時~18時  
 定 休 日 火曜日

August 29, 2014

お盆の真中に東京の真中に行った事、及び自分の行動範囲はあまり変わらないことを自覚した件。


 この夏もお盆が来た。東京ではこの時期、帰省や旅行でビジネス街は人が少なくなる。そこでこの機会にいつもは人が多い東京の真中で、閑散とした街を楽しんでみようと出かける事にした。まず東京の真中とはどの辺かということになるが、ここは江戸からの中心地、皇居の辺りをそれとする事にした。皇居の住所は東京都千代田区千代田1-1だそうで、いかにも真中っぽい。

 まずは東京駅から皇居を望む。辰野金吾の設計により大正時に建てられた東京駅は、赤レンガと特徴的なドームが美しい。鉄道画家として活躍した富田利吉郎の作品「東京駅」に、そのモダンな駅舎が精緻に描かれている(本作品は当社にリトグラフの在庫がある)。行幸通りの広い道を皇居に向かい、和田倉門を過ぎて皇居の周りを時計回りとは逆に進む。皇居を一周すると約5Kmとの事。さすがにいつもはランナーでいっぱいのこの道も、走っている人はまばらで空いている。大手門、平川門を左に見ながら毎日新聞社のビル前を過ぎた所で竹橋の横断歩道を渡る。ここから緩い坂を登り、警視庁第一機動隊と書かれた怖そうな標識を過ぎ、東京国立近代美術館と、その隣の国立公文書館をやり過ごし、少し進んだ所に今回訪れてみたかった場所、東京国立近代美術館工芸館がある。

kenmochi_chair.jpg レンガ造り2階建てのゴシック様式の建物は歴史と趣があり、旧近衛師団司令部の庁舎を保存活用したそうである。工芸館という名の通りここでは主に近代美術の工芸、デザイン作品を展示している。重要無形文化財の保持者などの優れた技術と高い芸術性を持った作品が、観覧料大人は210円と非常にリーズナブルな金額で見られるすばらしい所である。しかも普段から割と空いている。今回は「もようわくわく」という様々な模様をテーマにした展示会を開催していた(2014年8月31日まで)。中でも漆を幾層にも塗り重ね、模様などを彫刻する「彫漆」の作品は、その技法と表現の妙が新鮮であった。ところで館内には所々に観覧者が休めるように椅子が置いてあるのだが、こちらがまた良い。重厚な厚板材で作られたもの、うさぎの形の様なかわいらしいものなど様々。私のお気に入りは、剣持勇の藤丸椅子。藤で編まれた丸っとした形状の中央に色鮮やかなクッションがのっている。シンプルで美しいデザインに感嘆する。

sakurada_trench.jpg さて涼しい工芸館を出て、じりじりと暑い日が差す中、皇居の道に戻り反時計回りに進む。千鳥ヶ淵の在日英国大使館の威厳ある建物を右手に見ながら半蔵門に向かう。半蔵門の辺りから霞ヶ関方面を望むと、桜田濠の深い水の色と周りの木々の緑、そして緩いカーブを描いた凹凸のある地形とが不思議な景色を見せてくれる。道は下りになり右手に国立劇場、最高裁判所が見えてくる。最高裁判所の前にある三宅坂小公園に三人の女性像が設置されている。彫刻家として活躍した菊池一雄が制作した広告記念像だそうである。広告が日本の産業文化に貢献した実績を記念し、広告功労者を顕彰する記念碑として日本電報通信社(現在の「電通」)が建てたものだそうだ。裁判所の前にあるので、正義や平等に関係する女神像かと漠然と思っていたのだが、全くの思い違いであった。いつもながらの思い込みを反省する。その背後には、「渡辺崋山生誕地」と書かれている立て札が目立たなく立っている。江戸後期の藩士、蘭学者で文人画家としても名を成した崋山は、高い写実表現の作品を描いている(残念ながら、こちらは当社に複製画はない)。

 さらに足を進めると右手に国会議事堂に続く幅の広い道が現れる。国会議事堂の前には、その名もずばり「国会前庭」という公園が北地区と南地区に分かれてある。この公園はかねてより休日に行くと非常に空いているのだが、お盆の時期は全く閑散としている。緑の多い公園に小川や池などが散在して、正しく都会のオアシス的な場所である。場所柄かトイレもきれいなので、たまに立ち寄る時は使わせてもらっている。都会生活では、「きれいなトイレがどこにあるか知っている事はとても重要な事である」と個人的に思う。公園の中程では都会の喧騒もそれほどでなく、国会議事堂のすぐ前という大都会にいる事を忘れてしまう。

 さてそろそろ皇居一周も終わりに近づいている。坂を下り終えると警視庁のある桜田門がある。門をくぐって左に進めばスタートした和田倉門に着くが、真っ直ぐ有楽町方面に向かう事にした。丸の内にフランスのクリスタルメーカー「バカラ」の店舗がある。工芸館では日本の優れたガラス工芸に触れてきたので、西洋のガラス工芸にも触れるのが良い。まだまだ残暑厳しい街に向かう。しかしよくよく考えてみたら、今日訪れた所は普段も割と空いている所であった。

 余談ではあるが今年の秋、9月23日から東京国立近代美術館で近代日本画の巨匠、菱田春草の生誕140周年を記念して大回顧展が開催される。この展覧会では菱田春草の代表的な作品が集結し、重要文化財4点全てが出品される。中でも大作「落葉」の連作5点も全て見られるとあって大変楽しみである(当社の複製画、彩美版®にも重要文化財の本作品がある)。

August 22, 2014

涼を求めて


mizunone_ten.jpg いつも美術趣味をご覧頂きありがとうございます。

 お盆休みも過ぎましたが、まだまだ残暑が厳しいですね。街中を歩いていても日陰を見つけてはそちらに移り、水分補給と休憩をはさみながら暑さを凌ぐ毎日が続いております。そのような中、この暑さを忘れさせてくれるような展覧会が開催されていると聞きおよび、涼を求めて足を運んできました。

 「広重から千住博まで」と銘打ち山種美術館にて開催中の展覧会「水の音」。この山種美術館では年中様々なテーマの企画展が催され、私もよく訪問しますが、まさにこの時期にうってつけの展覧会と思われます。本展は画面から感じられる「水の音」に焦点を当て、川、海、滝、雨の主題に沿って厳選した作品を通して、近世から現代までの画家たちの試みを振り返ることを主旨としています。

 展示室に入ると最初に目に入ってくるのは、奥村土牛先生の「鳴門」。海に渦巻く渦潮が画面いっぱいに描かれており、入場と同時に涼しさを感じさせてくれます。また、「鳴門」と同じくポスターに載っている千住博先生の描いた「滝」シリーズは、その水飛沫にマイナスイオンを浴びているような感覚にとらわれました。今回厳選されている水をテーマとした作品群は、絵画を目で楽しむだけでなく、まさに「水の音」を耳で、または体で感じられるようなものとなっていました。

 併設するカフェでは、展示5作品をテーマにした和菓子が販売されています。味は勿論のこと、細かい細工で作品の再現性も素晴らしいものとなっています。美術鑑賞後の余韻にひたりながら、一服してみてはいかがでしょうか。



【展覧会】
 水の音 -広重から千住博まで-

会 場: 山種美術館 
     東京都渋谷区広尾3-12-36

期 間: 2014年7月19日(土)―9月15日(月・祝)
開 館: 午前10時から午後5時(入館は午後4時30分まで)
入館料: 一般1,000円(800円)・大高生800円(700円)・中学生以下無料
     ※ ()内は20名以上の団体料金および前売料金
     ※ 障害者手帳、被爆者手帳をご提示の方、およびその介助者(1名)は無料。

お問い合わせ先:ハローダイヤル03-5777-8600(受付時間8:00‐22:00)

August 8, 2014

行く夏を惜しむ


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いつもブログ『美術趣味』をご覧頂きましてありがとうございます。
昨日は「立秋」、暦の上では秋を迎えました。

連日30度を超える気温が続きまだまだ真夏のような暑さですが、ふと空を見上げると澄んだ青空が少し高くなり、入道雲の上にはいわし雲やうろこ雲が重なり、塩辛トンボや麦藁トンボが軽やかに飛ぶ姿が見られるようになりました。去る夏の後姿と訪れた秋の憂いを帯びた眼差しが交差する季節の移ろいを、しみじみと感じます。
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お盆を前に各所で夏を送る行事が盛んですね。
ここ東京の小石川、千駄木界隈では「こんにゃく閻魔」の別名で知られる源覚寺境内で「ほおずき市」が、伝通院では「朝顔市」、光源寺駒込大観音では「ほおずき市」が開かれます。眩い朱色のほおずきに清楚な色合いを見せる朝顔と私たちの目を楽しませてくれます。


華やかな祭の後に漂う、そこはかとない哀愁にも似た余韻を残して夏は去って行きます。





さて今回は暮らしの中にある、なにげないひと時の幸せを感じさせる作品をご紹介いたします。

上村松園 《虹を見る》
限定 300部発行
販売価格 140,000円+税



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<仕様体裁>
監修 上村淳之
原画 京都国立近代美術館所蔵
技法 彩美版(R)、シルクスクリーン手刷り
用紙 特製絹本
額縁 特製木製和額、アクリル付(国産、ハンドメイド)
画寸 天地32.5×左右65.5cm
額寸 天地49.5×左右82cm
重量 3.4kg
発行 共同印刷株式会社

※「彩美版(R)」は共同印刷株式会社の登録商標です。


August 1, 2014

夏のアートフェスティバル in 六本木


 今日から8月。いよいよ夏本番ですね。この時期は子供たちの姿をよく見かけます。楽しい楽しい夏休み。皆さんも休暇はとられましたか。

 さて、わたしは六本木・森アーツセンターギャラリーへ足を運び、日本スペイン交流400周年の記念事業として開催されている特別展『建築家ガウディ×漫画家井上雄彦 シンクロする創造の源泉』を観てきました。時代、国境、ジャンルを超えた奇跡のコラボレーション展です。

