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November 20, 2012

深川・亀久橋のステンドグラス

夜の木場公園先日木場の東京都現代美術館へ「アートと音楽」展(注1)を観にいってきました。閉館ぎりぎりまでねばり外に出ると、もう日が落ちていました。
木場公園のつり橋の上で来し方を振り返ると明かりのともった東京スカイツリーが見えます。このつり橋は公園を南北に分かつ仙台堀川の上に架けられています。このまま真っ直ぐ帰宅したのでは何だか物足りない気がするので夜の散歩を楽しみましょう。仙台堀川を西へたどり富岡八幡宮方面へ抜けることにします。
仙台堀川は江戸時代に開削された運河で仙台藩蔵屋敷(注2)沿いを流れていたことから仙台堀と呼ばれました。江戸市中で消費される米の多くは仙台藩からもたらされましたが、海路江戸まで運ばれ深川の蔵屋敷に運び込まれたそうです。元禄2年(1689)、松尾芭蕉は深川から弟子の曾良を従え「奥の細道」へと旅立ちます。旅の始まりは隅田川を遡って千住へ向かうため仙台堀で舟に乗ることでした。

亀久橋のステンドグラスさて仙台堀川に沿って隅田川方面へと歩むうちに古い鉄橋のたもとに色鮮やかな明かりが点るのを見つけました。まるで闇に輝く一握りの宝石のような光は亀久橋(注3)です。
関東大震災の復興事業として深川、城東地区には150を超える橋が架けられました。隅田川の永代橋、蔵前橋、厩橋などが有名です。仙台堀川の亀久橋もそのひとつとして昭和4年に竣工しました。
橋の四隅に色鮮やかなステンドガラス照明が設置されています。当時世界的に流行していたアール・デコ様式を取り入れデザインされたもので、粋でモダンな下町の雰囲気にマッチしています。
戦災にも耐え、今なお竣工時そのままの美しい光を楽しむことができるのは奇跡と言って過言ありません。日中なら恐らく気付かずに通り過ぎていたことでしょう。夜の散歩ならではの嬉しい発見かもしれません。

(注1) 東京アートミーティング《第3回》 アートと音楽‐新たな共感覚をもとめて
     会場  東京都現代美術館
     会期   平成24年10月27日(土) から平成25年2月3日(日)まで

(注2) 仙台藩蔵屋敷跡  東京都江東区清澄1-2
     江戸時代の地図『明和江戸図』(明和8年・1771)には「松平陸奥蔵」と記されています。

(注3) 亀久橋(かめひさばし) 東京都江東区平野二丁目・冬木
     江東区指定「都市景観重要建造物」 江戸時代からここに同名の橋が架けられていました。
     『明和江戸図』に「カメ久ハシ」、安政5年(1858)の『本所深川絵図』には「亀久橋」と記されています。

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