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April 14, 2008

メゾティントの"魔力"

企画のツネです。
当初は「メゾティントの魅力」というタイトルで文章を書いていたのですが、
「魔力」に変えました。
 
浜口陽三の版画作品が持つ、観る人をとらえて離さない力、
それは魔力と呼ぶに相応しいほど強烈です。
 
世界を舞台に活躍した版画家、浜口陽三(1909−2000)。
「カラーメゾティント」と称される新たな銅版画を開拓し、素晴らしい作品を残しました。
 
漆黒の背景に浮かぶ赤や青。
宙や水中に浮かんで(或るいは沈んで)いるかのような静物が、息を呑むほど美しい。


メゾティントの黒には、他の版画技法や絵画、写真にはない深みがあります。
その黒を作り出すメゾティントだからこそ、浜口の作品が生まれたとも言えるでしょう。
 
この深い黒は、通常の印刷では表現できません。
図録や書籍だけではなく、是非、実物を観ていただきたい。
実物の版画を観ることで気が付くことは多々あります。
 
例えば、浜口の作品は、ほんの少し紙が波打っています。
これは、版を刷る度に紙を湿らせては乾燥させるという、メゾティントならではの手法に因るのでしょう。
手仕事の生々しさが作品の力をより強くします。
 
メゾティントの漆黒の魔力、間近で体験してください。
 
浜口陽三の作品が常設展示されている主な美術館は、ミュゼ浜口陽三 ヤマサコレクション(東京・日本橋)、武蔵野市立吉祥寺美術館(東京)など。
どちらも静かな環境で浜口陽三の作品と向き合うことができ、おすすめです。

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