 ガウディ直筆のスケッチや図面、大型の建築模型やガウディがデザインした家具等、貴重な作品が約100点出品される他、3面スクリーンによるシアター映像、プロジェクション・マッピングによる演出、床への装飾等、様々な趣向を凝らして展開されていました。

 そして、井上雄彦が描くガウディ。実際に一ヶ月間バルセロナへ滞在し、ガウディの建築作品のひとつカサ・ミラ内にアトリエを構え、40点描き下ろし作品を完成させたそうです。ガウディの独創的な建築技術、それがどのように生まれたのか。その壮大な人生、インスピレーションの源泉とは。井上雄彦が見て感じたものを、マンガ風に表現したパネルが並び、その世界観は見る者を惹き込みます。

 尚、現在六本木では、『テレビ朝日・六本木ヒルズ夏祭りSUMMER STATION』も開催中。森美術館の展望台の前には「ポケモン」、六本木ヒルズの広場には「たくさんのドラえもん」が出迎えてくれます。喜ぶ子供たちの笑顔も、たくさん見ることができますよ。



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建築家ガウディ×漫画家井上雄彦
シンクロする創造の源泉 展


六本木ヒルズ森タワー52階の森アーツセンターギャラリーにて、7月12日~9月7日まで開催中。58日間限定です。夏休みを使ってぜひ訪問してください。

July 25, 2014

新作モネ「睡蓮、朝」のご案内

 
いつもブログ≪美術趣味≫をご覧いただきまことにありがとうございます。
弊社ではこの度、モネ畢生の大作「睡蓮、朝」複製画の販売を開始いたします。

本年は≪印象派≫の呼称が誕生してから140年の記念イヤーとなります。パリに誕生した印象派はモネの作品『印象、日の出』から命名されました。この「印象派誕生140周年」を記念し、印象派を代表する画家クロード・モネの集大成、オランジュリー美術館所蔵の「睡蓮」連作大装飾壁画より、「朝」を企画制作いたしました。

モネの「睡蓮」連作大装飾画は第一次世界大戦の終結を記念し、フランス国家に寄贈された記念碑的な作品であり、平和を象徴する歴史的価値ある大作です。収蔵先のオランジュリー美術館は「睡蓮」連作大装飾画のために創設された≪印象派の殿堂≫と呼ばれています。

「睡蓮、朝」は柔らかな朝の光の中でまどろむような穏やかさの中に、青・緑・紫・白・赤が彩られた印象的な作品。原画は左右が13メートル近くの巨大な作品ですが、本作は特にニュアンスに富んだ見事な色彩の左半面を、フランス国立美術館連合・グランパレの画像協力を得て、当社が誇る彩美版の技法で再現いたしました。

画面をご自宅の居間や事務所にも飾りやすい30号のワイドサイズに仕上げ、気品あるデコレーション金箔額(国産ハンドメイド仕上げ)に収め、200部限定でご用意しております。

モネが愛したジヴェルニーの庭の朝を、皆さま是非お手元でお楽しみ下さい。




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Photo ⓒ RMN-Grand Palais (musée de l'Orangerie) /
Michel Urtado / distributed by AMF-DNPartcom


クロード・モネ 《 睡蓮、朝 》
Claude Monet  Les Nympéas:Matin

販売価格 128,000円+税
限定200部発行


■仕様体裁
原 画 オランジュリー美術館(Musée de l'Orangerie)所蔵
監 修 千足 伸行(成城大学名誉教授/美術評論家)
限 定 200部
技 法 彩美版(R)、シルクスクリーン手摺り
用 紙 キャンバス
額 縁 木製デコレーション金箔額(国産ハンドメイド)、アクリル付き
画 寸 天地28.3×左右91㎝(30号)
額 寸 天地38.2×左右100.8㎝
重 量 3.3㎏
発 行 共同印刷株式会社

※「彩美版(R)」は共同印刷株式会社の登録商標です。

July 11, 2014

万華鏡三昧


kaleidoscope_museum_entrance.jpg浦和にほど近い川口に、日本一の万華鏡コレクター、大熊進一氏が館長を務める日本万華鏡博物館があると知り、ちょっとわくわくしながら見に行きました。

川口駅近くのマンション1階にあるこの博物館は、狭いこともあり、事前に予約が必要です。また、「見る」コースと、自分で「作る」コースがあり、今回は「見る」だけにしました。でも、館長自ら万華鏡の歴史や種類について丁寧に説明いただき、内容の濃い閲覧になりました。

kaleidoscope_museum_exhibition.jpg万華鏡というと、神秘的で魔法的、不可思議で怪しい世界というイメージがあり、先ほどのわくわく感もそんなところに起因していたのだと思いますが、館長の話は科学的かつ文化的で、万華鏡の構造の違いにより現れる模様の違いや、時代による万華鏡の扱いの変遷についてなど、現物を前に理解・体感することができました。

万華鏡は1816年にスコットランドで発明され、すぐに世界に広まり、3年後には日本で見られた記録があるそうです。当初は非常に高級な科学的工芸品で、裕福な家に置かれた嗜好品でしたが、素材や作りが簡易化され、特に戦後、工芸品からおもちゃとして広まったようです。その他、国により表面のデザインはその国らしさが出ていることなど興味深く拝聴しました。戦後占領下にあった日本で、万華鏡玩具がアメリカ向けに作られ、輸出されていましたが、その表面には「MADE IN OCCUPIED JAPAN」と書かれており、日本が戦争を背景にした日陰の時代があったことを偲ばせます。

1980年頃より万華鏡はより精巧な鏡の開発に伴い、玩具からアート作品として発展することとなり、万華鏡作家による新たに美しい鏡の世界が生み出されています。展開される模様、スコープ全体の形状両面でいかにオリジナリティが出せるかがアートとして問われる要素だということです。
3d_kaleidoscope.jpgこの博物館で作られたいくつかのオリジナルの万華鏡(ベアーズ・スコープ)は、ダンボールを加工して作られていたり、立体的な円形状で変化していくように見える模様の中で一瞬クマのキャラクターが現れたり、なかなか面白い趣向のアート作品でした。

最後に見せていただいたスコープは透明な偏光板の破片を素材にし、自然の光を偏光作用で虹色に見せてくれる万華鏡でした。戸外で散歩しながら除くとその景観を美しい色彩と模様に変えます。科学的な仕組みとはいえ、やはり万華鏡は魔法に満ちた神秘的な道具に思えます。特にデジタル全盛の時代にも古来から仕組みを大きく変えず続いているそのアナログ世界は、子供の頃と変わらずなぜか心を魅了するのです。



■日本万華鏡博物館

埼玉県川口市幸町2-1-18-101
電話 048-255-2422 FAX 048-255-2423
開館 10:00~18:00(予約制、毎正時ごと予約可能)
定休 不定休
料金 見るコース 1,000円 
   作るコース初級 1,500~3,000円
   作るコース上級 6,000~8,000円

July 4, 2014

歴史のとけ込む不思議な街と、レトロフューチャーなタワーについて

 琵琶湖は日本一大きな湖であるという。その大きな湖の北東に長浜という街がある。旅の行程の都合で初めて訪れたが、とても魅力的な街であった。

まだ日が傾く前から宿でさっと一風呂浴びて、街の散策に出かける事にした。湖畔から街の中心に向かって歩いてゆくと、電車の線路脇におしゃれな洋館が見える。現存する日本最古の鉄道駅舎(旧長浜駅舎)だそうで、今は資料館になっている。建物には、優しいクリーム色の壁面にレンガ飾りが付いた窓が並んでいる。瓦葺の屋根にもレンガ造りの煙突が突き出ている。色も、形もとてもかわいらしい。自分の街にこのような駅舎があったら自慢である。

 さらに歩みを進めると、古い町並みが碁盤の目のように続いている。家々の壁が年季の入った黒い板塀で出来ている所がある。船板塀というらしい。

 街の繁華街までやってくると、何やら歴史を感じる、威厳のある建物がある。黒壁ガラス館というガラス細工を展示・販売している所らしい。明治時代に建てられた第百三十銀行長浜支店の建物を保存、使用しているとの事。店内には、指先程の小さい昆虫のガラス細工から、かなり値の張りそうな豪華なグラス類まで取り揃えており、とても楽しめる。今では訪れる方も増え、芸術性も高い長浜のガラス工芸も、関係者の方のご努力によってここまで創られて来たというから大変感心する。そこに住む方々の力で地域産業がアートとしても花咲いた貴重な成果である。この辺り一帯はおしゃれなガラス工芸のショップや、昔ながらの町のお店、歴史を感じる寺院などが渾然一体となり、ノスタルジーを誘う街並になっている。nagahama_Tower.jpg

 しかし長浜での出会いの中でも印象深いのが、長浜タワーである。そのレトロフューチャーな趣と、センスは秀逸である。建物は昭和の小振りなデパート風で、ギザギザ屋根のブルーのラインがアクセントとして効いている。そしてこの建物の一番の特徴ともいえるのがタワー(鉄塔)である。大きな電波塔のようなものが建物のてっぺんに付いており、そこには長浜タワーと看板文字が掛かっている。まさに昭和の夢と希望、哀愁を誘う記念碑的建造物である。



 黄昏の川沿いを歩いていくと、橋のたもとにビアガーデンがあった。長濱浪漫ビールという地ビールを飲ませてくれるお店だそうである。

Roman_beer.jpg 夕飯をここで済ませていく事にする。店内は広々として、落ち着いた雰囲気である。築100年以上の米蔵を改装して造られたそうで、店内にはビールの金属製の樽が並んでいる。ここでは日本地ビール協会金賞を受賞したエールや、ピルスナーなど4種類の地ビールが楽しめる。料理も地元の食材を使ったものを取り揃えており、夕食代わりに頼んだ近江牛のまぜご飯も美味しかった。
このまぜご飯の中に、何か赤くてやわらかい見慣れないものが入っている。かわいい店員さんに聞いてみると名物「赤こんにゃく」との事。こんにゃくといえば、灰色系で地味な色と思い込んでいた頭には、新鮮な驚きであった。

