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November 21, 2007

勝手に仙厓  1

企画のツネです。
実は、福岡出身です。
 
だからというわけではありませんが、仙厓義梵(せんがい ぎぼん)の大ファンです。
 
仙厓は、「伝える」よりも「伝わる」メッセージを絵や書に託すことができたひとだと思います。
 
いたずら描きのような絵も、簡素で強烈な讃や書も、仙厓にしか描けない「厓画」の世界。
 
先日まで東京の出光美術館で開催されていた、没後170年記念の「仙厓展」。
展覧会のポスターに使われていた代表作、「指月布袋画賛」を見てみましょう。
(作品の画像を掲載することができないので、わたくしのイラストでご堪忍ください。)

<模写>仙厓義梵 指月布袋図
笑顔にひげ面の布袋さんと、艶かしい(!)お尻のこども。
二人が指差す先では、月が照っているのでしょう。
でも、絵の中に月はない。画中の人物の指先を見るだけでは、月は「見えない」。
そこが仙厓が絵に込めた教訓です。
 
画中の人物を「経典」、月を「真理」と置き換えます。
文字で書かれた経典を追うだけでは、真理は身に付かない。
経典の文字にばかりしがみつかないで、自分なりに考え、解釈し、理解することができるかどうかが大切なのだ、という仙厓の教えです。
 
その教えを言葉でただ説くのでなく、誰にでもすんなり伝わるよう、絵に表した。
200年近くも昔、識字率は現在と同等ではないでしょう。メッセージを絵にすることで、格段にわかりやすく、伝わりやすくなります。
 
 
・・・とはいえ、もしも絵が下手だったら元も子もない。仙厓さんは、実は絵が上手い。そこがすごい。
次回、仙厓の絵の技法について検証してみましょう。

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