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January 28, 2008

寺山旦中先生 遺芳展

企画のツネです。
 
昨年亡くなられた寺山旦中先生の遺墨展に行ってきました。
(東京・松屋銀座 7階ギャラリー、明日29日まで)
 
寺山先生の書は豪放でありながら柔和で、書には明るくない私にも不思議と読めてしまう。
字そのものが判るというよりは、書かれた内容、意味がしんと心に沁みてくるようです。
 
先生の生前のお知り合いの方々なのでしょうか、やけに賑やかなギャラリーの中で、先生の最期の作品を観ながら、たった一度だけ先生にお会いしたときのことを思い返しました。
 
銀座の風景

寺山先生は、書道を通じて禅の理解を深めようという筆禅会の師家(主催者)として、また書家や、二松學舎大學の教授として精力的に活動されていました。
 
私が先生にお会いしたのは昨年、書の作品の監修を寺山先生にお願いしたご縁でご自宅にうかがった時です。
 
その際に、癌のため余命幾ばくも無いこと、ご自身の古稀を記念した個展をなんとか開催したいこと、その中でも頼まれた以上やれることはやる、ということを、静かにおっしゃっていました。
 
初対面の、見るからに経験の浅そうな私にも優しく、しかし重い内容を語る寺山先生は、先生の執筆された本を読んだときの印象とは違いました。
その日は、弊社から先生にお願いする仕事の内容説明をし、先生のお話を聞くだけで時間が過ぎてしまい、次回はもっと話を交わしたい、と思いました。
 
それがお会いする最後の機会になったことが今でも悔やまれます。
 
 
今回の遺墨展で最も印象に残ったのは、『生死はすなはち佛の御いのちなり』(道元)の一幅。その中の「死」の一字。
字画の墨だまりがどこかかわいらしくも見えるその一字に、先生の人となりが表れているようでした。
 
改めてご冥福をお祈りいたします。

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