 ここの店員さんもそうだが、長浜で働いている若い人達は、とても元気がある。自分が働いている街と仕事に自信があるように感じる。

 宵の街をさわやかな風に吹かれながら宿に戻る。部屋の窓からは宵闇の湖畔にお城が見える。昭和に再興されたそうだが、秀吉が居城として初めて築いた長浜城である。秀吉の遺産を見ながら思う。この街は、戦国から明治、昭和とそれぞれの時代が今に生き続け、自然にとけ込んでいる。今日は、すばらしい長浜ワールドを堪能させてもらった。


June 27, 2014

元祖あじさい寺 鎌倉・明月院


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いつも美術趣味をご覧頂きましてありがとうございます。

先月掲載の当ブログにて紹介させていただいた、「元祖あじさい寺・明月院」に行って参りました。その名の通り、境内には青や水色で統一された約2500株のあじさいが一斉に咲き乱れ、まさに圧巻の一言。あじさいシーズン6月の開園時間は通常期の9時から8時30分となっており、全国各地から訪れる多くの観光客を迎えています。

「明月院」は平安後期、この地の武将山内俊道の供養の為に、嫡子経俊が創建した明月庵が始まりです。約百年後に北条時頼建立の最明寺を、時宗が開山に蘭渓道隆を迎え禅興寺として再興。更に百年後、室町には関東管領上憲方が庵を院に改め、禅興寺の塔頭に併せ支院の首位に置き、寺容を整えました。そして、明治初年に禅興寺が廃寺となると明月院だけが残り現在に至っています。

meigetsu_ajisai2.jpg当日は小雨が降る中、混雑を避けるために朝一番に出かけ北鎌倉の駅を降りました。円覚寺を左手に確認して、線路沿いを歩いていくと明月院へ続く道が左に分かれます。途中、葉祥明美術館の洋館を見ながら300メートルほど行くと、明月院に辿り着きます。朝一にも関わらず大変な混雑で、お目当ての写真撮影ポイントである山門前の階段は、人が多すぎてなかなかシャッターをきることができませんでした。しかし、至るところに咲いているあじさいは雨に濡れて輝きを増し、神秘的な光景となって眼前に広がっていました。

meigetsu_ajisai1.jpg明月院の境内に植えられている、あじさいのほとんどは「姫あじさい」という日本の古来種です。花が優美ということから名付けられたもので、小振りで可憐です。姫あじさいは色が変化しないのが特徴で、淡い青から日ごとに青さを増していきます。その見事な青色は「明月院ブルー」とも呼ばれるそうです。



【鎌倉・明月院のご案内】

 山 号  福源山
 宗 派  臨済宗建長寺派  
 所 在  神奈川県鎌倉市山ノ内189
 電 話  0467-24-3437
 拝観料  300円
 時 間  9:00~16:00(6月中 8:30~17:00)
 アクセス JR北鎌倉駅より徒歩10分

June 20, 2014

紫陽花だより

ajisai3.jpgいつもブログ『美術趣味』をご覧頂きましてありがとうございます。
梅雨の晴れ間に目を細め、遠く空に積乱雲を見つけると、今さらながら「もう夏なんだなあ...」と感じてしまいます。
皆様いかがお過ごしでしょうか。



ajisai2.jpgここ文京区小石川界隈は、道行く先々に紫陽花がきれいに咲き始めました。
つい先日、近くの白山神社境内で「あじさいまつり」が開催されていました。雨に濡れた紫陽花はことに風情がありますね。



ajisai1.jpg私の住まい近くでもあちらこちらに紫陽花が咲き始めてます。紫陽花の色と言えば「青」「赤」色と2色しかないと思っていましたが、今は白や淡い緑色の紫陽花がありとても驚きました。色とりどりの咲いているのを見るのは目にも心にも楽しいものです。





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さて今回は、当社ラインナップの中から紫陽花を題材にした 中村岳陵「八仙花」と山口蓬春「榻上の花」の2作品をご紹介いたします。



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中村岳陵 《八仙花》
販売価格 120,000円+税


梅雨の合間でしょうか、静かに咲く額紫陽花の横で麦藁とんぼが羽を休めています。静謐な世界を澄んだ色彩で描き、画家の凛とした画風が窺えます。

<仕様体裁>
原画 華鴒大塚美術館所蔵
解説 谷岡 清(美術評論家)
技法 彩美版(R)
画寸 天地42.6cm×左右52.6cm
額寸 天地60.7cm×左右70.8cm
重量 約3.6kg
用紙 特製絹本
額縁 特製木製額、アクリル付(国産、ハンドメイド)

※ この作品は軸装もございます。
※ 「彩美版」は共同印刷の登録商標です。






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山口蓬春 《榻上の花(とうじょうのはな)》
販売価格 160,000円+税


窓際の椅子(「榻(とう)」)には白いポットに生けた紫陽花と洋梨が、色鮮やかな色彩で描かれています。カーテンの模様・床や壁の色や構成に画家の独創的な感性が光ります。

<仕様体裁>
原画 東京国立近代美術館所蔵
監修 山口蓬春記念館
解説 笠 理砂(山口蓬春記念館)
限定 200部
技法 彩美版(R)IWA-E
画寸 天地52.5cm×左右33.5cm
額寸 天地69cm×左右50cm
重量 約2.5kg
用紙 版画用紙
額縁 特製木製額金箔仕上げ、アクリル付(国産、ハンドメイド)
証明 著作権者承認印入り証紙を額裏に貼付

※「彩美版」は共同印刷の登録商標です。
※「彩美版IWA-E」は日本画特有の画材、岩絵具の質感と色調を再現するために生み出された画期的な技法です。(当社特許保有)
日本画の画材として用いられる胡粉や方解石を細かく砕いた「岩胡粉」(岩絵具の一種)をふんだんに使用し、岩絵具特有のざらざらとした質感、風合いをつくりだしました。

June 13, 2014

開館20周年を迎えた奈良・松伯美術館


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6月5日、いよいよ気象庁が梅雨入りを発表しました。皆さまもご存じの通り、各地では記録的な大雨を観測中です。四国・高知県では僅か1日で例年の6月分の月間降水量を超えた地域があったとのこと。お出かけの際は充分にご注意くださいますよう。

さて、今回のブログでは、上村松園・松篁・淳之三代画伯の作品を多く所蔵、展示し、今年で開館20周年にあたる、奈良市『松伯美術館』をご紹介いたします。

『松伯美術館』は1994年3月、上村松篁・淳之両画伯からの作品寄贈と、近畿日本鉄道株式会社からの基金出捐により開館しました。名称の由来「松」は、上村松園・松篁両画伯の御名前と、美術館所在地である故佐伯勇近鉄名誉会長旧邸の庭に植えられている百数十本の松に、「伯」は、画伯の伯と佐伯氏の伯あるいは邸内の茶室の号、伯泉亭に由来するものだそうです。

以前仕事で訪問した際は、松が生い茂る緑の庭園と、大渕池に浮かぶ美術館の景観がとても美しく魅力的でした。雨の降りしきる今日この頃、『松伯美術館』の雄大な緑の松林は、池の畔に漂う霧に囲まれ、さぞ幻想的な景観になっているのではないかと思いを馳せてしまいます。

奈良の情緒を楽しみたい方は、"貴重な作品群"と"美しい景色"をまとめて楽しめるこの『松伯美術館』へ是非足を運んでみてください。


【松伯美術館について】

1994年3月 開館
公式ウェブサイト http://www.kintetsu.jp/shohaku/
住所 〒631-0004 奈良市登美ヶ丘2丁目1番4号
TEL  0742-41-6666 

開館時間 10:00~17:00(最終入場16:00)

定休日  月曜日(祝日の場合開館し、次の平日休館)、年末年始、展示替期間、等

入館料  大人(高校生・大学生を含む)820円(特別展は1,030円)
     小学生・中学生 410円(特別展は510円)
     ※20名以上は団体割引(1割引)
     身体障がい者手帳のご提示によりご本人と同伴者1名(2割引)

アクセス 近鉄奈良線「学園前駅」下車
     北口バスターミナル5・6番のりばよりバスで約5分
     〈大渕橋(松伯美術館前)〉下車、大渕橋を渡った右側。
     ※駐車台数に限りがあります。
     できるだけ「電車・バス」でお越しください。

※今年は、記念展も多数展開される模様です。

【松伯美術館・展覧会開催予定】
■5月20日(火)~8月3日(日)
企画展 文化功労者顕彰記念「鳥と語る 上村淳之展」(開催中)
併設展示「京都花鳥館賞展」~公募で選ばれた若き作家たち(日本画・陶芸)~

■8月12日(火)~ 9月28日(日)
企画展「楽しむ 味わう 近代日本画の抒情」~ウッドワン美術館コレクションを中心に~

■10月11日(土)~ 11月30日(日)
「受け継がれる眼 見つめる!」~松園、松篁、淳之にみる素描の力~

■12月9日(火)~ 平成27年2月1日(日)(年末年始12月27日(土)~1月5日(月)休館)
開館20周年記念「上村松園・松篁・淳之展」~松伯美術館20年の歩み~

■平成27年2月10日(火)~ 3月8日(日)
公募展 「第21回松伯美術館花鳥画展」


June 6, 2014

東京都美術館 バルテュス展


いつもブログ≪美術趣味≫をご覧いただき、まことにありがとうございます。
現在、東京・上野の東京都美術館では「バルテュス展」が行われております。日本では1993年のレトロスペクティブ@東京ステーション・ギャラリー以来、約20年振りの回顧展となります。

