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February 13, 2008

アートの「接近・展開・連続」

企画のツネです。
 
美術館で絵や彫刻を観るときも、「接近・展開・連続」が大切です。
(サッカー日本代表・岡田監督の名言。)
 
作品にぐっと近づいて(接近)観る、
作品とそれが飾られた壁面、また展示室の雰囲気を楽しむ(展開)、
作品の並べられた順番(連続)に、展覧会を企画した学芸員の意図を汲み取る…
 
作品に接近してじっとよく観ているひとは大勢いますが、絵の飾られた壁や展示室、また展覧会全体の雰囲気まで意識して観るひとはそう多くはいないでしょう。
実はそこが、美術鑑賞のおもしろいところ。いわば魚のアラのような、鑑賞のポイントです。

 
作品の並び方ひとつで、受ける印象はまるで違います。
ある時は気にも留めなかった絵を、別の機会に観て感動するとか、同じ絵を違う美術館で観るとやはり感じ方は全然違います。
 
以前、中村彝(つね)の「骸骨を持てる自画像」を東京国立近代美術館で初めて観ました。
その数週間後に岡山の大原美術館へ行くと、奇遇にもまたその絵に出合いました。
 
私が絵を追いかけていったのか、絵が私についてきたのか。
不思議な体験でした。
 
もちろん印象は全然違いました。
東京国立近代美術館の比較的明るい展示室の中で、中村彝の代表作「エロシェンコ氏の像」と並べられていた「骸骨〜」。
大原美術館別棟の常設展示室内、薄暗い中展示室のはじっこの方に掛かっていた「骸骨〜」。
 
結核を患っていた画家が病床で描いた、骸骨を手にやせ細った自画像。
決して明るい画題ではありませんが、それでも大好きな画家の作品に続けざまに出会えたことが妙に嬉しかったのでした。
 
話は戻って「接近・展開・連続」、これはもともとサッカーではなく、ラグビーの理論として有名なことばだそうです。
 
岡田監督は就任会見の中で、「接近・展開・継続」と言い間違えていました。
ケイゾク、これも美術鑑賞に大事なことですが、紙幅の関係で今回はここまでにしましょう…

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