バルテュス(本名バルタザール・クロソフスキー・ド・ローラ)は、ポーランド人貴族の末裔として1908年にパリで生まれました。フランスを拠点にヨーロッパ絵画の伝統を独学で学び、特にイタリア・ルネサンスの影響を受けました。抽象絵画全盛の時代に、具象画の道を寡黙に歩み、「20世紀最後の巨匠」として不動の地位を確立しました(2001年逝去)。兄が著名な作家・思想家のピエール・クロソフスキー(「ロベルトは今夜」)であることや、詩人リルケとの特別な関係も芸術家としての血筋の確かさをうかがわせます。

バルテュス夫人の節子さん自らが今回の展覧会にご尽力され、晩年の画家の東洋の美に対する愛着もうかがわれる展示内容となり、これまでの難解で近づき難い画家というイメージを払拭し、ある種の親近感と、ミステリアスな作風への好奇心をそそる興味深い展覧会となりました。少女を描いた«夢見るテレーズ» (今展覧会のメインビジュアル)、«美しい日々»、 «読書するカティア»、猫をテーマとした«猫たちの王» 、«地中海の猫»といった一連の代表作の展示に加え、作家の竟の住処スイス「グラン・シャレ」のアトリエが再現され、愛蔵品の数々や晩年の貴重な写真が公開されるなど、正しくバルテュス展の決定版といえる充実した内容です。

あれは1990年頃のことでしたでしょうか、老舗出版社の写真グラビア誌の担当をさせていただいた当時、(多分)雑誌初のバルテュスのインタヴュー特集が組まれました。入稿された真新しい原稿から、霧に包まれた謎の画家バルテュスの素顔に接し、特別な幸福感に浸ったのを昨日のように思い出します・・・

注目の「バルテュス展」の会期は6月20日(金)まで。初夏の心地よい陽気に誘われて、緑豊かな上野公園を散策がてら、ご鑑賞されてはいかがでしょうか。



【展覧会情報】
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「バルテュス展」
会場 東京都美術館
会期 2014年4月19日(土)から6月22日(日)まで
※月曜日は休室
時間 9:30~17:00
※金曜は20時まで

May 30, 2014

初夏の田園を旅する


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初夏の陽気に誘われて北総の谷津道を自転車でたどる約90kmの小旅行に出かけてきました。一日戸外で過ごすと真っ黒に日焼けするほど強い陽射しですが、一旦木陰に入れば吹く風も爽やかな気持ちよい気候です。カエルのコーラスを伴奏に青々とした苗の列が田面(たのも)を渡る風に揺れています。
※各写真をクリックすると拡大します。


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「ケーン、ケーン」
突如響き渡る鳥の鳴き声。色鮮やかなオスの雉子が眼に飛び込んできました。今は雉子の繁殖期です。雉子が鳴くのはライバルが自分のテリトリーに入らぬよう縄張りを宣言しているのだとか。この日はいつもより多くの雉子を眼にしました。

さて、谷津田に沿った細道を走り抜けて行き着いた先は、印旛沼湖畔の「双子公園」です。双子公園は北印旛沼と南印旛沼をショートカットする「印旛捷水路(いんばしょうすいろ)」の南側の端に設けられ、印旛沼を周遊するサイクリストの休憩場所として親しまれています。
印旛沼は江戸時代まで南関東に存在した内海「香取の海」の名残で、かつては地を這う巨龍を思わせる広大な湖でした。戦後、食糧増産のための農地拡大や治水・利水を目的として大規模な干拓事業が行われ、その姿を大きく変貌させました。

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現在は北印旛沼、南印旛沼の二つに大きく別れ、両者を狭い水路が繋いでいます。昭和41年、台地を掘り割り北側と南側をショートカットする「印旛捷水路」の開削工事が行われていた折に現場からナウマン象の化石が発見されました。学術的にも貴重な発見であったことから、後日出土地のほど近くに双子公園が整備されると記念モニュメントが置かれました。

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双子公園を後にして印旛捷水路沿いの自転車道をたどり、北印旛沼に出ました。北印旛沼は龍の頭にあたり歪んだ四角形の形をしています。湖畔に立って北の方角を眺めると50kmほど離れた筑波山の姿がくっきりと見えます。

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湖畔に佇み、青い空にぽっかりと浮かんだ白い雲を眺めていたら日常の煩わしい悩みをすっかり忘れてしまいました。体は疲れましたが心は軽やか、洗いたての気分です。ここからもう少し足を伸ばして利根川沿いのサイクリングコースへ抜けることも可能ですが、今日はもう十分満足しました。そろそろ家路につくことにしましょう。

May 23, 2014

浦和のギャラリー散策


g_yanagisawa2.jpg 初夏の陽気が日々天気図を占め、心も開放的となる時期となってきました。穏やかな風と明るい日差しに誘われ、さいたま市浦和駅西口近辺を散策しました。

平安時代に創建されたと言われる古刹・玉蔵院。喧騒から無縁の地を中心に、その周辺の石畳はさりげない趣を印象づけます。そんな石畳が続く裏門通りは、つい立ち止まって見入るレトロで風情豊かな装いのお店も多く見られます。「やじろべえ珈琲店」「手焼きせんべい三代目満作」「和浦酒場」などなど。つぎはぎな印象の銭湯「稲荷湯」も好きな外観です。

g_yanagisawa1.jpg そして訪れたのは中山道沿いにある、老舗ギャラリー、「柳沢画廊」。現代抽象画中心で現代版画から現代美術全般の企画展を開催している画廊です。この日も小ぶりで品の良い空間に、現代美術が並んでいました。筆塚稔尚(ふでづかとしひさ)という作家さんの個展開催中でした。「muragimo」という、質感ある様々な色の紙に有刺鉄線のハートが組み合わされた小さな作品が壁面に多数並べられていたり、質感ある空間に三角状の対象が浮かぶ木版画作品など、静けさの中にチクリとした刺激を感じるような印象の抽象造形作品でした。
 
rafu.jpg (たぶん)オーナーの方に、ご挨拶がてらこのあたりの画廊についてお尋ねしたところ、1軒面白いギャラリーがあると紹介してくれました。毎年年始に参拝する調神社のすぐ近くにある「楽風(らふ)」という喫茶ギャラリーです。早速行ってみました。

 「青山茶舗」という老舗の日本茶店。その奥の敷地に120年前に建てられた納屋を改装、1階は日本茶カフェ、2階はギャラリーとなっています。知らなければ絶対勝手に入りこまないと思う場所にあり、本物の時代性をまとう内・外装を前に、懐かしい空間がもたらす癒しの力を感じずにはいられません。

raku2.jpg 1角には入れ替わりのワンクリエーター展示販売コーナーがあり、この日は手編みのバッグ、小物、アクセサリーが並べられていました。テーブル上の手作り感ある小物も目を和ませます。冷抹茶の洋菓子セットを美味しくいただき、ここを後にしました。そう、この日はあいにく2階のギャラリーは休廊でした。しかしこの喫茶室、そして作品らしき人形が置かれた緑豊かな庭も、まさにギャラリー空間として楽しめ、それで満足してしまったのでした。2階のギャラリーはまたあらためて鑑賞するのを楽しみにとっておきます。


■柳沢画廊
 さいたま市浦和区高砂2-14-16
 TEL 048-822-2712
 営業時間11時~19時
 定休日 水曜 年末年始 夏期

■楽風(らふ)
 さいたま市浦和区岸町4-25-12
 TEL 048-825-3910
 営業時間10時~19時
 定休日 水曜 年末年始 お盆

May 16, 2014

由緒正しい銭湯とコンテンポラリーアートの関係及び、団子坂の飴細工の事。


 銭湯のギャラリーがあると聞いたので、行ってみようと思った。

 そこでゴールデンウィークのある晴れた日に、東京の台東区、谷中に出かけた。ギャラリーの名前はSCAI THE BATHHOUSE(スカイ ザ バスハウス)と言う。まさしくバスハウス(=公衆浴場)そのものの外見であるが、中を改装してコンテンポラリーアート(現代美術)を展示しているギャラリーであった。

bath_house.jpgSCAI THE BATHHOUSE(スカイ ザ バスハウス)の入り口は、まさしく銭湯そのまま

 暖簾をくぐり、入り口を入ると小さな箱を重ねたような下駄箱が並んでいる。靴は脱がずにさらに中に進むと、昔は番台から脱衣場のあった辺りまでを貫いて、大きな空間にして作品を展示している。左の展示スペースを見ると一段高くなっており、椅子が置かれ居間のようになっている。その壁面には河原温の「日付絵画」が掲げられていた。制作した日付を書いたその作品は色が黒っぽいものでなく、初めて見る鮮やかな赤いバージョンであった。あのショッキングな「浴室」シリーズを描いた河原温の作品が、もと銭湯で展示してあるというのも、なにか運命めいたものを感じる。銭湯にでも行くような軽い気持ちでふらりとやって来たが、河原温の作品に出会うとは思ってもみなかったので少々驚いた。ここは襟を正して、気を引き締め拝見させていただく事にした。

 さらに次の展示室に進む。そこは天井が高く遥か上の方に窓があり、開放感のある部屋になっていた。明るい光のもといくつかの作品がぽつぽつと展示してある。浴槽があったと思われるあたりには壁があり、事務所になっているので見る事がかなわない。どのように改築しているのか大変興味がそそられる。以前の建物をどの程度生かしているのか。富士山のペンキ絵はかつてあったのか、あったのであれば今も飾っているのであろうかなど興味は尽きない。

 このギャラリーでは国内外の最先鋭のアーティストを紹介しているそうである。古き良き銭湯とコンテンポラリーアートが仲良く同居しているのは、新しい芸術の発信と、古き良き下町が混在する上野界隈にぴったりなように感じた。

 さてギャラリーを出る。まだ日は長いのでもう少し足を伸ばしてみる事にした。谷中霊園を右手に見ながら道は大きく左に曲がり千駄木方面に向かっている。この辺りは寺院が多く風情がある。外国の旅行者も多く、のんびりと門前の石に腰掛けて休んでいたりしている。また若い人が出している新しいお店もあり、おしゃれな自転車屋や、カフェなどもあり飽きが来ない。

 団子坂を登って頂上にたどり着く辺り、森鴎外記念館のちょっと手前に飴細工のお店があった。店内は様々な動物の飴細工が展示してあり、ムンワリとした甘い香りで満たされている。飴細工の動物たちをよく見ると、白いウサギがいろいろなポーズをしているシリーズがある。商品札に「あめぴょん」と書いてある。店員さんが出てきて、このお店の一番人気であると教えてくれる。さらに「あめぴょん」のようにかわいらしい店員さんの説明によれば、メニューの中から選んで注文すれば、目の前で飴細工の実演をしていただけるとの事。メニューには十二支やインコ、鳳凰、クワガタや人魚まである。やはり形が複雑で色数が多いものほど値段が高いようである。どのように作るのか大変興味はあるものの、一人の客(おじさん)のために飴細工を作っていただくのは、見る方も、見られる方もやや気まずいのではないかと思い、ここはご遠慮願ったしだいである。「ハートあめぴょん」を一つ購入してお店を出る。

amepyon.jpg飴細工の白ウサギ、ハートを抱いた「ハートあめぴょん」

 さらに白山方面に向かい道を進める。途中、窓ガラスの内側に沿って水を流している仕掛けの歯科があった。何となく中が見えるのだが、水のせいで室内が歪んで見えてカーテンの役割をしているようである。

 さて、そろそろお腹も空いて来たので遅い昼食を取る事にした。東洋大学を過ぎた辺りにちょうど良い感じのレストランがあった。イタリア料理「シシリア食堂」とある。外観は明るいコバルトブルーで、今日の気持ちよい青空ととても良く合う。残念ながらランチはほとんど売り切れており、トマトソースのスパゲッティのランチ一つだけであった。しばし待って出て来た料理はトマトソースをからめた細めのスパゲッティに、バジルソースが縞模様にかかっている。トマトの鮮やかな赤、バジルの濃いグリーン、お皿の白のコントラスがイタリア国旗の色彩になっており目にも美しい。初夏を感じさせる今日にはぴったりのランチであった。食後のコーヒーを飲み終えてお店を出る。都営地下鉄の白山駅まではすぐである。

May 9, 2014

花の寺・長谷寺


いつも「美術趣味」をご覧頂きましてありがとうございます。

新緑が芽吹き、爽やかな風が心地よい季節になってきました。ゴールデンウィーク絶好のお散歩日和に鎌倉、花の寺として親しまれる「長谷寺」に行って参りました。

「長谷寺」は特に6月頃の紫陽花が有名なお寺で、傾斜地を利用した眺望散策路があります。散策路の周辺には40種類以上約2500株の紫陽花が群生しており、梅雨の季節には多くの観光客が訪れます。鎌倉の紫陽花の名所としては、昔から北鎌倉の「明月院」が知られていますが、最近では明月院を鎌倉の「元祖あじさい寺」、長谷寺を「新あじさい寺」と呼ぶ向きもあるそうです。

hasedera_sanmon.jpg最寄駅の江ノ電長谷駅から徒歩5分「長谷観音」交差点を左折すると、すぐに「長谷寺」の山門が見えてきます。長谷寺の参道は門前町らしく、土産物を売る店や蕎麦屋などが軒をつらねており、大変賑わっていました。境内に入ると百花繚乱、「牡丹」「躑躅(ツツジ)」「藤」「石楠花(シャクナゲ)」など様々な花が庭園を彩り、素晴らしい景色が広がっていました。花の寺と言われる所以を感じさせます。

botan.jpg長谷寺の正式名称は、「海光山慈照院長谷寺」といいます。本尊の十一面観音像は、歴史のある木造の仏像としては日本最大級(9.18m)で、全身に金箔が施されており、まばゆいばかりです。目の前にするとその大きさに圧倒されます。


sea_kamakura.jpgまた、長谷寺は「海光山」の山号のとおり、境内からの海の眺望が素晴らしいお寺です。見晴台に立つと由比ヶ浜を中心に湘南の海岸線を一望することができます。近くには「高徳院(鎌倉大仏)」もあり見所はつきません。皆様も足を運ばれ、春の鎌倉を堪能されてはいかがでしょうか。


【海光山慈照院長谷寺】

 宗 派 浄土宗
 所在地 神奈川県鎌倉市長谷3-11-2
 電 話 0467-22-6300

 夏時間 3月~9月   8:00~17:00 ( 閉山17:30 )
 冬時間 10月~2月   8:00~16:30 ( 閉山17:00 )
 拝観料 大人300円 小人(小学生)100円
 アクセス 江ノ電「長谷駅」より徒歩5分



さて、今回は奥村土牛画伯の作品「紅白牡丹」を紹介させていただきます。庭園内でも見頃を迎え、訪れる人々の目をひときわ惹きつけていました。この作品はこちらの販売店でお求めになれます。

奥村土牛 《紅白牡丹》
販売価格 128,000円+税


 
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<仕様体裁>
原画 メナード美術館所蔵
監修 奥村正
技法 彩美版(R)、シルクスクリーン手刷り
用紙 和紙
額装 特製木製額金泥仕上げ(国産、ハンドメイド)
画寸 39.5×53.0cm
額寸 57.0×71.0cm
重量 約2.7kg

※この作品は同価格で軸装仕様もご用意しています。
※「彩美版」は共同印刷株式会社の登録商標です。


April 25, 2014

晩春の光


いつもブログ『美術趣味』をご覧頂きましてありがとうございます。

心地よい風が頬をなで、ここ最近は初夏を思わせる陽気で汗ばんだりと早い季節の移り変わりを感じる今日この頃です。皆様いかがお過ごしでしょうか。

hanamizuki.jpg小石川界隈は樹木が多く道行く花壇は紫陽花やツツジが植えられています。晩春の光を浴びて今はいツツジが鮮やかに咲いき見頃な時期ですね。よくそのツツジ花壇にはハナミズキも植えられ、白や赤色の花が咲き誇っていました。花のように見えるのは実はガクが変形したものだそうです。草花の不思議を感じながら、これから過ごしやすい季節に足を運んで散策もいいですね。

さて今回は、端午の節句にちなんで安田靫彦「菖蒲」と、東山魁夷「金太郎」の複製画をご紹介いたします。

安田靫彦 《菖蒲》 軸・額
販売価格 120,000円+税


金地に描かれた色鮮やかな「菖蒲」。歴史画の大家、安田靫彦画伯の秘められた名作を再現いたしました。本作は画伯81歳の晩年に描かれた作品で、凛とした菖蒲が気品を感じさせます。

この作品はこちらの販売店でお求めになれます。

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<仕様体裁>

原画 古川美術館所蔵
監修 安田建一
解説 草薙奈津子(平塚市美術館館長)
技法 彩美版(R)、シルクスクリーン
用紙 和紙
限定 300部
画寸 40×53cm
額寸 60.2×73.3cm
重量 約2.6kg
額縁 木製金泥仕上げ、アクリル付き(国産、ハンドメイド)
証明 著作権者承認印入り証紙を貼付
発行 共同印刷株式会社

※「彩美版」は共同印刷株式会社の登録商標です。
※本作品は軸装もご用意しております。額装と同価格です。



東山魁夷 《金太郎》 軸・額
販売価格 90,000円+税


小さな金太郎の気丈な姿を、東山魁夷画伯独自のやさしいタッチで描かれた「金太郎」。子供の健やかな成長を切に願う思いが伝わってきます。

この作品はこちらの販売店でお求めになれます。


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<仕様体裁>

原画 長野県信濃美術館・東山魁夷館所蔵
監修 東山すみ
解説 谷岡 清(美術評論家)
技法 彩美版(R)、シルクスクリーン、本金泥手彩色
用紙 和紙(鳥の子)
額縁 特製木製額(国産、ハンドメイド)
限定 1,000部
画寸 33×30cm
額寸 51×48cm
重量 約2.5kg
証明 監修者承認印入り証紙を貼付、監修者空押し(エンボス)を画面に刻印
発行 共同印刷株式会社

※「彩美版」は共同印刷株式会社の登録商標です。
※本作品は軸装もご用意しております。額装と同価格です。




【今日の谷根千】

①根津神社 文京つつじまつり
第45回 平成26年4月5日~5月6日開催
つつじ苑入苑は期間中の9時~17時30分(18時完全閉苑)
境内には約100種3000株のツツジが咲き、見頃な時期くを迎えています。
〒113-0031東京都文京区根津1-28-9
tel 03-3822-0753(受付時間9:00~17:00)



②暁の劇場―鴎外が試みた、或る演劇
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2014年 4月 26日~ 2014年 6月 22日
会期 2014年4月26日(土)~6月22日(日)
※会期中の休館日 5月27日(火)
会場 文京区立森鴎外記念館 展示室1、2
開館時間 10時~18時(最終入館17時30分)
     ※6月中の金曜日は20時まで開館(最終入館19時30分)
観覧料 一般600円(20名以上の団体:480円)、
中学生以下、障がい者手帳ご提示の方と同伴者1名まで無料

April 18, 2014

祐天寺「アクセサリーミュージアム」


accesory-museum.JPGいつも「美術趣味」をご訪問いただきありがとうございます。

春風が心地よい午後。祐天寺駅から歩いて数分。閑静な住宅街の一角に、「アクセサリーミュージアム」という小さな美術館を発見しました。中は別世界。煌びやかな空間が広がります。

アールデコ、ヴィクトリアン、アールヌーボー...といった1830年代から2000年代までのコスチュームジュエリー(※)の数々が、時代毎に6つの部屋から整然と構成されており、一つ一つの作品の美しさをゆっくり堪能することができます。
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伝統的な手細工による、本物の世界。その美しさに見惚れてしまいます。「ほんものの放つオーラを感じ、よりリアルな感動を味わっていただきたい。」そんな田中元子館長の想いが結実した、まるで宝石箱のように感じました。定期的に「アクセサリー教室」なども開催されているようです。お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄り頂き、美しい箱の中を覗き込んでみてはいかがでしょうか。kameo.JPG

※コスチュームジュエリーとは、貴金属や宝石等の高価材料を使ったジュエリーではなく、ファッション性を重視して作られた装身具のこと。この移り変わる時代のファッショントレンドは、人々をいつの時代も美しく飾ってきました。


 
アクセサリーミュージアム

公式ウェブサイト http://acce-museum.main.jp

住 所 東京都目黒区上目黒4-33-12
電 話 03-3760-7411  FAX 03-3794-8811

開 館 10:00~17:00(最終入場16:30)※特別イベントの場合は変更になることがあります。
定休日 月曜日、第4・5日曜日、5月連休、8月休館(1日~31日)、年末年始
入館料 一般1,000円/学生(小学生以上)600円
アクセス 東急東横線/渋谷から元町・中華街方面「祐天寺駅」下車西口徒歩約6分
※専用駐車場はありませんが、近隣にパーキングがあります。
  

April 11, 2014

森美術館 アンディ・ウォーホル展


いつもブログ≪美術趣味≫をご覧いただき、まことにありがとうございます。
現在、東京・六本木の森美術館では「アンディ・ウォーホル展:永遠の15分」が行われております。日本では約20年振りの回顧展となります。

roppongiポップアートのスーパースター、アンディ・ウォーホルは1928年にアメリカ合衆国ペンシルべニア州生まれ。第二次大戦後、興隆するアメリカの消費社会と大衆文化をテーマに、平面、立体、映像等さまざまなジャンルとメディアを横断し表現したマルチアーチストとして、一躍時代の寵児となりました。1987年に59歳で病没しましたが、死後も名声に翳りはなく、現代アートの頂点として今も君臨し続けています。

今回の展覧会では、代表作の«キャンベル缶» «マリリン・モンロー»はもちろんのこと、作家の出身地ピッツバーグにあるアンディ・ウォーホル美術館の膨大な収蔵品約400点が一挙に公開され、ウォーホルの全容が明らかになりました。若かりし頃の貴重なドローイングから、ポップアートを代表する彫刻作品、日本未公開作を含む実験映像、他の有名アーチストとのコラボレーション、ウォーホル自身の私的アーカイブ、伝説のアートスタジオ「ファクトリー」の原寸大再現等々見所は沢山、まさしく国内史上最大の回顧展と言えましょう。

因みにタイトルの‹永遠の15分›とはウォーホルの言葉、「人は誰でも生涯のうちに15分だけ有名になれる」と、後にこれを反転させた「15分で誰でも有名になれる」という彼の警句に由来します。

大好評のレトロスペクティブも会期はあと残すところ5月6日(火)まで。六本木ヒルズ見物と併せて鑑賞されることをお薦めいたします。


【展覧会情報】

「アンディ・ウォーホル展:永遠の15分

会場 六本木・森美術館
    東京都港区六本木6-10-1
    六本木ヒルズ森タワー 53F
    電話:03-5777-8600 (ハローダイヤル)

会期 2014年 2月1日(土) から 5月6日(火・休)まで
    ※会期中無休
時間 10:00 ~ 22:00 ※火曜は17時まで(4/29、5/6を除く)

April 4, 2014

船出、輝く未来へむけた新たな一歩

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皆様いつも当ブログをご覧いただきありがとうございます。

今週は全国で多くの若者たちが社会人として最初の一歩を踏み出しました。新しい生活への戸惑い、不安、そして期待を懐きつつ胸を張りまっすぐ前を向いて輝く未来へむけて歩み始めた彼らに、心からのエールを送ります。

この春、私たちも新たな一歩を歩み始めました。伝統ある「美術商品部」の事業はそのまま受け継ぎながら、新生・アート&カルチャー部として新事業に挑みます。これまでアートに限定されていた事業領域を生活に根ざす文化(カルチャー)を含むより広い領域へと拡大し、新たな事業へもチャレンジしてまいります。

私たちもまだ見ぬ未来への期待と不安を胸に懐きつつも新たな事業へ挑戦する機会を得た喜びを噛み締めながら、しっかりと前を見据え自らの腕と知恵で新航路を切り拓いて行く決意です。

これからも変わらぬご支援をいただきたく、なにとぞよろしくお願いいたします。

March 28, 2014

春爛漫

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いつもブログ『美術趣味』をご覧頂きましてありがとうございます。


先日、東京都では桜の開花が確認され「開花宣言」されたそうです。ようやく陽気もだんだんと春めいてきましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか。 私の住んでいる界隈でも菜の花が河川敷に咲き乱れ、桃、コブシ、水仙やたんぽぽの花をよく見かけるようになりました。


fukinotou.jpg遠くからは白くぼんやりと見える広場に近づいてみると「春の七草」ナズナが辺り一面に咲いてその逞しさにとても驚きました。また、フキノトウの芽が大きく育ち可愛らしい小さな花をつけていました。(若芽のうちなら天ぷらやふき味噌などにするととても美味ですね。)

春の陽気に誘われて、近く散策して新しい発見を楽しむのもいいですね。



さて本日ご紹介する1枚は、上村淳之「四季花鳥図」の彩美版です。
画面右側は春の陽気をうけて草花が目を覚まし、一年でもっとも活発なる時期になるのでしょうか、梅や桃の花、桜が咲き始め小鳥たちがやってきます。躍動感ある小鳥たちを見ていると今にも囀り声が聞こえてきそうです。四季折々の草木や訪れる愛らしい小鳥たちが楽しめます。


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※背景の銀色をシルクスクリーンで再現しています。


-画家の夢見る世界への誘い-
上村淳之 《四季花鳥図》
販売価格 160,000円+税込



<仕様体裁>sikikachouzu_bubun.jpg
原画 近畿日本鉄道株式会社所蔵 松伯美術館委託
技法 彩美版(R)、シルクスクリーン手摺り
限定 300部 
画寸 天地25.2cm×左右65cm
額寸 天地41.4cm×左右81cm
重量 約2.3kg
用紙 版画用紙
額縁 特製木製銀泥額、アクリル付(国産、ハンドメイド)


※「彩美版」は共同印刷株式会社の登録商標です。

この作品はこちらの販売店でお求めになれます。

March 14, 2014

【新商品】 彩美版・小倉遊亀 「椿」


tsubaki_red.JPGいつも当ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は新商品、小倉遊亀画伯「椿」のご紹介です。

ポカポカ陽気の一日、当社のお向かいにある小石川植物園を訪ねました。幼稚園のお子さんたちが元気いっぱいに走り回っていました。
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園内ではまだ蕾の木々が多い中、一足はやく椿が満開となっていました。
きっと小倉画伯も、このような晴れた日に咲く椿を眺め、この作品へ思いを込めたのではないでしょうか。

春はもう、間もなく。鮮やかな「椿」の美しさを、ぜひご堪能ください。






小倉遊亀 《椿》 額装
販売価格 230,000円+税


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<仕様体裁>

技法 彩美版(R)、シルクスクリーン手刷り、本金泥を使用。
用紙 版画用紙(かきた)
限定 300部
監修 有限会社 鉄樹
解説 谷岡 清(美術評論家)
証明 画中及び奥付シールの2箇所に著作権者承認印捺印
額縁 特製木製額金泥仕上げ(国産、ハンドメイド)
画寸 39.2㎝×64.8cm
額寸 58.0cm×84.0cm 
重量 約5.2kg
発行 共同印刷株式会社

※ 「彩美版」は共同印刷株式会社の登録商標です。

March 7, 2014

金太郎

いつも当ブログをご覧いただきありがとうございます。

今週の月曜は「雛祭り」でしたね。女の子の節句が終わったから次は男の子の番というわけではないのですが、五月人形商戦は例年なら3月からのところ今年は消費税率アップの影響もあって既に2月初めからスタートしているようです。

kintarou_and_wildboar.JPG写真は我が家の堤人形(つつみにんぎょう)「猪乗り金太郎」です。
堤人形は仙台の伝統工芸のひとつですが、江戸時代下級武士の内職として始まりました。現在でも伝統を受け継ぐ職人さんの手によって、ひとつひとつ手間隙をかけて生み出されています。そのため一般のお店には置いておりません。入手するには唯一の工房である「堤人形製造所」まで出向いて予約注文しなければならないのです。

人気の作品は予約して手に入るまで数年待つものもあるようです。我が家の金太郎も1年近く待ちました。届いたときには包みをほどくのももどかしく、箱を開けて人形が見えた瞬間思わず歓声をあげたのを昨日のことのように覚えています。

五月人形はお子様の健やかな成長や幸せを祈る願いを込めて贈られるもの。できればお買い求めになる際も手間隙を惜しまず、本当に良いものを選びたいものですね。


堤人形製造所

住所 仙台市青葉区堤町3-30-10
電話 022-275-1133



当社は五月人形は扱っておりませんが東山魁夷が描く「金太郎」の彩美版を販売しています。

東山魁夷 《金太郎》 軸・額
販売価格 90,000円+税


この作品はこちらの販売店でお求めになれます。


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<仕様体裁>

原画 長野県信濃美術館・東山魁夷館所蔵
監修 東山すみ
解説 谷岡 清(美術評論家)
技法 彩美版(R)、シルクスクリーン、本金泥手彩色
用紙 和紙(鳥の子)
限定 1,000部
画寸 33.2×30cm
軸寸 114×46cm
軸装 三段表装(国産、ハンドメイド)
箱  柾目桐箱、タトウ付き

証明 監修者承認印入り証紙を貼付、監修者空押し(エンボス)を画面に刻印
発行 共同印刷株式会社

※「彩美版」は共同印刷株式会社の登録商標です。
※本作品は額装もご用意しております。軸装と同価格です。

February 28, 2014

必見!特別展「世紀の日本画」


いつもブログ「美術趣味」をご覧いただき、まことにありがとうございます。
現在、上野の東京都美術館では「日本美術院再興100年 特別展「世紀の日本画」が開催されております。

2ヶ月の会期中、前期は2月25日(火)を以って終了いたしました。3月1日(土)よりいよいよ後期展の開始となります(会期4月1日まで)。

日本美術院の130年の歴史を、近代日本画の巨匠たちの代表作でたどる記念展は、前期と後期ですべての作品が入れ替わる趣向となっておりますので、前期をご覧になった方もぜひ通期でご覧になることをお薦めいたします。

日本美術院は明治31年(1898年)、岡倉天心の指導の下、橋本雅邦を主幹に、横山大観、菱田春草、下村観山らの若き弟子たちにより創設され、近代日本画の成立と発展に大きな役割を果たしました。その後、師の岡倉天心を失い、一時休眠状態となりましたが、大正3年(1914年)に師の意志を継ぎ、横山大観、下村観山らが中心となり日本美術院は再興されました。以後、多数の重要な作家を輩出し、再興日本美術院の歩みとともに日本美術の歴史が築き上げられてきました。

後期展には日本画の精華ともいうべき60点の多彩な作品が展示されます。
中でも重要文化財の2作、狩野芳崖『悲母観音』と橋本雅邦『龍虎図屏風』は見逃せません。また日本美術院で常に中心的役割を果たした横山大観の『無我』の展示にも注目です。新たな日本画の創造を目指した若き日の大観が、日本美術院創立の前年、明治30年(1897年)に描いた初期の傑作です。

近代日本画の巨匠たちが一堂に会する貴重な展覧会に、皆様ぜひ足をお運び下さい。
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■展覧会出口の2階売り場では出品作家の弊社謹製複製画が多数展示されております。作家や著作権者の方々に特別に監修していただいた作品は、どれも原画を忠実に再現した最高品質の工芸品として、高い評価をいただいております。
上記『無我』につきましても以下の通り、お取り扱いしております。


横山大観 《無我》 掛軸
販売価格 本体123,000円+税


<仕様体裁>
技法 特殊美術印刷
表装 三段表装(国産)
画寸 74×43センチ
額寸 184×63センチ
監修 横山大観記念館
原画 東京国立博物館蔵

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February 21, 2014

下村観山展

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いつも「美術趣味」をご覧頂きましてありがとうございます。
先日横浜美術館へ今年生誕140年を迎えた「下村観山展」を観に行って参りました。

横浜美術館の企画展としては前回の「横山大観展」に続き、日本画を代表する巨匠にスポットを当てています。大観と同じく岡倉天心を師と仰ぎ、日本美術院の立ち上げにも参加した横浜ゆかりの画家でもあります。展覧会キャッチコピー「日本歴代屈指の筆技を観よ」の通り、その素晴らしい画技を堪能することができました。

下村観山は、紀州徳川家に使える能楽師の家に生まれました。幼少期より狩野芳崖らに師事し、東京美術学校に第1期生として入学後、岡倉天心のもとで学びました。日本美術院創立に参加し、横山大観・菱田春草と共に活躍、またその再興にも尽力します。日本画家初の官費留学生としてイギリスに渡り、水彩画研究や洋画の模写を行うなど、幅広く日本画の可能性を追求していきました。

残念ながら「下村観山展」の会期は終了してしまいましたが、観山の代表作であり重要文化財に指定されている「弱法師(よろぼし)」は、現在東京都美術館で開催中の「世紀の日本画展」にて展示されています。

「弱法師」は再興第2回院展に出品され、当時から最高傑作と評されました。立派な梅の枝と俊徳丸が描かれた右隻と、静かな夕日が浮かぶ左隻の対比が印象的な作品です。展覧会前期の2月25日まで出品されています。またこちらの展覧会は3月1日より会期後期に入り、展示作品全品入れ替えとなりますので、前・後期ともに足を運びたいところです。

今年は日本美術院が再興され100周年とメモリアルイヤーとなります。秋には盟友「菱田春草展」も控えており、日本美術院の画家から目がはなせない年となりそうです。



【「世紀の日本画」展ご案内】

名称  日本美術院再興100年 特別展 世紀の日本画
会場  東京都美術館 企画展示室(東京都台東区上野公園8-36)
会期  <前期> 1月25日(土)~2月25日(火) <後期> 3月1日(土)~4月1日(火)
時間  9:30~17:30(火~木、土日)、9:30~20:00(金) ※入室は閉室30分前まで
休室  月曜日(2/24、3/31は開室)、2/26~28

February 14, 2014

深々と

oogannon.jpgいつもブログ『美術趣味』をご覧頂きましてありがとうございます。
先週末の東京都心では雪が降り続いて積雪は25センチと45年ぶりの記録的大雪になったそうです。冬の季節ではありますが、あまりの大雪に圧倒されてしまいます。

寒さが一層厳しい中、会社から程近い光源寺(こうげんじ)駒込大観音(こまごめおおがんのん)の境内は梅の花が咲き誇り、春の訪れを感じさせます。こちらの観音様は梅の巨木があることから、梅の大観音とも呼ばれているそうです。

ume.jpgそして今週末、関東圏内は朝から雪が降り始め光源寺の境内が一面雪景色に。静かに降り積もる雪をみると一瞬時間が止まった様な感覚になり、そらからしんしんと落ちてくる雪を眺めてはなんだ心が吸い込まれそうになります。せっかく咲いていた梅も寒そうにみえましたが、雪景色のなか凛とした姿を垣間見た様でした。








さて今回は、雪降る奈良・二上山麓に在る当麻寺を描いた作品、後藤純男先生の「大和・雪のしじま」をご紹介いたします。雪に覆われた寺院の神聖な空気が画家の一筆一筆にこもり見ている私たちに静かに語りかけます。


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後藤純男 《大和・雪のしじま》
販売価格 240,000円+税



<仕様体裁>
原画 後藤純男美術館所蔵
監修 後藤純男美術館
解説 行定俊文(後藤純男美術館館長)
限定 500部
技法 彩美版(R)、シルクスクリーン手刷り
用紙 版画用紙(モロー)
額縁 特製木製額金泥仕上げ、アクリル付き(国産、ハンドメイド)
画寸 37×73cm(20号)
額寸 58×94cm
重量 約6.2kg
証明 監修者の承認印入り証書を貼付

※「彩美版(R)」は共同印刷株式会社の登録商標です。




【後藤純男美術館のご紹介】
1987年、北海道の厳しい自然に惹かれた日本画家・後藤純男画伯は、道内取材の拠点として上富良野町にアトリエを構え、これをきかっけに、1997年9月、美術館が誕生しました。
2002年6月には新館が完成し、展示室が大幅に拡充されたほか、2階には十勝岳連峰を望めるレストランと資料室がオープン。新館と旧館を合わせて約600平方メートルある展示スペースでは、主要作品の多くを見ることができます。本作品「大和・雪のしじま」も所蔵しています。


住所 北海道空知郡上富良野町東4線北26号
電話 0167-45-6181
Web http://www.gotosumiomuseum.com/

February 7, 2014

春の兆し


皆様いつも「美術趣味」をご覧いただきありがとうございます。

まだまだ朝晩は冷え込みますが、少しずつ春の気配が感じられるようになりました。冬から春へと季節が移り変わるこの時期は、誰もが嬉しく待ち遠しく感じる時期ではないでしょうか。先日、文京区目白台の永青文庫に伺ったおり、神田川沿いの江戸川公園で春の兆しを見つけました。

神田川は井の頭公園内の井の頭池を源とし古くは平川(ひらかわ)と呼ばれ現在の日比谷付近にあった日比谷入江へ注いでいました。徳川家康は神田山(現在の駿河台)を切り崩して日比谷入江を埋め立てるとともに江戸の飲料水確保のため平川を改修し神田上水を設けました。

現在の江戸川公園付近に取水堰(関口大洗堰)を設置して平川の流れを分け、水戸藩邸(後楽園)を経て江戸市内へ向かう上水道を引きました。神田上水は江戸市民の生活になくてはならないものとなり明治30年代まで使われていました。

江戸川橋から飯田橋にかけて神田川と並行するように走る「巻石通り」は神田上水の流路です。このあたりの地名が文京区水道と言うのはその名残です。

今では神田川はソメイヨシノが咲き誇る都内有数の花見スポットです。「春にはまた来なくちゃ...」と思いながら川沿いの径を歩いているとそんな気持ちを察してか、江戸川公園で美しく咲く紅白の梅が温かく迎えてくれました。
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紅白という2色のコントラストは、紅白幕や紅白饅頭など縁起物としてお祝い事によく使われておりますが、この季節の自然を彩る紅白梅は、まさに春の到来を祝っているかのように感じました。皆さまも暖かい日はぜひ外へ散歩にお出かけになり、春の兆しを感じて頂ければ幸いです。




【文京区江戸川公園のご紹介】

所在 東京都文京区関口2-1
交通 東京メトロ有楽町線「江戸川橋」駅から徒歩3分


当社商品ラインナップから今年生誕130周年を迎える前田青邨の『紅白梅』をご紹介いたします。この作品はこちらでお求めになれます。



前田青邨 《紅白梅》
販売価格(軸・額) 各190,000円+税


淡く下地に金泥を刷いた画面に琳派に由来する垂らし込みの技法で華やかな紅白梅が描かれています。リズミカルにデザイン化された幹と枝は光琳の紅白梅図屏風を連想させます。よく観ると濃い紅色、淡い紅色、白色と異なる色の花を咲かせた三本の樹々があたかも家族のように互いを抱きあいながら複雑に絡み上方へと伸びています。香り高い梅の花が一面に咲き零れ上品で華やかな青邨独特の画面をつくりあげています。

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<仕様体裁>

■軸・額共通
原画 公益財団法人石橋財団 石橋美術館 所蔵
技法 彩美版(R)・シルクスクリーン手刷り
用紙 和紙
限定 300部
証明 著作権者の検印証紙を貼付

■軸装仕様
画寸 天地44×左右60.6cm
軸寸 天地135.7×左右75.7cm
軸装 三段表装
箱  柾目桐箱、タトウ入り

■額装仕様
画寸 天地43.9×左右60.3cm
額寸 天地65.5×左右81.9cm
重量 約5.8kg
額縁 木製金泥仕上げ特製額(ハンドメイド、国産)


※「彩美版(R)」は共同印刷株式会社の登録商標です。

January 31, 2014

節分


みなさまいつも「美術趣味」をご覧いただきありがとうございます。

ついこの間新年を迎えたばかりなのに今日で1月も終わり明日から2月です。来週の「節分」は小さなお子様がいらっしゃるご家庭ではとりわけ楽しみにされていることでしょう。

元来「節分」は新しい季節が始まる前日のことですが近世には立春(概ね2月4日前後)の前日を意味することが一般的となったようです。「鬼は外、福は内」と唱えながら炒り豆を撒き鬼を追い払う「豆まき」の原型は平安の昔から行われている宮中行事、「追儺(ついな)」(「鬼やらい」とも)とされています。この「追儺」は大晦日に行われ新年を迎えるため宮中から邪気を追い祓う行事です。民間に伝わった「節分」の豆まきは新しい春を迎え入れるため家内の邪気を祓うという意味あいなのでしょう。

最近はコンビニチェーンのしかけで大阪発祥とされる「恵方巻き」なる太巻き寿司を節分に食べる習慣が全国に広まりつつありますが、さて「豆まき」のように世代を超えて受け継がれるものとなりますでしょうか。

古いものは廃れ新しいものに置き換わってゆくことは世の習いとは言え「節分」や「御雛祭り(桃の節句)」、「端午の節句」など家庭の伝統行事は生活に根ざした大切なわが国の文化です。今後も世代を超えて末永く受け継がれ行われることを願って止みません。



当社ではお子様の健やかな成長と幸せを願う節句行事に関連した作品を取り揃えております。なかでも一押しの人気作品をご紹介します。いずれもこちらの販売店でお求めになれます。




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上村松園 《御ひな之図》
販売価格 90,000円+税


<仕様体裁>

原画 山種不動産株式会社所蔵
技法 彩美版(R)
用紙 代用絹本
証明 所蔵者検印証紙を貼付
画寸 天地69.5×左右34.5cm
軸寸 天地156×左右52cm
表装 三段表装(国産、ハンドメイド)
箱  柾目桐箱、タトウ入り





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東山魁夷 《金太郎》
販売価格 90,000円+税


<仕様体裁>

原画 長野県信濃美術館・東山魁夷館所蔵
技法 彩美版(R)、シルクスクリーン手刷り、本金泥手彩色
用紙 和紙
限定 1,000部
証明 作品画面に著作権者のエンボス(空押し)を刻印
   桐箱に著作権者検印証紙を貼付
画寸 天地33×左右30cm
軸寸 天地115×左右46cm
表装 三段表装(国産、ハンドメイド)
箱  柾目桐箱、タトウ入り

※彩美版(R)は共同印刷株式会社の登録商標です。
※いずれも額装を用意しております。詳しくは当社または取り扱い店へお問い合わせください。

January 24, 2014

モネ「風景をみる眼」展ー印象派誕生140周年を迎えて


いつもブログ《美術趣味》をご覧いただき、まことにありがとうございます。

現在、上野の国立西洋美術館では「国立西洋美術館×ポーラ美術館 モネ 風景をみる眼-19世紀フランス風景画の革新」展が行われております(会期3月9日 日曜日まで)。

話題の展覧会には、国内屈指のモネコレクションを誇る国立西洋美術館とポーラ美術館の所蔵品が多数展示されております。両館のモネ作品をまとめて見る機会は滅多になく、実に貴重な展覧会と言えましょう。

中でも、今回の展覧会の白眉は1907年と1916年の『睡蓮』2作の並列展示です。光に溢れ、実に完成度の高い1907年作品(ポーラ美術館蔵)に比べ、不穏で荒々しい16年作(国立西洋美術館蔵)は、一見未だ完成途上の大作にも見えますが、晩年の巨匠の重厚な筆遣いと色合いはモネ芸術の只ならぬ深化も窺わせます。ブログのお客様もぜひ会場に足をお運びいただき、モネの芸術の独創性、創造の神秘を直接その眼で感じ取っていただければと思います。

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今年(2014年)は「第1回印象派展」が開かれてから140年を迎えます。《印象派》の名は、このときモネが発表した『印象-日の出』から付けられました。
当美術商品部では、印象派の代表画家であるモネの作品を多数取扱っておりますが、ここにその代表的な作品をご紹介いたします。

いずれも「アートレリーフ」という当社独自の技術が用いられています。
原画を思わせる絵の具の凹凸や筆のタッチを精密に再現し、キャンバスに仕上げた特別な複製画です。絵の表面の質感(画肌:マチエール)を直に触ってお楽しみいただけます。

※ご紹介した作品はこちらの販売店でお求めになれます。


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クロード・モネ 《印象・日の出》
販売価格 40,000円+税


1874年の第1回印象派展(画家、彫刻家、版画家無名芸術家協会展)に出品され、「印象派」の名のもととなった記念碑的名作です。


<仕様体裁>

技法 アートレリーフ(キャンバス張り)
額縁 特製木製額(ハンドメイド、国産)
画寸 53×45.5センチ(F10)
額寸 62.5×70センチ
重量 約3.6kg
原画 マルモッタン美術館蔵




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クロード・モネ 《アルジャントイユの赤い船》
販売価格 38,000円+税



<仕様体裁>

技法 アートレリーフ(キャンバス張り)
額縁 特製木製額(ハンドメイド、国産)
画寸 45.5×38センチ(P8)
額寸 50×62.5センチ
重量 約2.7 kg
原画 オランジェリー美術館蔵




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クロード・モネ 《アルジャントイユの橋》
販売価格 40,000円+税



<仕様体裁>

技法 アートレリーフ(キャンバス張り)
額縁 特製木製額(ハンドメイド、国産)
画寸 53×40.9センチ(P10)
額寸 58×70センチ
重量 約3.1kg
原画 オルセー美術館蔵

January 17, 2014

いざ鎌倉へ 初詣と椿の花


いつも美術趣味をご覧頂きましてありがとうございます。
本年もなにとぞよろしくご愛顧のほどお願い申し上げます。

先日の3連休、遅ればせながら鎌倉へ初詣に行って参りました。
三が日の頃から比べれば、大分人出も落ち着いたかなと思っていれば、全然そんなことはありません。
鶴岡八幡宮、そこから一直線に伸びる若宮大路まで大混雑でした。
今年はこの混雑を避け、鶴岡八幡宮前を右方向へそれた所にある「宝戒寺(ほうかいじ)」へと向かいました。

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「宝戒寺」は鎌倉幕府とともに滅びた北条氏の霊を慰め、また国宝的人材を養成修行する道場として、後醍醐天皇が足利尊氏に命じて、北条執権屋敷跡に建立させた天台宗のお寺です。
花の名所としても知られており、春の桜、夏の百日紅や酔芙蓉、秋の萩、冬の梅、椿など境内は四季折々の花によって彩られます。八幡宮の喧噪が嘘のように落ち着いた雰囲気で、ゆったりとした時間の中で参拝することができました。

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秋のお彼岸になると境内中が白萩に埋め尽くされ、萩寺という名でも親しまれているそうですが、この時期は椿の花が咲いておりました。
また、よくこのお寺に訪れている男性から珍しい種類の椿があると紹介していただきました。
葉が金魚の形になっています。
先端が三つほどに分かれるツバキの葉を「錦魚葉(きんぎょば)」と呼ぶそうです。


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【金龍山宝戒寺のご紹介】
住 所  神奈川県鎌倉市小町3-5-22
アクセス JR横須賀線「鎌倉駅」東口より徒歩13分
開 門  8:00 閉門 16:30
拝観料  大人(中学生以上) 100円
     小人(小学生)    50円




椿は、鎌倉にゆかり深い小倉遊亀画伯が最も好んで描いた画材でもあります。
現在当社では小倉画伯が描いた「椿」の代表作の一つを彩美版として発売する予定でございます。詳細は近々当ブログにて改めてご紹介させていただきます。

今回は当社ラインナップのなかから小倉画伯の先輩、奥村土牛画伯の「椿」をご紹介させていただきます。


この作品はこちらの販売店でお求めになれます。


奥村土牛 《椿》 軸装・額装
販売価格 (各)120,000円+税




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<仕様体裁>

■軸額共通
監修 奥村 正
原画 古川美術館(名古屋)所蔵
技法 彩美版(R)、シルクスクリーン手刷り
用紙 和紙
証明 著作権者検印シールを貼付

■軸装仕様
画寸 天地36.5cm×左右52.7cm
軸寸 天地124.6cm×左右72.2cm
表装 三段表装
箱  柾目桐箱、タトウ付

■額装仕様
画寸 天地35.8×左右52.1センチ
額寸 天地55.1×左右71.4センチ
重量 約4.0kg
額縁 特製・木製金泥仕上、アクリル付(国産、ハンドメイド)


※[彩美版(R)は]共同印刷株式会社の登録商標です。

プロフィール

共同印刷株式会社SP&ソリューションセンター アート&カルチャー部では、日本画を中心とした複製画や版画の制作、販売をてがけています。制作の裏側や、美術に関係したエッセーを続々とアップしていきます。尚、このサイトの著作権は共同印刷株式会社又は依頼した執筆者に帰属します。

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